Month: 7月 2011

厚生労働省の労使関係法研究会,労働組合法上の労働者性の判断基準について報告書を発表

JAPAN LAW EXPRESS: 厚生労働省の「労使関係法研究会」,請負労働者の団体交渉についての基準をまとめるの続報です。

7月25日のことになりますが,荒木先生が座長をお勤めの労使関係法研究会が,労働組合法上の労働者性の判断基準についての報告書を発表しました。

「労使関係法研究会報告書」について|報道発表資料|厚生労働省

簡単にまとめますと,以下のような判断基準であるとされています。

 

(1)基本的判断要素
1 事業組織への組み入れ
労務供給者が相手方の業務の遂行に不可欠ないし枢要な労働力として組織内に確保されているか。
2 契約内容の一方的・定型的決定
契約の締結の態様から、労働条件や提供する労務の内容を相手方が一方的・定型的に決定しているか。
3 報酬の労務対価性
労務供給者の報酬が労務供給に対する対価又はそれに類するものとしての性格を有するか。

(2)補充的判断要素
4 業務の依頼に応ずべき関係
労務供給者が相手方からの個々の業務の依頼に対して、基本的に応ずべき関係にあるか。
5 広い意味での指揮監督下の労務提供、一定の時間的場所的拘束
労務供給者が、相手方の指揮監督の下に労務の供給を行っていると広い意味で解することができるか、労務の提供にあたり日時や場所について一定の拘束を受けているか。

(3)消極的判断要素
6 顕著な事業者性
労務供給者が、恒常的に自己の才覚で利得する機会を有し自らリスクを引き受けて事業を行う者と見られるか。

 

教科書的理解としては,これまで労働組合法上の労働者とは,労働組合法3条の定義を敷衍して使用従属関係にあるものとされており,具体的には以下のような判断要素が挙げられてきていました。

  • 事業遂行に不可欠な労働力としての企業組織への組み入れ
  • 契約内容の一方的決定
  • 業務遂行の日時・場所・方法等に関する指揮監督
  • 業務に関する諾否の自由の不存在

上記の判断基準はこれまで伝統的に指摘されてきた要素と異なるものではなく,より具体的かつ詳細になったものといえることがわかります。報告書では具体的な判断例も言及されており,今後の労組法上の労働者性を判断する際の指針として大きな意義を有するものと思われます。

にほんブログ村 経営ブログ 法務・知財へ

 

震災復興の財源としてNTT株の売却と,経営への政府関与を残すため黄金株を発行させることを検討との報道がされる

すでに情報としては古くなってしまいましたが,震災復興の財源としてNTT株の放出が検討されているとの報道がありました。検討しているのは政府なのか民主党内なのかがいささかはっきりしないのですが,日経の報道では民主党内ではNTTに黄金株を発行させて政府で引き受けて,経営への関与を残すことが検討されているとのことでした。

しかし,その後,この黄金株の件はあまり俎上に上らなくなってしまい,例によって騒ぎになっただけで沙汰やみになりそうです。

また,東証は,事前に打診を受けた模様で,認めがたいとの意向を民主党に伝えている模様とも報道されています。

したがって,実現することを前提として検討するほどの問題ではないようですが,黄金株について東証にルールができてからの整理はしていませんでしたので,これを機会に確認してみたいと思います。

 

黄金株は,会社法で言うなら種類株の一種で拒否権付種類株式のうち,経営に関する内容についての拒否権を付したものということになります。

第108条(異なる種類の株式) 
株式会社は、次に掲げる事項について異なる定めをした内容の異なる二以上の種類の株式を発行することができる。ただし、委員会設置会社及び公開会社は、第九号に掲げる事項についての定めがある種類の株式を発行することができない。

(略)

八 株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、清算人会設置会社(第四百七十八条第六項に規定する清算人会設置会社をいう。以下この条において同じ。)にあっては株主総会又は清算人会)において決議すべき事項のうち、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とするもの

(略)

この拒否権種類株式について,東証は上場企業には原則禁止としています。その規定の仕組みは以下のようになっています。

有価証券上場規程[東京証券取引所]

第6章 上場廃止

第1節 本則市場の上場廃止基準

(上場内国会社の上場廃止基準)

第601条

本則市場の上場内国株券等が次の各号のいずれかに該当する場合には、その上場を廃止するものとする。この場合における当該各号の取扱いは施行規則で定める。

(略)

(17)株主の権利の不当な制限

(略)

 

有価証券上場規程施行規則[東京証券取引所]

第6章 上場廃止

第1節 上場廃止基準

(上場内国会社の上場廃止基準の取扱い)

第601条

規程第601条第1項第1号に規定する株主数並びに同項第2号に規定する流通株式の数、流通株式の時価総額及び上場株券等の数の取扱いは次の各号に定めるところによる。

(略)

13 規程第601条第1項第17号に規定する施行規則で定める場合とは、上場会社が次の各号のいずれかに掲げる行為を行っていると当取引所が認めた場合その他株主の権利内容及びその行使が不当に制限されていると当取引所が認めた場合をいう。

(略)

(3)拒否権付種類株式のうち、取締役の過半数の選解任その他の重要な事項について種類株主総会の決議を要する旨の定めがなされたものの発行に係る決議又は決定(持株会社である上場会社の主要な事業を行っている子会社が拒否権付種類株式又は取締役選任権付種類株式を当該上場会社以外の者を割当先として発行する場合において、当該種類株式の発行が当該上場会社に対する買収の実現を困難にする方策であると当取引所が認めるときは、当該上場会社が重要な事項について種類株主総会の決議を要する旨の定めがなされた拒否権付種類株式を発行するものとして取り扱う。)。ただし、株主及び投資者の利益を侵害するおそれが少ないと当取引所が認める場合は、この限りでない。

上場管理等に関するガイドライン[東京証券取引所]

(株主の権利の不当な制限)

6.

施行規則第601条第13項第3号に規定する株主及び投資者の利益を侵害するおそれが少ないと当取引所が認める場合に該当するかどうかの審査は、次の(1)から(4)までに掲げる事項その他の条件を総合的に勘案して行う。

(1) 会社の事業目的

(2) 拒否権付種類株式の発行目的

(3) 権利内容

(4) 割当対象者の属性

以上のように,上場規程で株主の権利の制限がされている場合には上場廃止と抽象的に定めがあり,施行規則で,拒否権付種類株式がその株主の権利を制限している場合が具体的にあげられています。

ただし,株主および投資家の利益を侵害するおそれが少ないと東証が認めた場合には,例外とされており,その判断に当たっては,ガイドラインで,要するに総合考慮するという定め方になっているわけです。

報道では,株主総会や取締役会で拒否権付種類株式を消却できる内容になっているなら認めるということが黄金株を東証が認めるかをめぐって問題となった時には言われていましたが,ルール化されてみるとその内容については明示されてはいないということになりましょう。しかし,実際の運用としては,株主総会や取締役会で消却できるということを譲ったわけではないでしょう。もっとも,会社の特殊性から認められる場合があることも事実でしょう。

たとえば,拒否権付種類株式を発行しながら東証に上場している唯一の例は国際石油開発帝石ですが,この会社の黄金株の内容は,消却に関しては,当該黄金株が国または国が出資する独立行政法人以外に譲渡された場合に取締役会決議で強制取得できるとなっています。

これは,いつでも消却できるという内容とは異なりますが,エネルギー開発という事業の特殊性ゆえに認められたものということで説明できるのでしょう。

これをNTTに転じて考えると,通信という事業の公益性はあるもののやはり市場性があることや規模が巨大であること,またNTTはすでに上場されており多くの株主がいる中で黄金株を発行しようというものであるのに対して,国際石油開発帝石は最初から黄金株が発行されていたことなどの違いがあります。

すると,やはり,既存の株主の権利を侵害することは否定できないという東証の見解が妥当なところだと思わ
れます。

結局のところ,そもそも実現の可能性は薄く,検討課題がやたらと取りざたされてしまう現政権になってからの傾向が現れた一件にすぎないと思われますが,震災対応を理由に極端な政策がとられるようだと日本経済の基礎を掘り崩してしまい,逆効果になりうることは認識しておきたいところです。

にほんブログ村 経営ブログ 法務・知財へ

もっと大きいと思ったのだが

今朝方の地震にはびっくりしました。

あわてて飛び起きましたし,犬も大騒ぎしました。私の部屋では本棚に並べた本のうちはみ出しておいていて不安定になっていたものがいくらか落ちてしまいました。

3月11日の地震の後,ようやく帰宅してみたら,同じように本が落ちていたので,この地震も結構大きいのではないかと思ったのですが,うちのあたりでは震度3だったそうです。

もう少し大きいような気がしたんですが,揺れている時間が長かったので,影響が結構出たということなのかもしれません。

 

さて,危うく忘れてしまうところだったのですが,今日は埼玉県知事選挙の投票日でした。

ほとんど無風の選挙で,うちのあたりの田舎では候補者はほとんど来なかったそうですが,投票には行ってきました。

有権者となって以来,選挙で投票しなかったことは一度もありません。

共産党推薦の候補が,埼玉から脱原発といっていたのですが,埼玉に原発ありませんし,どうすることを主張しているのかよくわかりませんでした。川越市役所が原発をこれ以上作らないためにとして昼休みに消灯していましたが,そういうことを主張しているのかもしれませんね。もっとも原発の仕組みを考えると,そもそも昼休みの消灯では,不要とすることは難しいのですが。

 

ようやく体調も回復してきたのですが,まだまだ鼻水が止まらず,完治しません。そのうちまた暑い日が戻ってくるみたいですが,そうなったらまた会長を崩しそうな感じがします。

雷鳴

ブログの更新をしようとしたら,雷でPCをつけられず,仕方がないので部屋の整理整頓をしていたら深夜になってしまいました。

法律の記事を書くにも気持ちがのってこないとなかなか難しいものがあり,明日にします。

結局のところ,実害はなかったので,雷くらいですんだのならよかったというべきでしょう。

恐るべき大雨に見舞われている人もいることですし,まだ幸運だと思っておきます。

三菱商事,定時株主総会の出席株主の議決権行使結果集計のために,マークシートを利用したシステムを導入していたことが報道される

先日,JAPAN LAW EXPRESS: 平成23年度3月期決算企業の定時株主総会の議決権行使結果開示で,全議決権を集計した企業は,全体の5%にとどまったことが判明の記事で,KDDIは株主総会に出席した株主に対して要するにアンケートに答えてもらう形で,出席株主の議決権行使を把握して,臨時報告書における議決権行使結果開示に株主総会当日に出席した株主の分まで参入したことをお伝えしました。

上記記事中では,本年度から株主総会当日の出席株主の分まで議決権行使結果開示に含めるようにした会社を複数言及しましたが,そのうちの一社である三菱商事は,マークシートを利用したシステムを活用していたことが,本日付の日経産業新聞で報道されました。

もっとも,議決権行使そのものをマークシート投票にしたわけではないようで,株主の退場時にマークシートを回収するというもので,KDDIでのそれと同じくアンケート的なものである点は同じである模様です。

しかし,事後的な集計と導入コストが比較的安価であることから,現実的な手法であると評価している報道ぶりとなっていました。

にほんブログ村 経営ブログ 法務・知財へ

 

仕事が人を成長させる

今日も,十年来の友人と色々と話していたのですが,私もやたらと前から言っている仕事によって人間がいかに成長するかということを実感するやり取りになりました。

しかもオーナー会社の経営となるとなんでも自分で解決しないといけないとなるのでより一層,人間力を問われるのだなと実感しました。

私はかなり完成された大規模な組織での経験しか有していないために,その経験にはやはり楽というか甘いところがあったのだと反省しました。

まあ,働く前の私は,もっとやたらと場当たり的に仕事をするよりは体系的な勉強をもっときちんとするべきと考えていたので,その時に比べれば私も成長したのだということで自己満足しておきます。

いまだにいささか理屈倒れのところは抜けていませんが。

 

一方で別の話題では,男女での考えの違いがこんなに大きいのかということをまたもやものすごく痛感させられました。

この間もこんなことがありましたが,最近,こういう目にあってばかりです。いい年して情けない男にならないように,十分気を付けないといけないなあと思いました。

 

何だかわけのわからない心情に毎日陥っている今日この頃で,すっかり法律情報がお留守になっていますが,ネタの仕込は一応,しています。こちらも順次更新していきたいと思いますので,少々お待ちください。

風邪とかでこの一週間,ほとんど何もできませんでしたので,いろいろたまってしまっていますが,少しずつ片付けます。

話し込む

この日も遅くなってしまったので,遅れて日記を更新します。

別に飲みに行って遅くなったということではないのですが,いろいろあって遅くなりました。

病み上がりのところ,長時間話し込んだので,のどが痛くなってしまいました。

それくらいいろいろ話したのは久しぶりで,非常に濃い時間を過ごしていました。

少しだけできた時間の余裕をこういうことに使えると本当に良かったと思います。もうすぐ無味乾燥とした時間が始まるので,なおさら楽しい時間でした。

夏風邪が流行っているとのこと

今日もまだ完治とはいかないのですが,強行軍をしてきました。

やるべきことは山ほどあるので仕方がありません。

 

しかし,かかりつけのお医者さんの話によると,ここのところ夏風邪が流行っているそうです。

台風以来少し涼しくなったので,そのせいで体調を崩している人が増えているとのことでした。

確かに通勤時の電車の中でも変な咳をしている人が目につきますので,その通りなのだと思います。

せっかくやや過ごしやすくなっても,これではひとたまりもありませんね。

それに,やや過ごしやすいとはいっても十分暑いですし。

それにしても大量の薬を出されまして,我ながら不健全だなと思いますが,寝ているだけではなかなか治らなくなってしまい,時間が惜しいので医療に頼ることにしました。何だか悪循環に陥っているなあと自分でも思います。

もう大丈夫?

今日こそはそろそろよくなってきたかと思いつつ,これまた一日寝ていました。

さすがにそろそろ大丈夫だと思いたいです。

もとをただせば,えらい人たちが先々週くらいから代わる代わる風邪をひいていて,その菌が巡り巡ってついにやってきたのではないかと思うのです。

この間,発表している際に隣でゴホゴホやられたのがきっかけではないかと思うのですが,今となっては分かりません。

まあ,最近,あまりよく寝ていなかったこともあり体力が落ちていたのもあると思います。

ただでさえ今月はいろいろあってそれこれ忙しかったですし。

まあ,ここで風邪を引いたのはしかるべき事態だったのかもしれません。

寝込む

どうしても風邪が治らず,少しずつ治っているかと思っていたのにそうならず,ついに寝込んでしまいました。

夏風邪は治りにくいということを実感しています。

加えて,体調を崩すと,精神が不安定になるためか,悪夢ばかり見ています。

中々精神的にも堪えます。