種類株式

欧米の機関投資家、トヨタの種類株式のような株式の発行について慎重な検討を求める声明を公表へ

トヨタ、個人株主の増加を目的として種類株式を発行へ | Japan Law Expressの関連情報です。

欧米の機関投資家が、トヨタを名指しこそしないものの、トヨタが発行する種類株式のような内容の株式について、慎重な検討を求める声明を企業や市場向けに出すことが明らかになりました。

トヨタ式新型株「慎重に」 欧米機関投資家が声明  :日本経済新聞 2015/7/5 2:01

【ニューヨーク=山下晃】欧米の大手年金基金やヘッジファンドなどの投資家らが共同で、トヨタ自動車が発行する新しいタイプの株式について「慎重に検討してほしい」と企業や市場関係者に要望する声明を公表する。元本保証で議決権のある株式を一部の株主が保有することは、株主間の不公平につながると主張。同タイプの株式発行が日本市場で広がることに懸念を示している。

(略)

声明の骨子は、要するにこの種類株式は、普通の株式と利益が相反する可能性があるという点です。

トヨタが発行する種類株式は、5年間は換金できないものの、実質的に元本保証がされているという社債のような内容である一方、議決権自体はあるため、議決権行使において普通株主と利益が相反する行動をとる可能性があるという懸念がされている模様です。

確かにこの株式は破格の内容になっているところがあり、そのため価格も高めになるという形でそれが現れつつありますが、利益相反の恐れとなると価格だけで解決できる問題ではないため指摘には一理あると思われます。

相反を防ぐためには、既存株主も種類株式を取得するなどするしかなくなりますが、株主権を維持するために出資を強いられる構造となると典型的な株主をないがしろにする会社になってしまいますので、この種類株式の設計の発展する先が気になるというのはもっともかもしれません。

トヨタ、個人株主の増加を目的として種類株式を発行へ

トヨタ自動車が個人株主の増加を目的として種類株式を発行することが発表されました。

トヨタ自動車、中長期保有を前提とした「AA型種類株式」の発行に向けた手続きを開始 | TOYOTA Global Newsroom

トヨタは個人株主が少ないとのことでその拡大が課題とのことで、社債に近い種類株式を発行することで、個人株主の投資を呼び込む意図のようです。

この種類株式ですが、上場している企業による種類株式発行の先例である伊藤園の種類株式とは異なり、上場はしないものとされています。

内容を大まかにまとめると以下のような内容とされています。

  • 譲渡制限
  • 議決権有
  • 配当が5年間で徐々に増加
  • 5年後には普通株式への転換か発行価格での取得請求が可能、トヨタも全部取得請求が可能

社債に近い内容の種類株式ですが、議決権はあることが特徴的です。その他にも諸々の良好な条件が付いているため、この種類株式の発行価格は普通株式よりも相当高くなることが予想されます。

種類株式の活用は、会社法と東証の上場規則の改正などから例が見られるものの、それほど多数の活用例があるわけでもないような印象です。このトヨタの種類株式は大変意欲的な内容で注目されるものと思われます。

 

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