Month: 10月 2014

専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法が成立。有期雇用の無期転換制度に例外が設けられる

改正労働者派遣法が廃案、無期転換の特例を認める特別措置法も継続審議になることが明らかに | Japan Law Expressの続報です。

労働契約法改正で新設された有期雇用の無期転換制度に例外を設ける特別措置法は、通常国会で継続審議になっていましたが、臨時国会で成立しました。

専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法案:参議院

特別措置法の大まかな内容は下記の通りです。有期雇用の無期転換の通算5年の原則の例外を設ける特別措置法が閣議決定 | Japan Law Express

例外は極めて狭く、高齢者の再雇用の場面での活用はありそうですが、それ以外はどれほどの実例があるか微妙そうです。

また、例外扱いにあたっては厚生労働大臣の認定が必要であるため、例外扱いを実現するまでの間にもう一山あることに注意が必要であるように思われます。

インターネットの書き込みに関する仮処分の申し立てが、4年で20倍になっていることが明らかに

プロバイダ責任法によってプロバイダに対応を求めることができるにもかかわらず、インターネットの書き込みに関連する仮処分が急増していることが明らかになりました。

ネット関係の仮処分申し立て、4年で20倍 投稿削除要請など  :日本経済新聞 2014/10/27 1:15

インターネットの掲示板で誹謗(ひぼう)中傷されたとして投稿者の情報開示や投稿の削除をプロバイダー(接続業者)やサイト運営管理者に求めるなど、ネット関係の仮処分申し立てが激増している。東京地裁が2013年に扱ったのは711件で、4年前の20倍以上になったことが地裁関係者への取材で分かった。

 関係者によると、東京地裁が09年に扱ったネット関係の仮処分は計33件で、仮処分申立総数の3%に満たなかった。しかし、10年に175件、11年に499件、12年は736件と増加。13年の711件は仮処分申立総数の40%近くを占めた。

 13年の711件の内訳は、名誉毀損やプライバシー侵害の状態を解消するための「投稿記事の削除」が247件、損害賠償請求訴訟を起こす前段階としての「発信者(投稿者)情報の開示」が290件、通信記録保存のための「発信者情報の消去禁止」が174件だった。

 仮処分申し立てが増えたのは、会員制交流サイト(SNS)などの普及でトラブルが増加したのと、対処する手続きが周知されたのが主な理由。02年施行のプロバイダー責任制限法では被害者は投稿者の情報開示や記事の削除をプロバイダーなどに直接請求できるが、司法手続きを取らざるを得ない実情があるとみられる。

 ネット事情に詳しい弁護士によると、プロバイダーへの要請で問題の投稿が削除されても、誹謗中傷の投稿は繰り返されることが多く、再発防止と損害賠償請求のため投稿者の特定を望む被害者が増えている。

 また、プロバイダーは記事の削除に応じても、投稿者の氏名やネット上の住所に当たるIPアドレスの開示は拒むことが多いという。〔共同〕

上記報道によると、根源的な原因はインターネットの書き込みによるトラブルの増加があるわけですが、それらの問題に対するプロバイダ責任法によるプロバイダの対応に限界があり、投稿が何度も繰り返されることにより、結果として目的を達せられないことから法的手段をとらざるを得ないことになっている模様です。

実際のところ、インターネットへの書き込みをめぐる弁護士への相談は増えている肌感覚があります。

このような流れは今後も増加傾向が続くように思われます。

最高裁、妊娠を理由としての軽易業務への転換を契機として降格させる措置は、本人の同意又は均等法の趣旨に実質的に反しないと認められる特段の事情がある場合には、均等法の禁止する不利益取扱いに当たらないと判示

いわゆるマタハラとして、注目された案件に関する最高裁判決が出ました。

最高裁判所第一小法廷平成26年10月23日判決 平成24(受)2231 地位確認等請求事件

妊娠をきっかけに軽易業務への転換を求めた職員が、すでにその職員は管理職だったところ、配転に際して管理職から免じられ、産前産後休暇を経て元の職場に復帰した際には、元の管理職のポストには別の職員がついていたため、そのまま管理職ではない地位のままの勤務を余儀なくされたことを、均等法違反であるとして使用者の広島中央保健生活協同組合を相手取って地位確認請求等を行ったという事件です。

論点としては、軽易業務への転換は労働基準法に定めがある制度であり、その際に付随して行った降格が均等法で禁止されている不利益取扱いにあたるかという問題になります。

労働基準法

第65条(産前産後) 
使用者は、六週間(多胎妊娠の場合にあつては、十四週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合においては、その者を就業させてはならない。
②使用者は、産後八週間を経過しない女性を就業させてはならない。ただし、産後六週間を経過した女性が請求した場合において、その者について医師が支障がないと認めた業務に就かせることは、差し支えない。
③使用者は、妊娠中の女性が請求した場合においては、他の軽易な業務に転換させなければならない。

 

雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律

第9条(婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等)
事業主は、女性労働者が婚姻し、妊娠し、又は出産したことを退職理由として予定する定めをしてはならない。
2 事業主は、女性労働者が婚姻したことを理由として、解雇してはならない。
3 事業主は、その雇用する女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第六十五条第一項の規定による休業を請求し、又は同項若しくは同条第二項の規定による休業をしたことその他の妊娠又は出産に関する事由であつて厚生労働省令で定めるものを理由として、当該女性労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。
4 妊娠中の女性労働者及び出産後一年を経過しない女性労働者に対してなされた解雇は、無効とする。ただし、事業主が当該解雇が前項に規定する事由を理由とする解雇でないことを証明したときは、この限りでない。

最高裁はこの論点について、以下のような一般論を示しました。

一般に降格は労働者に不利な影響をもたらす処遇であるところ,上記のような均等法1条及び2条の規定する同法の目的及び基本的理念やこれらに基づいて同法9条3項の規制が設けられた趣旨及び目的に照らせば,女性労働者につき妊娠中の軽易業務への転換を契機として降格させる事業主の措置は,原則として同項の禁止する取扱いに当たるものと解されるが,当該労働者が軽易業務への転換及び上記措置により受ける有利な影響並びに上記措置により受ける不利な影響の内容や程度,上記措置に係る事業主による説明の内容その他の経緯や当該労働者の意向等に照らして,当該労働者につき自由な意思に基づいて降格を承諾したものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するとき,又は事業主において当該労働者につき降格の措置を執ることなく軽易業務への転換をさせることに円滑な業務運営や人員の適正配置の確保などの業務上の必要性から支障がある場合であって,その業務上の必要性の内容や程度及び上記の有利又は不利な影響の内容や程度に照らして,上記措置につき同項の趣旨及び目的に実質的に反しないものと認められる特段の事情が存在するときは,同項の禁止する取扱いに当たらないものと解するのが相当である。

要するに、妊娠に伴う軽易業務への転換時に、降格するには、同意がいるか、特段の事情が必要であるということで、本件の事情では、真意からの同意ではないといえるとして、特段の事情があるかを判断する必要があるため、差し戻しています。

原審までは、同意していたし、人事権の範囲としていたのですが、しぶしぶであったことや、納得がいかず訴訟になっていることからも同意していたとは認められないとしたのに加え、降格は厚生労働省が不利益取扱の例として示したいたことなどを指摘して、破棄差し戻しをしています。

こうして最高裁の判旨を見ていると、均等法の文言またそれについての厚生労働省令などをたどっていくと、降格は確かに均等法違反になりそうに思えますが、使用者側からみると、軽易業務への転換や、本件では射程に入っていませんが育児での時短などを求められたら応じることが義務であるのに、待遇は下げてはいけないということになりそうで、大変な事態が発生するように想起されます。

しかし、このようにとらえる前にいくつかの留意点が必要であるように思われます。

まず、本件の特殊事情ですが、最高裁は、原審までの事実認定を詳細に引用していますが、本件で問題となっているのは実は第2子の妊娠出産の際であり、第1子の際にはこのような取扱いはされていないこと、また、争点にならなかったために事実として出ていないためかもしれませんが、本件では軽易業務への転換であるところ、それによる本人への有利な点についていまいち明らかではないということ、そして、使用者からの説明があまり尽くされているように見受けられず理解を得ようという丁寧さがあったように見えないことが言及されています。

これらのところからとらえると、均等法の不利益取扱を禁止するそもそもの理由である言葉はきついですが、差別や嫌悪するような意識があったのではないかと勘繰られるということといえましょう。

したがって、要員配置などに照らして人事上の必要性があるということがあるなら、それによる正当化の余地はあるのでしょうが、特段の事情がかなりハードルの高いものになってしまったために、充たすことは極めて困難であるように思われます。

すると、やはりこんなことになるならということで、かえって逆効果な事態を招く恐れが出てきてしまいそうです。

しかし、ここで再度考えないといけないのは、降格などの人事上の措置が禁止されているというわけであり、人事上の措置と待遇は必ずしもイコールではないということでしょう。

最高裁はここについては自覚的ではないように思われますが、理論的にはいわゆる人事と賃金は別物です。職能資格制度をとっていると、地位に賃金が紐づけられてしまいますので、業務が変わったとしても人事上の措置ができないということになると賃金そのままという恐るべき事態が発生してしまいかねませんが、これは必ずしも連動するはずのものではないのです。

事実、育児短時間勤務の場合には待遇については定めを置いて比例的な賃金にすることが一般的ですし、そもそも、近時は職能ではなく、果たしている役割に応じて賃金を支給する賃金制度がだんだんと取り入れられてきており、これを貫徹すると、働きに応じての賃金ということになるので、人事と連動するわけではないことになると思われます。

したがって、人事制度、賃金制度の仕組みを働く側のモチベーションを高められるように最適な仕組みを常に考えている会社にとっては本件で特段、何か困った事態になるとは思われません。

伝統的な日本企業で有している職能資格制度を持っており、漫然と運用しているととんでもない事態に直面することになりかねず、そのようなリスクのある企業は多いように思われます。したがって、本判決は日本の企業社会に大きな衝撃を与えることになると思われますが、逆にそれは今の時代に最適な人事制度、賃金制ををまだ追求しきれていないということの証左なのだと思われます。

しかし、それはそれとして、本件はかなり特徴的な事実があったために導かれた判決である色彩が濃いように思われます。それにもかかわらず、かなり広範な判示をして大きな影響が生じうる事態を招いたことは果たして正当だったのか疑問なしとはしません。

福岡高裁那覇支部、自筆証書遺言の押印として花押を認める事例判断

遺言の作成は、完全に様式行為となっており、法律で決められた形を守らないと効力が生じないものです。

第968条(自筆証書遺言) 
自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。
2 自筆証書中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。

その要件の中に、押印があるのですが、この押印について、花押でもいいとした極めて珍しい事例判断の裁判例が出ました。

「花押」は「印」…高裁も遺言書有効と判断 : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)2014年10月24日 10時03分

手書きのサイン「花押かおう」が印鑑の代わりに記された遺言書の有効性が争われた訴訟の控訴審判決で、福岡高裁那覇支部は23日、1審・那覇地裁判決と同様、花押について、民法が遺言書に必要とする「印」と認め、遺言書は有効と判断した。

 控訴審判決によると、遺言書は、琉球王国の名家の末裔まつえいにあたる沖縄県内の男性の名義。男性は2003年に85歳で死亡し、遺言書には息子3人のうち次男に財産を譲るとしたが、押印がなく、署名と花押が記されていた。今年3月の1審判決は、花押が平安時代から文書作成者の特定に使われてきたなどとして遺言書は有効とした。

 原告の長男と三男は控訴審で「父は押印が必要と知りながら、あえて印鑑を使っておらず、遺言書は無効」と主張したが、須田啓之けいじ裁判長は「印鑑を用いていないというだけで無効とは言えない」とし、長男と三男の控訴を棄却した。

法律の求める印に、花押が入るという判断ですが、上記報道では十分言及されていませんが、日経の報道によると、原判決は遺言者は生前から花押をよく用いてきたという事実が大きな意味を持っている模様で、本判決もそれを支持している内容になっている模様です。そのようなことを踏まえると、かなり特殊な事例判断ということになりそうです。

裁判例情報

福岡高裁那覇支部平成26年10月23日判決

雨天を見上げる

今日は、講師を依頼されているセミナーの準備をしていたら一日終わってしまいました。

例年招かれているものですので、昨年の様子から、より一層の発展をしようと思ったら、ほぼ全とっかえになってしまいました。

去年と同じもので少し変えてくれればいいですよとか言われているのですが、そういうことは私の矜持が許しません。

明日も台風の中、出勤することになりそうですが、東武東上線は一定水準のイレギュラーまでは、むしろ耐性があるので、何も変わらず平常運行しようとするのではないかと思えてなりません。

震災の時は運行再開をいち早く断念するなど、一定以上になるとあきらめはむしろ早いのですが、その前の粘りはなかなか大したものなのです。明日はどちらになるのでしょうか。

入口の前で

東京地裁がgoogleに検索結果の削除を命じたという決定が出ました。

EUではすでに「忘れられる権利」というものが議論されていて、日本もそれに続くかというような捉え方がされているのですが、忘れられる権利の問題とは別なのですが、この件の報道の書き振りがわかりにくいのが若干気になりました。

この件は、いわゆる忘れられる権利の問題ということでよいのですよね。犯罪にかかわっていないのに、関与を連想させる予測変換機能による補充がされることによる問題というのは別の論点のような気がするので、どちらなのかははっきりさせておかないと危険であるように思いました。

サジェスチョン機能によって勝手に関与しているかのように見えてしまうというのは、予測変換機能で補充する用語は、ウェブサイト情報を収集して組成してしまうところがあるため、事実無根の書き込みがたくさんされていると、その通りのサジェスチョンをしてしまう傾向があるかららしいです。

これは不当であることは当然ですので、問題の所在を誤らないようにしないといけないように思いました。

LINEは大丈夫なのか、まだまだなのか

少し前にLINEの上場見送りのニュースが出ていて、そのうえでここにきて、LINEのアクティブユーザーは、ライバルのワッツアップなどに水をあけられていることが明らかになりました。

大事なのは上場ではなく、事業の安定成長=LINE社長| Reuters

iPhone6への乗り換えの際に、LINEの移行が非常に制限的であったことに何だか、技術的な不安感を感じていたのですが、どうも国境を超えての競争にはやや分が悪いようです。

しかし、ちょうど同時期に、外国の報道を見ていたら、Facebookが買収したばかりのワッツアップですが、その先行きは大変だというような記事で、アジアでの成長がカギだが手ごわいライバルが多く、日本で有力なLINEはイノベーションのスピードで先行していると触れられていました。

海外から見るとこうなるのかと思い、危機感をあおるというわけではありませんが、これでよいのだと肯定するような記事はニュースバリューがないということなのでしょう。

ものすごい長時間通勤

この日は午前中は用があり、午後から出勤しようと思っていたのですが、せっかくだから昼食をとってから行くかと思っていたところ、東武東上線で人身事故が起きてしまい、事務所につくまでに3時間もかかる羽目になりました。

川越まで車で行ったところ、渋滞に巻き込まれてかえって時間を要してしまったためなのですが、やはり埼玉は陸の孤島であることがよくわかりました。

突然の打切り

この日は移動していたら、乗っていた東武東上線の急行が突然、急行停車駅ではない中板橋で打切りになってしまいまして、ぎりぎりの乗継をしていたため予定に遅刻しました。

中板橋は普通が優等列車をやり過ごす駅なので、ちょうど普通が停まっており、打切りになった急行から降りた乗客が殺到して普段ならあり得ないレベルの混雑になってしまいました。

急行を中板橋で打切りってかなり珍しい事態だと思いますが、いったい何があったのでしょうか。

説明があったのかの知れませんが、寝ていたので、特段記憶していることがないのが残念です。

久しぶりの焼き鳥

この日は大きめの予定がたくさん入っており、あわただしい一日でした。

いつもは弁当ライフなのですが、この日は外出した先で昼食としたので、焼き鳥丼を食べてきました。

結構評判みたいなのですが、個人的にはたれの味がもう少しするといいなあと思いました。嗜好がお子様なんでしょうか。

なお、焼き鳥丼の上にはレバーが入っていたのですが、レバーを食べたのは久しぶりでした。

鳥与志 (とりよし) – 虎ノ門/焼鳥 [食べログ]

ご飯もボリューム十分で、普通の昼食なら満足度が高いということになるのでしょうが、今の私には量が多すぎたのと、野菜が少なすぎました。