金融商品取引法

証券取引等監視委員会、東芝の不適切会計の問題について金融商品取引法違反(有価証券報告書虚偽記載)の疑いで東芝の西田厚聡元社長、佐々木則夫元社長、田中久雄元社長の三社長を事情聴取

金融庁、東洋ゴムのデータ改ざんで不正公表前に情報を得て同社株式を売り抜けた同社の取引先の役員にインサイダー取引で課徴金納付命令

東京地裁、東京電力の公募増資をめぐるインサイダー取引として金融庁が命じた課徴金納付命令を取消

ヤマダ電機が提出した臨時報告書で飯村北監査役の選任議案が51.65%の賛成で可決されていたことが判明

2016年3月期決算の企業の有価証券報告書が出そろい、東京商工リサーチのまとめで、役員報酬が1億円以上で開示されたのは414人と判明

トヨタ自動車が提出した有価証券報告書で、ルロワ副社長の報酬が豊田章男社長の2倍の6億9600万円であることが判明

黒田電気、株主総会当時に公表された従業員組織による声明は、従業員組織によるものではなく、執行役、課長などの会社関係者による作成であったとする社外調査委員会の報告書を公表

下記、tweetの続報です。

 

外部有識者による報告書が、黒田電気から公表されました。

内容としては、C&Iホールディングスの指摘の通り、従業員組織による作成ではなかったことが判明したとするものとなっています。

社外調査委員会の調査報告書について | ニュース | 黒田電気株式会社

調査報告書

端的には、執行役からの指示に基づき、法務知財課長が作成したということとされています。

このことは、私文書偽造罪、虚偽記載のある参考書類等の利用禁止違反(金融商品取引法)、東証の上場規程の趣旨に悖る行為(東証からの照会に虚偽を回答していること)、会社法の善管注意義務違反(執行役について)などを構成するとされています。

このほか、経営責任、道義上の責任も肯定されるところであり、大変な問題行為をしていたことが指摘されています。

村上氏自体は、目下、別の問題の渦中にあるわけでそのタイミングでこのような事実は明るみに出ても反応の仕方が難しい可能性がありますが、ことは東証などにも影響していることから、ドタバタしている状況の中で有耶無耶ということは難しいものと思われます。

証券取引等監視委員会、平成25年金商法改正で新設された未公表の重要事実の伝達等の禁止の違反があったとして初の課徴金納付命令勧告を行う

平成25年の金融商品取引法改正で、いわゆる「未公表の重要事実の伝達等の禁止」が新設されていますが、この規定には課徴金も設けられているところ、違反行為があったとして、証券取引法監視委員会により金融庁に、初の課徴金納付命令勧告がされたことが明らかになりました。

(未公表の重要事実の伝達等の禁止)

第百六十七条の二  上場会社等に係る第百六十六条第一項に規定する会社関係者(同項後段に規定する者を含む。)であつて、当該上場会社等に係る同項に規定する業務等に関する重要事実を同項各号に定めるところにより知つたものは、他人に対し、当該業務等に関する重要事実について同項の公表がされたこととなる前に当該上場会社等の特定有価証券等に係る売買等をさせることにより当該他人に利益を得させ、又は当該他人の損失の発生を回避させる目的をもつて、当該業務等に関する重要事実を伝達し、又は当該売買等をすることを勧めてはならない。

 公開買付者等に係る前条第一項に規定する公開買付者等関係者(同項後段に規定する者を含む。)であつて、当該公開買付者等の公開買付け等事実を同項各号に定めるところにより知つたものは、他人に対し、当該公開買付け等事実について同項の公表がされたこととなる前に、同項に規定する公開買付け等の実施に関する事実に係る場合にあつては当該公開買付け等に係る株券等に係る買付け等をさせ、又は同項に規定する公開買付け等の中止に関する事実に係る場合にあつては当該公開買付け等に係る株券等に係る売付け等をさせることにより当該他人に利益を得させ、又は当該他人の損失の発生を回避させる目的をもつて、当該公開買付け等事実を伝達し、又は当該買付け等若しくは当該売付け等をすることを勧めてはならない。

具体的な事案としては以下のとおりであり、伝達のみを単独であげられたというわけではなく、受領者によるインサイダー取引の認定とセットになっています。

公開買付者の親会社との契約締結者の社員からの情報受領者によるウェブクルー株式に係る内部者取引違反行為及び当該社員による公開買付けの実施の事実に係る伝達違反行為に対する課徴金納付命令の勧告について:証券取引等監視委員会

1.勧告の内容

証券取引等監視委員会は、公開買付者の親会社との契約締結者の社員からの情報受領者によるウェブクルー株式に係る内部者取引及び当該社員による公開買付けの実施の事実に係る伝達について検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。

2.法令違反の事実関係

(1)課徴金納付命令対象者(1)について

課徴金納付命令対象者(1)は、株式会社ニュートン・フィナンシャル・コンサルティング(以下「ニュートン」という。)の親会社である株式会社光通信との間で株式引受契約を締結していた会社の社員であった課徴金納付命令対象者(2)から、同人が同契約の履行に関して知った、ニュートンの業務執行を決定する機関が、株式会社ウェブクルー(以下「ウェブクルー」という。)の株式の公開買付けを行うことについての決定をした旨の公開買付けの実施に関する事実の伝達を受けながら、上記事実の公表がされた平成26年11月12日午後3時より前の同日午後1時42分頃から50分頃、自己の計算において、ウェブクルー株式合計7800株を買付価額合計496万8500円で買い付けたものである。

課徴金納付命令対象者(1)が行った上記の行為は、金融商品取引法第175条第2項に規定する「第167条第1項又は第3項の規定に違反して、同条第1項に規定する売買等をした」行為に該当すると認められる。

(2)課徴金納付命令対象者(2)について

課徴金納付命令対象者(2)は、株式会社ニュートン・フィナンシャル・コンサルティング(以下「ニュートン」という。)の親会社である株式会社光通信との間で株式引受契約を締結していた会社の社員であったが、同契約の履行に関して知った、ニュートンの業務執行を決定する機関が、ウェブクルーの株式の公開買付けを行うことについての決定をした旨の公開買付けの実施に関する事実を、課徴金納付命令対象者(1)に対し、上記事実が公表される前にウェブクルー株式の買付けをさせることにより同人に利益を得させる目的をもって、伝達したものである。

課徴金納付命令対象者(1)は、上記事実の公表がされた平成26年11月12日午後3時より前の同日午後1時42分頃から50分頃、自己の計算において、ウェブクルー株式合計7800株を買付価額合計496万8500円で買い付けたものである。

課徴金納付命令対象者(2)が行った上記の行為は、金融商品取引法第175条の2第2項に規定する「第167条の2第2項の規定に違反して、同項の伝達をし、又は同項の買付け等若しくは売付け等をすることを勧める」行為に該当すると認められる。

 

上記に引用した通り、「伝達等の禁止」はいわゆる目的犯となっているわけですが、情報受領者によるインサイダー取引の事実認定を持ってこの要件に関する間接事実としていることが伺われます。

このような事実認定の手法は当然に予想されるところではありますが、金融商品取引法167条の2の運用の第一号の実例として重要であると思われます。

2014.12.11 法律関係tweetまとめ

[法律]証券取引等監視委員会、投資助言業のNEXT TRUSTが、登録をしていない業者が個人投資家らと投資一任契約を結ぶ際の仲立ちに名義を貸していたとして、行政処分をするように勧告(12月9日)。

[法律]福岡地裁、NPO法人消費者支援機構福岡が提起したLIXILの高齢者用マンションで入居時に支払った一時金の20%を返還しないと定めた契約条項の差止めを求めた訴訟で請求を棄却(12月10日)。判決では、死亡まで契約が定額で継続することを保証する対価と評価している模様。

Japan Law Express(@JapanLawExpress) | Twitter

証券取引等監視委員会、三栄建築設計の社長保有株を有価証券報告書等に虚偽記載していたとして課徴金納付命令勧告

東証一部上場の三栄建築設計が、東証二部上場だった時代に代表取締役社長の保有株式数について過小に記載した有価証券報告書又は有価証券届出書を提出していたとして、証券取引等監視委員会が課徴金納付命令勧告を出しました。

株式会社三栄建築設計に係る有価証券報告書等の虚偽記載及び同社株式に係る変更報告書の虚偽記載に係る課徴金納付命令勧告について:証券取引等監視委員会

上記のリリースには出てきませんが報道によると、一部を知人名義とすることで虚偽の記載をして東証二部の上場基準を満たしているかのように記載したということですので、かなりの重大性があるといえるでしょう。

不実開示責任は様々なものが用意されていますが、課徴金も可能となっており、それにもとづいて課徴金納付命令を出すように証券取引等監視委員会が勧告をしたということになります。私人からの損害賠償請求も可能ですので、これ以外にも広がる可能性があります。

ちなみに課徴金額は、約8000万円なのですが、継続開示の不実開示の課徴金の金額はかつて議論になったことがあり、最低300万とか600万とかで立法が行われていたことを考えますと、きちんとした数式に基づいての算出ではあり裁量が働いているわけではないのですが、この金額はかなり大きめであると感じられるところです。

同社ではこれを受けて、代表取締役に対する処分が行われるとのことで公表されています。

証券取引等監視委員会による課徴金納付命令の勧告について

課徴金納付命令の勧告を踏まえた当社の社内処分について