会社法

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2016年3月期決算の企業の有価証券報告書が出そろい、東京商工リサーチのまとめで、役員報酬が1億円以上で開示されたのは414人と判明

トヨタ自動車が提出した有価証券報告書で、ルロワ副社長の報酬が豊田章男社長の2倍の6億9600万円であることが判明

ロッテホールディングス定時株主総会、創業家長男が代表を務める同社筆頭株主である光潤社が提案した現在の経営陣を解任し、同氏を取締役に選任することを求める等の提案を否決

議決権行使助言会社ISS、ソフトバンクの永守社外取締役(日本電産会長兼社長)の再任を賛成推奨

東京商工リサーチの調査で、2015年に合同会社の新設がはじめて2万社を超えたことが明らかになる

最高裁、株主総会の議案が否決された決議の取消の訴えは不適法と判示

会社の組織に関する訴えは、会社法に特に定めが置かれていますが、この訴訟の中に株主総会決議の取消の訴えがあります。

この決議取消の訴えが、議案を否決する決議についてもできるのかという点が争われて判例が出ましたので取り上げます。

最高裁判所第二小法廷平成28年3月4日判決 平成27(受)1431 株主総会決議取消請求事件

本件は、実のところ、なんとも人を食った話でして、被上告人(会社)の株主である上告人が、被上告人での取締役から解任する議案が否決されたところ、その否決について上告人が取消の訴えを提起したというものです。

まるで自分を解任されなかったのが不当であるかのような話で矛盾挙動のようにも見えますが、別訴で解任の訴えが提起されており、否決の決議が取り消されるとその訴えが不適法になるので、この訴えは適法だと主張してここまで来てしまったものです。

最高裁は、議案を否決した決議の取消の訴えは不適法としました。その理由については以下のように述べています。

会社法は,会社の組織に関する訴えについての諸規定を置き(同法828条以下),瑕疵のある株主総会等の決議についても,その決議の日から3箇月以内に限って訴えをもって取消しを請求できる旨規定して法律関係の早期安定を図り(同法831条),併せて,当該訴えにおける被告,認容判決の効力が及ぶ者の範囲,判決の効力等も規定している(同法834条から839条まで)。このような規定は,株主総会等の決議によって,新たな法律関係が生ずることを前提とするものである。

要するに、新しい法律関係を生んでしまうので、早期確定の観点から対世効のある組織法上の訴えを限定しているのであって、否決されただけだと何も生じていないので早期に確定させないといけない理由はないということです。

要するにもう一度、議案を出せばいいではないかということになります。

もっとも、再提案制限にかかることがあるので、やはり瑕疵があるなら訴えの利益があるのではないかということもいえないではないですが、補足意見で、重大な瑕疵があるなら再提案できると解するべきであり、その当否で争えばよく、否決された決議を取り消すまではないという趣旨が言及されています。

これは、条文上、まさに書いてあるわけではないのですが、判旨の通りと思われます。

そもそもなんとも人を食ったような話で問題となった事案であることから言っても、そもそも問題となること自体が妙なことであったといえるのかもしれません。