社外取締役

日経225構成企業で6月総会を終えた197社において、社外取締役が総会前比で18%増加したことが判明

8月10日付の日経新聞に載った三菱UFJ信託銀行がまとめたところによると、日経225を構成する企業で6月総会を終えた197社において、総会後に社外取締役が人数にして85人、比率にして18%の増加となっていることが明らかになりました。

複数の社外取締役を選任した企業も179社であり、社外取締役の複数の選任を求めているコーポレートガバナンスコードへの対応も行われていることが伺われます。

むしろ総会を迎えて、あえて複数選任をしないで終えた企業が、コーポレートガバナンスコードで求められることになる理由の説明についてどのような内容を説明するのかが注目されることになりそうです。

東証、上場企業に2名以上の独立社外取締役の選任を求めるコーポレートガバナンスコードを6月から施行へ 選任しない場合には理由の説明が求められることに

金融庁と東証がまとめる「コーポレートガバナンス・コード」で、上場規則に複数の社外取締役の設置を求めることが明らかに | Japan Law Expressの続報です。

上記記事を受けて、昨年12月17日に東証からコーポレートガバナンス・コードの基本的な考え方(案)が公表されていますが、当該コードが6月から施行され、上場規則でこのコードの内容を実施しない場合には説明をすることが求められるという形で、上場規則の整備が行われることになり、2月24日にパブリックコメントに付されました。

コーポレートガバナンス・コードの策定に伴う上場制度の整備について

コードの内容は多岐にわたることから、独立社外取締役の点だけ取り上げるのは適当ではなく、他にもさまざまなコーポレートガバナンスに関する内容について、行うべきとされていることが示されており、実施しない場合には説明が求められるという形になっています。

コードのうち、独立社外取締役についての箇所は以下の通りになります。

【原則4-8.独立社外取締役の有効な活用】
独立社外取締役は会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に寄与するように役割・責務を果たすべきであり、上場会社はそのような資質を十分に備えた独立社外取締役を少なくとも2名以上選任すべきである。また、業種・規模・事業特性・機関設計・会社をとりまく環境等を総合的に勘案して、自主的な判断により、少なくとも3分の1以上の独立社外取締役を選任することが必要と考える上場会社は、上記にかかわらず、そのための取組み方針を開示すべきである。

上記だけ読むと、開示するべきは、後段の3分の1以上の独立社外取締役の選任に関する場合に限られそうに読めますが、そもそも全体を拾う規定として以下のようなものがあり、全体の内容について説明をしないといけない立てつけになっています。

【原則3-1.情報開示の充実】
上場会社は、法令に基づく開示を適切に行うことに加え、会社の意思決定の透明性・公正性を確保し、実効的なコーポレートガバナンスを実現するとの観点から、(本コード(原案)の各原則において開示を求めている事項のほか、)以下の事項について開示・公表し、主体的な情報発信を行うべきである。
(ⅰ)会社の目指すところ(経営理念等)や経営戦略、経営計画
(ⅱ)本コード(原案)のそれぞれの原則を踏まえた、コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方と基本方針
(ⅲ)取締役会が経営陣幹部・取締役の報酬を決定するに当たっての方針と手続
(ⅳ)取締役会が経営陣幹部の選任と取締役・監査役候補の指名を行うに当たっての方針と手続
(ⅴ)取締役会が上記(ⅳ)を踏まえて経営陣幹部の選任と取締役・監査役候補の指名を行う際の、個々の選任・指名についての説明

上記プレスリリース内に書かれていますが、 “Comply or Explain”(原則を実施するか、実施しない場合にはその理由を説明するか)が、コーポレートガバナンスの規律方法として確立して久しいですが、その段階がさらに進展したということになります。

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金融庁と東証がまとめる「コーポレートガバナンス・コード」で、上場規則に複数の社外取締役の設置を求めることが明らかに

会社法制定前後からのことですが、会社を規律する法制度について、機動的に動けない立法から離れてソフトローによる規律が進んできていますが、このソフトローは上場規則または金融商品取引法上の義務である継続開示の内容の追加などの形で具現化されています。

このたび、金融庁と東証が「コーポレートガバナンス・コード」をまとめ、その中で上場規則に社外取締役を複数置くことを求める内容が盛り込まれることが明らかになりました。

金融庁、社外取締役の複数化促す 上場企業行動指針-北海道新聞[経済] (11/22 11:54)

金融庁と東京証券取引所は22日、上場企業の行動指針となる企業統治原則(コーポレートガバナンス・コード)に、複数の社外取締役を置くよう促す規定を盛り込む方向で調整に入った。25日に開く有識者会議で原案を示す見通し。年内に結論を出し、来年6月の株主総会の時期までに東証上場規則に反映する。

 企業統治原則の策定は、企業の収益力を高める目的で、安倍政権がまとめた成長戦略に盛り込まれた。法律による義務化ではないが、企業は統治原則の内容を実施するか、しない理由を説明することが求められる。

上記のように結果として上場規則では、直接複数の社外取締役を置くことを求めるものではなく、複数の社外取締役を置く意思があるかについて公表する事を求めるという内容になる模様です。

このように意思の確認や理由の説明といった義務付けは、最近のソフトローの設計方法として定番化しており、その例に倣った感じといえるでしょう。

もっとも、社外取締役の設置はだんだんと進んできていますが、その人材は官界の出身者や法曹関係者が多く、ガバナンスという点では大いに寄与できるでしょうが、企業の成長という点ではどうなのかという疑問が出始めています。しかし、経営にアドバイスするのだとすると、それは業務執行ですので、それは社外取締役の役割は異なるのかもしれません。