Month: 5月 2018

最高裁、抵当権の被担保債権が免責許可決定を受けた場合、当該抵当権は民法396条の適用は受けず、20年の消滅時効にかかると判示

抵当権は、民法396条によって被担保債権と同時でなければ時効消滅しないと定められています。

これは、担保にするために抵当権を設定しているのに先に時効消滅してしまっては意味がないのと、自らの債務の履行は怠りながら、抵当権の消滅を主張することは信義則に反するからとされています。この信義則という点から、396条は債務者及び物上保証人に対してと対象を限っています。

 

(抵当権の消滅時効)

第三百九十六条 抵当権は、債務者及び抵当権設定者に対しては、その担保する債権と同時でなければ、時効によって消滅しない。

 

この度、被担保債権が債務者の破産とその後の免責許可決定によって、債務としては究極的に弁済しなくてよくなったために、根抵当権の帰趨が問題となるという事案について判例が出されました。

最高裁判所第二小法廷 平成30年2月23日判決 平成29(受)468 建物根抵当権設定仮登記抹消登記手続請求事件

原判決は、396条を形式的に適用して、免責許可決定が出ると消滅時効の進行が観念できないとして、被担保債権が時効消滅しないので、ずっと存続するという帰結を導いていました。

これに対して最高裁は、消滅しない抵当権を民法が想定しているとは考え難いとして、民法396条は被担保債権たる債権に消滅時効が観念されない場合には適用はないとして、消滅時効の原則に戻り、債権または所有権以外の財産権に該当するとして、20年の消滅時効にかかるとしました。

消滅時効がなく永遠に存続する所有権以外の財産権があってもおかしくないとは思いますが、それが被担保債権について免責許可決定が出た場合の抵当権というのではいくらなんでも特殊過ぎ、むしろ抵当権だけ永遠に存続するというのはどういうことなのかと疑問に考えられますので、消滅時効がないことを正当化する理由がなく、最高裁の言うとおりだと思われます。

京都大学iPS細胞研究所、有期雇用職員の一部を無期転換

京都大学iPS細胞研究所が、研究者の研究環境の改善のためとして、有期雇用の職員の一部を無期転換したことが明らかになりました。

京大iPS研、有期雇用職員を寄付金で無期転換  :日本経済新聞 

2018/4/30

寄付金を財源にして有期雇用の教職員のうち13人を4月から無期雇用に転換した。研究者や研究を支援する職員で、優れた研究業績や組織運営上の貢献などを考慮した。研究環境が改善し、研究者が研究に集中したり長期的な視野で研究テーマを設定したりしやすくなり、研究活動が活性化すると期待する。

 京大本部の人事課によると、寄付金を財源にした無期雇用転換は珍しい。

(略)

昨今みられるようになっている研究不正がこちらでも発生したこともあり、長期的な視点で研究に打ち込めるようにとの対策の性格もあると思われます。

もっとも、原資は寄付金であり、恒久的な財源ではないことから、限界があるようで、約300人の職員のうち、9割が有期雇用であり、無期転換したのは13人とのことです。