Month: 8月 2015

2015.08.31 Japan Law Express twitter まとめ

大阪労働局及び京都労働局、36協定の上限時間を超える時間外労働、休憩の不付与、割増賃金の未払いがあったとして、まいどおおきに食堂などを運営するフジオフードシステムと店長などを送検 大阪労働局過重労働撲滅特別対策班による初の送検事例とされる

労働基準監督行政においては過重労働の指導を強化していますが、東京労働局過重労働撲滅特別対策班(通称「かとく」)の送検第一例が、著名なABCマートであったのは記憶に新しいところです。

かとくは、大阪にもあり、東京で第一例が出たこともあり、世間に対する示威的な効果も考えての送検第一号を考えているのではないかと憶測していたのですが、このたび、初の送検事例が出ました。

送検されたのは、まいどおおきに食堂などを展開するフジオフードシステムでして、著名な企業を取り上げたという点に、ABCマートの件との共通性を見ることができるように思われます。

当ブログのtwitterでの速報ですでにお伝えしていますが、大阪労働局のウェブサイトから報道発表がされましたので改めて取り上げます。

違法な長時間労働、賃金不払い残業等で書類送検 大阪労働局8月27日発表

問題となったのは、なんと17店舗であり、多岐にわたることから京都労働局と連携して捜査をした事案となっています。

被疑事実は、ABCマートと同じ、36協定の上限を超えての時間外労働のほかに、休憩を与えなかったこと、一部店舗における割増賃金の未払いの3点となっています。

送検されたのは、会社と店長、エリアマネージャーなど16名となっています。

 

法的な観点から注目するべきは、以下のようなところかと思われます。

1 休憩の点

まず、休憩を与えていないという点が含まれていることです。

休憩を与えないと労働基準法違反として刑事罰の対象となることは改めて注意をするべき点だと思われます。

2 割増賃金の未払いと送検対象者

次に、割増賃金の未払いが入っているにもかかわらず、会社の代表者が送検されていないことも注目されます。未払いがある場合には、給与支払者である手前、代表も送検されることが多いものですが、本件では、全体のうち未払いがあったのはごくわずかである点が影響しているのかもしれません。

3 体制の不備に言及しながら代表を送検していないこと

上記2のように言いましたが、一方で大阪労働局のプレスリリースによると、会社の体制不備も指摘しています。このような事実があって調書が取れた場合には、代表者をむしろ送検する方向に作用しますので、今回は見送ったものの、代表の送検もありうることが伺われてきて、注目するべき記述だと思われます。

4 36協定の特別条項についての点

プレスリリースによると、同社はどうも36協定に特別条項を付けていなかった模様です。指摘されている時間外労働はどれも100時間を超えていますので、特別条項をつけていたとしても特別条項越えとなり、36協定違反という同じ結果になったと思われますが、別の対策もありえたという点では示唆を受けるところでもあります。

 

印象論ではありますが、時間外労働が100時間を超えてくる規模になると、やはり送検の対象となってくるような印象があります。長時間労働で心疾患になった場合の労災の認定基準などと平仄があっているわけですので根拠は一応はあることになりますが、メルクマールとして労務管理に注意を払う際の目安とするべきと思われます。

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2015.08.27 Japan Law Express twitter まとめ


2015.08.26 Japan Law Express twitter まとめ


2015.08.25 Japan Law Express twitter まとめ

ファーストリテイリング、多様な働き方のため地域正社員に週休3日が選択可能となるよう変形労働時間制を導入して1日10時間労働を実現へ

限定正社員の導入例は増えてきていますが、限定正社員の導入で先行したファーストリテイリングにおいてさらに多様な働き方を実現するためとして、週休3日を選択可能として、そのかわり労働日は10時間労働とするため変形労働時間制を導入することが明らかになりました。10月から導入とされています。

転勤ない「地域正社員」に週休3日制…ユニクロ : 経済 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE) 2015年08月21日 07時21分

「ユニクロ」などを展開するファーストリテイリングは10月から、ユニクロの店舗で働く転勤のない「地域正社員」約1万人のうち、希望者を対象に、週休3日制を導入する。

 育児や介護と両立しやすくして、勤務時間に制約がある優秀な人材の退職を防ぐ狙いがある。小売業では人手不足が続いており、柔軟な働き方をアピールし、採用増にもつなげたい考えだ。他企業の戦略にも影響しそうだ。

(略)

 新制度では、地域正社員が週休3日制を希望すると、店舗が忙しい土日は原則、出勤とし、平日に3日間休みをとってもらう。

8時間×5日=週40時間だったところ、10時間×4日=週40時間となることで、労働時間は変わらないということで給与水準が変わるわけではないとされています。

変形労働時間制としてはかなりシンプルなものになりますので、導入されるのは月単位の変形労働時間制でしょうが、月単位の変形をフルに活かすというほどの内容でもないことになると思われます。

3日休めることでライフステージに対応してもらうということが報道されていますが、実のところ、長めのシフトが可能となるため、店舗運営上、シフトが組みやすくなるという経営上のメリットもありそうなところも否定できません。

長いシフトに入ることに対して報いることなども考えられるところから、給与水準はそのままとされていることが本当にそのままでいいのかは疑問なしとはしません。

2015.08.23 Japan Law Express twitter まとめ




すかいらーく、定年後の再雇用制度を改めて定年を65歳へ延長 非正規雇用についても60歳以降もそれ以前と同様の賃金体系を維持することで待遇を改善へ

高年齢者雇用安定法によって義務付けられた65歳まで何らかの形で賃金を支払う雇用をする義務は、大半の企業において定年後の再雇用制度が採用されましたが、人手不足を背景に変容が見られるようになってきました。

外食大手のすかいらーくは、定年後再雇用の仕組みを採用していたところ、これを改め、定年を65歳へ延長し、65歳以降70歳まで再雇用の仕組みとすることで、シニア労働力の確保を図ることが明らかになりました。

 

すかいらーく、定年65歳に 人手不足でベテラン活用 – 47NEWS(よんななニュース) 2015/08/18 18:48

ファミリーレストランの「ガスト」などを展開する外食大手すかいらーくは18日、ことし10月に定年を現在の60歳から65歳に引き上げる方針を決めた。若年層の採用競争の激化で人手確保が難しくなっているため、接客や調理の技術を持つベテラン社員を活用する。

 正社員(6月末時点で約4400人)だけではなく、パートやアルバイト(同約7万9千人)も対象とする。8月に入り労働組合と大筋で合意しており、9月に正式決定する。新制度は10月1日に導入する予定。

 給与などの待遇は原則として60歳までと同じにする方向だ。

 

上記報道からは判然とはしませんが、日経の報道によると、今回の制度変更は、正社員の定年延長と非正規雇用の待遇改善の二種類の内容からなっている模様です。

正社員については定年を65歳に延長して、65歳以降70歳までを再雇用として、65歳までは60歳までの給与などと原則同じとするとのことです。

定年再雇用は一般的に待遇は仕事量、役割に応じたものになるために引き下げられがちになります。ここを改め、待遇を引き上げるというよりは従前と同じに活躍してもらおうということになると思われます。

また、非正規雇用の場合には、60歳までとそれ以降では賃金体系が異なっているとのことであり、60歳以降では賃下げになることが多かったと報道では言及されています。その内容の詳細は不明ですが、60歳以上も待遇をそれ以前と同様にして人材の確保を図るということと思われます。

人材確保のための待遇改善を図るだけだと人件費の増大になるだけになってしまいますが、役割を拡大してもらおうということならば、労使双方にとって意味のあるものになりますので、注目されます。もっとも、高齢労働者に従前と同じに活躍してもらうのは、現場労働ではなかなか大変なので、意図するように効果を上げるには、関係者の努力が要りそうです。

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