Month: 12月 2010

東京地裁,SARVHが私的録音録画補償金の支払いを求めて東芝を提訴した訴訟で請求を棄却

JAPAN LAW EXPRESS: 東芝、デジタル専用DVDレコーダーについて私的録音録画補償金を支払わずおよびJAPAN LAW EXPRESS: 私的録画補償金管理協会、東芝を提訴の続報です。

 

私的録音録画補償金協会(SARVH)が,東芝がダビング10が始まったことなどを理由として,販売している機器のうちの一部について私的録音録画補償金を払わなかったことに対して,東芝に支払いを求めて訴訟を起こしていました。

この訴訟について東京地裁は,27日にSARVHの請求を棄却しました。

まだ判決全文が公開されていないので,詳細な理由は不明なのですが,報道によると,著作権法施行令に定めている機器には該当するものの,メーカーの協力義務について法的拘束力がない抽象的義務に過ぎないとして請求を棄却した模様です。

著作権法施行令の列挙によると,あまりに抽象的でよくわからないところがあるとは思うのですが,それでも該当しないというのは難しいのではないかと思っていたのですが,その後で法的義務がないという判断をするとは驚きました。

著作権法施行令の規定については,JAPAN LAW EXPRESS: 東芝、デジタル専用DVDレコーダーについて私的録音録画補償金を支払わずをご覧ください。

知的財産については,専門の方々のブログが多いので,門外漢の私は簡単にとどめますが,結論はともかくすごい法律構成である感じを受けます。

裁判例情報

東京地裁平成22年12月27日判決

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2010年のアクセス解析

まだ2010年は終わっていませんが,今年の最後を締めくくるのにふさわしいので,今年のこのブログのアクセスランキングの記事を載せておきます。

2010年のアクセス総計は22万弱でした。

これまでずっとアクセス数は右肩上がりできていて,ありがたいことですが,さすがに最近は更新頻度が低下気味で来年はやや厳しいかもしれません。

2010年度アクセス数上位記事

JAPAN LAW EXPRESS 56439
JAPAN LAW EXPRESS: 7565
JAPAN LAW EXPRESS: 民主党の公開会社法素案が報道される 3146
JAPAN LAW EXPRESS: 最高裁、36協定を超えて時間外労働をさせた場合の労基法32条違反の罪について判示 2641
JAPAN LAW EXPRESS: フューチャーアーキテクト、日東電工に対して請負代金請求訴訟を提起 2566
JAPAN LAW EXPRESS: 新司法試験、修了年度別累積合格率(東大ロースクールと受験生全体のみ) 2044
JAPAN LAW EXPRESS: 最高裁、日本システム技術事件で代表取締役にリスク管理体制を構築する義務に違反した過失はないと判断 1709
JAPAN LAW EXPRESS: 東証、上場会社に独立役員を義務付けへ 1695
JAPAN LAW EXPRESS: 評判高し 1507
JAPAN LAW EXPRESS: 東証、今年からの議決権行使結果開示を求めるも日本経団連は自主的な取り組みを主張 1488
JAPAN LAW EXPRESS: 商事法務事情 1460
JAPAN LAW EXPRESS: 金融庁、上場企業に役員報酬開示義務付けへ 1292
JAPAN LAW EXPRESS: 金融庁、1億円以上の役員報酬の個別開示を有価証券報告書で義務付けへ 1253
JAPAN LAW EXPRESS: 図書館の役割 1172
JAPAN LAW EXPRESS: 最高裁 蛇の目ミシン事件上告審で元社長らの賠償責任を認める 1137
JAPAN LAW EXPRESS: 判例・裁判例 1069
JAPAN LAW EXPRESS: 最高裁、東京都建築安全条例の安全認定の違法性が後続の建築確認に承継されることを肯定 1055
JAPAN LAW EXPRESS: 新司法試験自習用解答用紙(平成22年度試験仕様) 1024
JAPAN LAW EXPRESS: 労働法務事情 977
JAPAN LAW EXPRESS: 最高裁、定期借家の事案で、書面を交付して説明をしたことを確認する旨の条項のある公正証書があることから借地借家法38条2項の書面の交付があることを認定した原審を経験則又は採証法則に反する違法があるとして破棄差戻し 949
JAPAN LAW EXPRESS: 民主党が制定を目指す公開会社法の内容が明らかになる 892
JAPAN LAW EXPRESS: 法科大学院別新司法試験合格実績データインデックス 876
JAPAN LAW EXPRESS: 最高裁、パナソニックプラズマディスプレイ事件(旧松下プラズマディスプレイ事件)で労働契約上の地位確認請求を認容した原審を破棄 862
JAPAN LAW EXPRESS: 2009年(平成21年)判例・裁判例インデックス 861
JAPAN LAW EXPRESS: 法相、公開会社法について法制審議会に諮問へ 811

2010年は2009年からの引き続いて社会の興味が,公開会社法に向いている状況でスタートしましたので,公開会社法関係の記事が上位に入り,そのまま年末まで逃げ切りました。しかし,政権の状況が公開会社法どころではなくなっていることから,だんだんと公開会社法としての検索は減ってきているようです。しかし,法制審議会は進行しており,これからもその議論の動きは追っていこうと思います。

そのほか,重要判例を取り上げた記事のアクセスが多くなっており,重要判例の相次いだ年であることを改めて実感しました。

そして,今年の後半からは新司法試験関係のデータを扱った記事がアクセスを集めました。この記事には,個人的にもたくさんの感想を頂き,これだけ情報が氾濫している時代ですが,それらを収集してまとめた情報であってもニーズが結構あるのだなと感じました。

さらにアップデイトしたいのですが,時間がなくて厳しいところです。

この年末年始に何とかできればいいのですが。

個人的には,新司法試験の解答用紙をアップした記事に結構反響があったのがありがたかったです。実際に使われている方がいらっしゃたら,感想とかをいただきたいところです。

 

検索ワードランキング

japan law express 1570
蛇の目ミシン事件 807
民主党 公開会社法 素案 747
公開会社法 741
独立役員 定義 740
日本システム技術事件 668
フューチャーアーキテクト 日東電工 630
議決権行使結果 開示 522
借地借家法 38条 2項 書面 460
36協定 違反 410
日東電工 訴訟 361
独立役員 335
新司法試験 答案用紙 306
36協定違反 罰則 303
law express 286
日本システム技術 最高裁 280
固有必要的共同訴訟 上訴 234
有価証券報告書 役員報酬 233
日東電工 フューチャー 227
ケイエッチ 225
公開会社法 素案 218
新司法試験 解答用紙 217
36協定違反 215
役員報酬 開示 215
新司法試験 206

検索ワードのトレンドも上記のアクセスランキングと近い傾向を示しています。

意外なことにブログタイトルが一番になりました。これが私としてはかなり意外な話で,今年からそうなったのではないかと思います。

ブログ全体としての認知が進んでくれるというのはありがたい話です。

 

さて来年はどうなりますか。

定期的な更新が困難になりつつあるのですが,何とか踏みとどまっていきたいと思います。

幻冬舎MBO,経営側のTOB成立 議決権の3分の2は確保できず,総会決議の見通しは微妙に

このブログでは取り上げていませんでしたが,出版社の幻冬舎で経営陣による買収であるMBOが企画されてTOBが行われていましたが,同時にファンドが同社の株式を買い集めており,その帰趨が注目されていました。

結局,TOBは設定していた下限である過半数を超えたので成立したのですが,特別決議の成立が確実になる議決権の3分の2の確保はできずに終わりました。

幻冬舎のTOB成立、自社買収実現の鍵握るファンド動向| ビジネスニュース| Reuters 2010年 12月 29日 14:58 JST

[東京 29日 ロイター] マネジメント・バイアウト(MBO、経営陣が参画する自社買収)のため株式公開買い付け(TOB)を行っていた幻冬舎(7843.OS: 株価,ニュース, レポート)は29日、買い付けに1万5968株(58.17%)が応募し、TOBが成立したと発表した。

(略)

MBOは,TOB後に全株の取得を行うのが一般的で,この後,定款変更をして普通株式に全部取得条項をつけて,全部取得を決議して,比率を調整して対価を株式にして,MBOを実行している経営側以外の株主は,1株未満の株式しか取得できないようにして現金で処理をすることになります。

すると,何度も特別決議をする必要がありますので,TOBで議決権の3分の2を確保することは,今後の見通しをつける意味で重要な点でした。今回はそれに到達しなかったので,今後どうなるかやや不透明ですが,件のファンドというのは,ケイマン籍の投資ファンド、イザベル・リミテッドといい,30%以上の議決権を保有したものの,本件のためだけに設けられたファンドらしく,株式の買取を求めてくるだけではないかとされています。

よって,MBOの成立自体については,ある程度見通しがあるとも考えられるかもしれません。

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一日寝ていた

友人宅で徹夜でゲームをして今朝帰宅したのですが,ここ数日の無茶のせいでさすがに限界に来たらしく,帰る途中で気分が悪くなってきて,帰宅するなり速やかに寝ました。

起きたら18時過ぎで,昼間に9時間くらい寝てしまいました。

ぐっすり寝ていたようななのですが,何だか悪夢を見ていたようで,何らかの記憶があります。

夢の中でも仕事について考えていることがあり,かなりやばいなあと思います。さらにいうと夢の中で考えて行き着いた解決策は,起きてしらふで考えるとどう見ても発狂しているとしか思えないような内容で,こりゃだめだと思うのです。

散々気にして夢にまで見るのに,この体たらくはなんだと思うのですが,まあ寝ているときなんてそんなものでしょうか。

どんなに困難な状況でも一眠りすれば,どれもたいしたことではないと思えてくるということを,パウエル元国務長官が現役の軍人時代に述べておられるのですが,一眠りしても何らすっきりしない私はどうすればいいのでしょうか。

 

シルバー精工,手形が不渡りになり,銀行取引停止処分を受け,東証が同社を上場廃止にする事を決定

東証一部上場のシルバー精工については,このブログでも経営をめぐる混乱があることを何度かお伝えしたことがあります。

このたび,同社が手形で不渡りを出して,銀行取引停止処分を受けたことから,東証が同社を上場とすることを廃止を決定したことが明らかになりました。

東証 : 上場廃止等の決定について-シルバー精工(株)-

 

これだとよくある倒産ではないかということにすぎませんが,この不渡りにはやや経緯があるようで,同社は不服がある模様です。もっとも上場廃止の決定について争うつもりであるのかについては定かではありません。

手形交換所による取引停止処分に関するお知らせ

同社の見解によると,この不渡りを出した手形は,担保目的で差し入れたもので,その手形の受領に当たっては,手形交換に出して取立てることはしない旨の合意があるとされ,それに反して取立てが行われたために,不渡りになってしまったのだとされています。

上記リリースで示されて事実からいくと,これは当事者間の合意に過ぎず,手形交換にだされた行為自体の有効性を左右するものではないと思われます。よって,債務不履行責任を追及することを考えているということであり,不渡りを出して銀行取引停止になって,その結果上場廃止になったことについては争うことはできないのだろうと思われます。

今後同社は再建を目指す模様ですが,そのスキームがどうなるのかについては現時点では定かではありません。

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焼肉は旧交を温めるには不向き

この日から年末年始の休みに入りまして,この日は高校時代の友人たちと遊んだ後忘年会をすることになっていたのですが,帰宅したのが午前4時であったため,見事に寝過ごし,途中参加になってしまいました。

遊ぶというのは,要はゲームをしようということなのですが,私はこのところ,よく寝ていないこともあり,意味不明なことをやたらとすることになってしまいました。

PS2でガンダムをやったのは久しぶりで楽しめました。

力を入れすぎて手が痛くなりましたし,変なところに力が入りすぎて足がつりました。

 

その後忘年会で焼肉に行ったのですが,ネットで探して店を予約したのでどういうところか全くわからなかったのですが,昭和の雰囲気をかもし出す内装を意図的にしているお店で,私が予約したので高給な店だろうと思っていたという友人たちは驚いていました。

実のところ,予約した私が一番驚いていたのですがね。

 

時間制限のある焼肉食べ放題となると,どうしても食べることに必死になり,久しぶりに集まった仲間なのに肉に対してすべての情熱を傾けるという忘年会にふさわしくない事態になりました。

忘年会はコースメニューのほうが旧交を温めるにはよさそうですね。

これからは覚えておこうと思います。

 

その後,友人の家にいってまたもや徹夜でゲームをしていました。

いい歳して何をやっているのかという感じがしますが,友人たちも学生時代に戻ったようだと,喜んでいたのでよいとしましょう。

私はリックドムが鈍重で使いにくいことを再認識しましたが。

こんなことをしていて,またもやろくろく寝ないままになってしまいました。

怒涛の御用納め

またもや遅れて日記を更新します。

この日は御用納めだったのですが,大変な一日で,あちこちいったり色々書いたりで大変忙しい一日でした。

最後は,忘年会で遅くなりすぎて,帰れなくなり,銀座からタクシーで川越まで帰る羽目になりました。

こんなに長距離をタクシーで帰ったのは生まれてはじめて,びっくりするような金額になりました。

家に帰り着いたら,午前4時ごろで,29日になったどころではなく,すでに明け方でした。

怒涛の一年を象徴するかのような終わり方で非常に印象深かったです。

毎日忙しくしているので充実しているように見せかけて,単に状況に流されているだけような気がして不安です。果たして私は成長できているのでしょうか。

最近はあまり先のことを考えられずに,毎日を刹那的に生きているので,これではまずいと思うことがしばしばあります。何とか状況を打開したいというのが本音で来年の大きな課題になりそうです。

空いてきた

今日は普通にしていただけなのですが,それでもかなり遅くなりました。

まだ御用納めではないと思うのですが,今日の通勤はかなり空いていました。混雑しているのは好きではないですし,この時期だと風邪をうつされかねないので助かります。

夜の銀座もこれまでよりは忘年会の狂騒がおさまっており,いよいよ年の瀬になったのだなと実感しました。

私は新宿とか騒々しいところでしか働いたことがないので,銀座のようなところにはいまだに慣れません。毎日違和感がありありです。

最高裁,労働基準法32条1項違反と同条2項違反の罪は併合罪の関係になると判示

労働基準法が定めている規制には罰則がついているものがいくつかあります。このうちの一つに労働時間規制を定めている32条があります。

労働基準法

第32条(労働時間)

使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。

②使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。

第119条

次の各号の一に該当する者は、これを六箇月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

一 第三条、第四条、第七条、第十六条、第十七条、第十八条第一項、第十九条、第二十条、第二十二条第四項、第三十二条、第三十四条、第三十五条、第三十六条第一項ただし書、第三十七条、第三十九条、第六十一条、第六十二条、第六十四条の三から第六十七条まで、第七十二条、第七十五条から第七十七条まで、第七十九条、第八十条、第九十四条第二項、第九十六条又は第百四条第二項の規定に違反した者

二 第三十三条第二項、第九十六条の二第二項又は第九十六条の三第一項の規定による命令に違反した者

三 第四十条の規定に基づいて発する厚生労働省令に違反した者

四 第七十条の規定に基づいて発する厚生労働省令(第六十二条又は第六十四条の三の規定に係る部分に限る。)に違反した者

32条の条文からわかるように,32条1項と2項はそれぞれ週40時間労働と1日8時間労働についての規制ですので,別のことを定めています。

よって,これらに違反しても別の罪になるわけですが,1日の労働時間規制に反しており,それが結果として週の規制にも反してしまう場合があります。この場合,一つの実行行為だとみると,罪数関係は観念的競合になるように思えなくもないですが,最高裁は併合罪になると判示しました。

最高裁判所第三小法廷平成22年12月20日決定 平成22(あ)148 道路交通法違反,労働基準法違反被告事件

労働基準法32条1項(週単位の時間外労働の規制)と同条2項(1日単位の時間外労働の規制)とは規制の内容及び趣旨等を異にすることに照らすと,同条1項違反の罪が成立する場合においても,その週内の1日単位の時間外労働の規制違反について同条2項違反の罪が成立し,それぞれの行為は社会的見解上別個のものと評価すべきであって,両罪は併合罪の関係にあると解するのが相当である。

確かに,趣旨目的は日と週とで異なりますし,そもそも片方が成立すればもう一方が必ず成立するという関係でもないので,その通りでしょう。

そもそも実行行為も,1日の規制をオーバーした時点と週の規制をオーバーした時点で異なるでしょうから別だと観念できるのでしょう。

よって,最高裁の判示は至極もっともなのですが,現実に照らすと,労働時間規制に反したという刑事事件はたちまち1項2項のどちらも成立して,併合罪加重される可能性があるということになりそうです。これはこれで中々ものすごい事態といえましょう。

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坂を登るのは死の跳躍だった

ここのところ,週末には「坂の上の雲」を見ています。

かなり端折っているようですが,思わず見てしまいます。

 

しかし,戦争というのは一大事でして,燃え尽きてしまいかねない苦労をしている悲哀がにじんでいます。

日露戦争に先立つ日清戦争を政治の面で遂行した陸奥宗光は,まるで燃え尽きたかのように戦争終了後なくなってしまいますが,戦争中の苦労は,「蹇蹇録」によく現れています。

坂を登ることは決意しても,それは並大抵ではなかったことがわかります。帝国主義の真似事をしただけで,結局は太平洋戦争で破綻をきたしてしまいますので,その後を考えると空しくなってしまうのですが,必死で頑張ったということだけは確かでしょう。

今日の日本に,そのような死の跳躍をするだけの気概のあるリーダーはいるのでしょうか。