東芝、関東財務局に本日が期限の有価証券報告書の提出について再延長を申請(8月31日)。即日承認され9月7日が期限に。国内及び海外の子会社で調査に時間を要して、連結財務諸表の監査を担当する新日本監査法人に提出したのが30日であり監査に7日程度を要するとされたためとされる。
— Japan Law Express (@JapanLawExpress) 2015, 8月 31
Month: 8月 2015
2015.08.30 Japan Law Express twitter まとめ
マイナンバー法改正案、参議院で修正のうえ可決(8月28日)。委員会審議において民主党が主張する基礎年金番号への統合を延期する修正を加えたため、再度衆院に送付して、衆院での採決後に成立する。今国会中に成立の見通し。
— Japan Law Express (@JapanLawExpress) 2015, 8月 30
大阪労働局及び京都労働局、36協定の上限時間を超える時間外労働、休憩の不付与、割増賃金の未払いがあったとして、まいどおおきに食堂などを運営するフジオフードシステムと店長などを送検 大阪労働局過重労働撲滅特別対策班による初の送検事例とされる
労働基準監督行政においては過重労働の指導を強化していますが、東京労働局過重労働撲滅特別対策班(通称「かとく」)の送検第一例が、著名なABCマートであったのは記憶に新しいところです。
かとくは、大阪にもあり、東京で第一例が出たこともあり、世間に対する示威的な効果も考えての送検第一号を考えているのではないかと憶測していたのですが、このたび、初の送検事例が出ました。
送検されたのは、まいどおおきに食堂などを展開するフジオフードシステムでして、著名な企業を取り上げたという点に、ABCマートの件との共通性を見ることができるように思われます。
当ブログのtwitterでの速報ですでにお伝えしていますが、大阪労働局のウェブサイトから報道発表がされましたので改めて取り上げます。
違法な長時間労働、賃金不払い残業等で書類送検 大阪労働局8月27日発表
問題となったのは、なんと17店舗であり、多岐にわたることから京都労働局と連携して捜査をした事案となっています。
被疑事実は、ABCマートと同じ、36協定の上限を超えての時間外労働のほかに、休憩を与えなかったこと、一部店舗における割増賃金の未払いの3点となっています。
送検されたのは、会社と店長、エリアマネージャーなど16名となっています。
法的な観点から注目するべきは、以下のようなところかと思われます。
1 休憩の点
まず、休憩を与えていないという点が含まれていることです。
休憩を与えないと労働基準法違反として刑事罰の対象となることは改めて注意をするべき点だと思われます。
2 割増賃金の未払いと送検対象者
次に、割増賃金の未払いが入っているにもかかわらず、会社の代表者が送検されていないことも注目されます。未払いがある場合には、給与支払者である手前、代表も送検されることが多いものですが、本件では、全体のうち未払いがあったのはごくわずかである点が影響しているのかもしれません。
3 体制の不備に言及しながら代表を送検していないこと
上記2のように言いましたが、一方で大阪労働局のプレスリリースによると、会社の体制不備も指摘しています。このような事実があって調書が取れた場合には、代表者をむしろ送検する方向に作用しますので、今回は見送ったものの、代表の送検もありうることが伺われてきて、注目するべき記述だと思われます。
4 36協定の特別条項についての点
プレスリリースによると、同社はどうも36協定に特別条項を付けていなかった模様です。指摘されている時間外労働はどれも100時間を超えていますので、特別条項をつけていたとしても特別条項越えとなり、36協定違反という同じ結果になったと思われますが、別の対策もありえたという点では示唆を受けるところでもあります。
印象論ではありますが、時間外労働が100時間を超えてくる規模になると、やはり送検の対象となってくるような印象があります。長時間労働で心疾患になった場合の労災の認定基準などと平仄があっているわけですので根拠は一応はあることになりますが、メルクマールとして労務管理に注意を払う際の目安とするべきと思われます。
2015.08.27 Japan Law Express twitter まとめ
全国の最低賃金の改定額が出揃う。加重平均で18円の値上げへ。10月1日以降、都道府県ごとに順次発効へ。
http://t.co/LrTIfwQA2T
— Japan Law Express (@JapanLawExpress) 2015, 8月 27
大阪労働局の「かとく」、36協定違反の長時間労働と割増賃金の未払いで、「まいどおおきに食堂」など運営のフジオフードと店長を送検http://t.co/87FP0iQNur
— Japan Law Express (@JapanLawExpress) 2015, 8月 27
2015.08.26 Japan Law Express twitter まとめ
与党、労基法及び民法改正案の今国会の成立を見送りへ。安全保障法案の成立を優先。 http://t.co/aiNmeCtD1r
— Japan Law Express (@JapanLawExpress) 2015, 8月 26
厚生労働省、児童虐待への対応強化策として、児童相談所で弁護士の利用促進。各児童相談所で弁護士を利用する際の補助費を拡大する方針とされ、保護者の同意のない一時保護や親権停止をスムーズに進める狙いとのこと。 http://t.co/vSZcvTyI6J
— Japan Law Express (@JapanLawExpress) 2015, 8月 26
2015.08.25 Japan Law Express twitter まとめ
東芝の株価の下落に関して、金融商品取引法に基づく損害賠償請求訴訟を提起する原告となる株主を募るため、弁護士が弁護団のウェブサイトを開設したことが明らかになる(8月24日)。年内に提訴する意向とされる。アメリカではすでに個人投資家が現地で訴訟提起をしているとのこと。
— Japan Law Express (@JapanLawExpress) 2015, 8月 25
ファーストリテイリング、多様な働き方のため地域正社員に週休3日が選択可能となるよう変形労働時間制を導入して1日10時間労働を実現へ
限定正社員の導入例は増えてきていますが、限定正社員の導入で先行したファーストリテイリングにおいてさらに多様な働き方を実現するためとして、週休3日を選択可能として、そのかわり労働日は10時間労働とするため変形労働時間制を導入することが明らかになりました。10月から導入とされています。
転勤ない「地域正社員」に週休3日制…ユニクロ : 経済 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE) 2015年08月21日 07時21分
「ユニクロ」などを展開するファーストリテイリングは10月から、ユニクロの店舗で働く転勤のない「地域正社員」約1万人のうち、希望者を対象に、週休3日制を導入する。
育児や介護と両立しやすくして、勤務時間に制約がある優秀な人材の退職を防ぐ狙いがある。小売業では人手不足が続いており、柔軟な働き方をアピールし、採用増にもつなげたい考えだ。他企業の戦略にも影響しそうだ。
(略)
新制度では、地域正社員が週休3日制を希望すると、店舗が忙しい土日は原則、出勤とし、平日に3日間休みをとってもらう。
8時間×5日=週40時間だったところ、10時間×4日=週40時間となることで、労働時間は変わらないということで給与水準が変わるわけではないとされています。
変形労働時間制としてはかなりシンプルなものになりますので、導入されるのは月単位の変形労働時間制でしょうが、月単位の変形をフルに活かすというほどの内容でもないことになると思われます。
3日休めることでライフステージに対応してもらうということが報道されていますが、実のところ、長めのシフトが可能となるため、店舗運営上、シフトが組みやすくなるという経営上のメリットもありそうなところも否定できません。
長いシフトに入ることに対して報いることなども考えられるところから、給与水準はそのままとされていることが本当にそのままでいいのかは疑問なしとはしません。
2015.08.24 Japan Law Express twitter まとめ
与野党、マイナンバーと基礎年金番号の統合を当初2016年1月の予定のところ延期で調整。この番号法改正案の修正により、今国会で改正法は成立へ。改正法は預金口座にも任意でマイナンバーを付して資産情報を把握しやすくなる内容などからなる。
— Japan Law Express (@JapanLawExpress) 2015, 8月 24
2015.08.23 Japan Law Express twitter まとめ
与党、労働者派遣法の施行日を9月30日にすることを野党に提案(8月19日)。法案に施行日が書き込まれているために再度の採決が必要とされる。
— Japan Law Express (@JapanLawExpress) 2015, 8月 23
東京地裁、性病にり患していると虚偽の診断をして不要な治療を受けさせたとして患者の男性が診療所の院長を相手取った損害賠償請求訴訟で、故意に虚偽診断をしたとして慰謝料など49万円の支払いを命じる(8月19日)。 http://t.co/5m3scweEph
— Japan Law Express (@JapanLawExpress) 2015, 8月 23
東京高裁、証券取引等監視委員会が投資会社代表の男性を対象に課徴金納付命令勧告を出す方針であるについて、産経新聞など3社が事前に報道したことについて、当該男性が名誉棄損として3社を相手取った損害賠償請求訴訟の控訴審で、賠償を命じた一審を取消、請求を棄却(8月20日)。
— Japan Law Express (@JapanLawExpress) 2015, 8月 23
福岡市、市営住宅に入居する暴力団員に対して退去を求められる条例について、施行後の入居に限っていたのを改正して施行前の入居にも適用する旨の改正を市議会へ提案へ。西宮市の条例について最高裁が合憲と判断したことと、福岡県警による暴力団排除の動きを受けて、改正を行う方向になったとのこと。
— Japan Law Express (@JapanLawExpress) 2015, 8月 23
すかいらーく、定年後の再雇用制度を改めて定年を65歳へ延長 非正規雇用についても60歳以降もそれ以前と同様の賃金体系を維持することで待遇を改善へ
高年齢者雇用安定法によって義務付けられた65歳まで何らかの形で賃金を支払う雇用をする義務は、大半の企業において定年後の再雇用制度が採用されましたが、人手不足を背景に変容が見られるようになってきました。
外食大手のすかいらーくは、定年後再雇用の仕組みを採用していたところ、これを改め、定年を65歳へ延長し、65歳以降70歳まで再雇用の仕組みとすることで、シニア労働力の確保を図ることが明らかになりました。
すかいらーく、定年65歳に 人手不足でベテラン活用 – 47NEWS(よんななニュース) 2015/08/18 18:48
ファミリーレストランの「ガスト」などを展開する外食大手すかいらーくは18日、ことし10月に定年を現在の60歳から65歳に引き上げる方針を決めた。若年層の採用競争の激化で人手確保が難しくなっているため、接客や調理の技術を持つベテラン社員を活用する。
正社員(6月末時点で約4400人)だけではなく、パートやアルバイト(同約7万9千人)も対象とする。8月に入り労働組合と大筋で合意しており、9月に正式決定する。新制度は10月1日に導入する予定。
給与などの待遇は原則として60歳までと同じにする方向だ。
上記報道からは判然とはしませんが、日経の報道によると、今回の制度変更は、正社員の定年延長と非正規雇用の待遇改善の二種類の内容からなっている模様です。
正社員については定年を65歳に延長して、65歳以降70歳までを再雇用として、65歳までは60歳までの給与などと原則同じとするとのことです。
定年再雇用は一般的に待遇は仕事量、役割に応じたものになるために引き下げられがちになります。ここを改め、待遇を引き上げるというよりは従前と同じに活躍してもらおうということになると思われます。
また、非正規雇用の場合には、60歳までとそれ以降では賃金体系が異なっているとのことであり、60歳以降では賃下げになることが多かったと報道では言及されています。その内容の詳細は不明ですが、60歳以上も待遇をそれ以前と同様にして人材の確保を図るということと思われます。
人材確保のための待遇改善を図るだけだと人件費の増大になるだけになってしまいますが、役割を拡大してもらおうということならば、労使双方にとって意味のあるものになりますので、注目されます。もっとも、高齢労働者に従前と同じに活躍してもらうのは、現場労働ではなかなか大変なので、意図するように効果を上げるには、関係者の努力が要りそうです。