Month: 8月 2010

AKB握手券は刑法上の有価証券だった

JAPAN LAW EXPRESS: 確かに権利の行使に証券の占有がいるけれど」で取り上げた事件の判決がでました。

AKBの握手券は刑法上の有価証券なのかという点が争点として注目された事件ですが、東京地裁は以下のように判断した模様です。

「AKB握手券には財産的価値」、偽造男に有罪 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)(2010年8月25日22時33分  読売新聞)

(略)

「券にはメンバー1人と握手できる権利が表示され、インターネットのオークションで売買されるなど財産的な価値があることは明らかだ」

(略)

オークションを財産的価値の徴表として捉えている模様です。

従前のエントリで取り上げたとおり、判例によると、経済的な価値が表示され権利の行使に証券の占有がいるものはすべて刑法上の有価証券になってしまうので、この構成は堅いと思われます。

しかし、何だか大げさなことで何か変だなと思うのは普通の感覚だと思います。有価証券という文言に引っ張られて手形や小切手などを想像してしまいがちなせいかもしれませんが。

米SEC、会社提案の取締役選任議案の投票用紙に一定の条件で株主提案の候補も含めて候補者名を明記して株主が直接選べるようにする規則変更を承認

アメリカのSECで、取締役選任について株主の提案が通りやすくなる方向に作用する規則変更が承認されました。

ビジネス・企業 / 米SEC、取締役交代を容易にする規則を承認=株主の権限拡大 / The Wall Street Journal, Japan Online Edition – WSJ.com

(略)

企業は一定の条件の下で、株主に送る取締役選任に関する議決案の投票用紙に取締役候補者名を明記し、株主が直接候補を選択できようにすることが義務付けられる。2011年度の株主総会から実施される。

ただし、中小企業については3年間新規則の適用が免除される。現行規則では、株主は選任を拒否したい取締役候補がいた場合、その旨を記した別の投票用紙を自費で郵送しなければならず、コストがかかり煩わしさもある。

(略)

新規則では、投資家グループが取締役選任に関する投票用紙を請求するには、少なくとも3%の株式を最低3年間保有していなければならない。また、条件を満たすため借り株をすることはできない。経営権変更のために、新規則を利用することも禁じられ、新規則で選任する取締役は全体の4分の1以下に制限される。

この件に関する日経の報道によると、召集通知に株主提案の取締役候補について記載を求めることができるようになるというように読めますが、これだと日本の会社法にアメリカが追いつくかのように思えてしまいます。

しかし上記のウォールストリートジャーナルの報道から行くと、そのようなものとは異なる内容であるようであり、投票用紙に一人一人の名前を明記することを求めるもので、株主提案の候補についても会社提案の候補と同じように名前を並べるように求める趣旨である模様です。

日本の会社法でも、取締役候補一人当たりに一つの議案と考えられていますが、実際の投票では会社提案でひとまとめになるように書面投票や電子投票の書式等を構成することが許されています。

そのために最初から会社提案有利になっている気配があるわけですが、アメリカでもそのような傾斜については同じであり、それを一定の大株主による提案に限っては会社提案と表記上は差異のない扱いを義務付けるものが今回の変更といえそうです。

これは会社提案の帰趨をかなり危うくするものであり、会社側から猛反対を受けているようですが、当然の反応だと思われます。

参考

SECのリリース(英語)

SEC Adopts New Measures to Facilitate Director Nominations by Shareholders; 2010-155; Aug. 25, 2010

 

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これはリップサービスではないのか

鳩山前総理は昨日の今日で何をしているのでしょうか。

昨日には菅総理の支持を打ち出していませんでしたっけ。

外堀埋められた?…鳩山氏、小沢氏に「菅支持」(読売新聞) – Yahoo!ニュース8月25日8時40分配信

鳩山前首相が24日夜の小沢一郎前幹事長との会談で、9月の民主党代表選では菅首相を基本的に支持する考えを伝えたことで、小沢氏の代表選出馬は厳しい情勢になってきた。

(略)

それがいきなりの変節ですし、驚くというか呆れるばかりです。

鳩山前首相「小沢氏を支持するのが大義」(読売新聞) – Yahoo!ニュース8月26日8時57分

民主党の鳩山前首相は26日午前、小沢一郎前幹事長との会談後、記者団に対し、「(2003年の旧自由党と民主党との合併時)私の一存で小沢氏を民主党に入れた。小沢氏を支持するのが大義だ」と語った。

(略)

このブログで以前取り上げましたが、鳩山氏には以下のような特徴があるらしいです。

鳩山には以前から、「目の前にいる人間が喜ぶことを話したがる癖がある」(周辺)

この急な変わり身を聞いて、小沢氏の前で喜ぶように迎合的な発言をしたのかと一瞬思ったのですが、さすがにこんなに大事な場面ではそんな軽率なことはしないですよね。菅総理の脱小沢路線に反対だからということなのですよね。そうではないと鳩山氏は相当おかしい人間ということになってしまいかねないですから。

 

それにしても民主党の支持者は、自民党の政治家よりは弁舌さわやかで中身がありそうなことを言っているように見えて、原理原則主義的な「青臭い民主党」に好感を持っているのであって、鳩山前総理の無定見ぶりや小沢氏の金権体質で利益誘導型の民主党らしくないところまで民主党だというだけで大賛成というわけではないでしょう。むしろ古きよき民主党を破壊していますし。

ぜひとも民主党支持者の手ではっきりさせてもらいたいところです。

参議院選挙敗北の原因のそれなりの部分を生んだのは、この両氏であるのにこのような堂々たる態度を取っているのは極めて不適当で、民主党の資質が問われる事態になっているのではないかと感じます。

オーネックス、退職慰労金を廃止

ジャスダック上場で金属熱処理加工のオーネックスが、退職慰労金を廃止することが明らかになりました。

退職慰労金の廃止の手法は、打ち切り支給をするか一切支給しないかの二種類が存在している模様ですが、大抵の場合、打ち切り支給が選択されています。

本件も、日経の報道によると打ち切り支給がなされる模様で、実際の退任時に支払われるとされています。

すでに決算に退職慰労金の引当金を戻し入れをして特別利益を計上しているとのことです。

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デフォルトは強い

最近、主に使うブラウザをGoogle Chromeにしたのですが、インターネットエクスプロラー8よりも軽快で驚いています。

いくつか備えていない機能とかがあるので、IEも手放せませんが、中々よくできたブラウザだとは思います。

しかし、実のところ、このブログのアクセス解析でも使用ブラウザはIEが圧倒的です。

デフォルトで入っているということの効果はきわめて大きいことがわかります。

20100825

上記はこのブログへ直近1ヶ月にアクセスされた方の利用ブラウザの比率です。

このブログへは職場からアクセスされていることが多いので、会社のパソコンとなるとユーザーが自由にできませんから当然最初から入っているソフトになってしまうのでしょうね。

東証、独立役員届出書一覧を更新して8月20日受理分まで公表

JAPAN LAW EXPRESS: 東証、独立役員届出書一覧を更新」の続報です。

東証がまたもや独立役員届出書一覧を更新しました。

東証 : 独立役員届出書一覧

このたびの更新では8月20日受理分までが含まれています。

今回の追加分では、退任したことによる指定解除とその代わりの独立役員の指定が比較的目に付くように思われます。

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円高

急激な円高で苦しんでいるのは日本企業ばかりではなく、些細なものにすぎませんがブログの広告収入がドル建てなので私も苦しんでいます。

実績はあまり変わらないのに収益だけ減っているので、景気が悪くて単価が下がっているのかなと思っていたのですが、単純に円高のせいだということに最近気づきました。

この目減りの仕方は異様なものがありまして、大企業ならもっと大変でしょう。三年後に同日選だとかいって新人議員を脅迫している暇があったら、何か対策を考えたほうがいいんじゃないですかね。

 

さて、このブログでは、毎月初に前月のアクセス数の多い記事を載せていますが、このまま行くと来月はやや変なことになってしまうので、いささか困っています。一昨日書いた北総の運賃値下げ行政訴訟の記事が何だかよく読まれているので、もっと伸びてきてくれないかなと思っているところです。

最近、このブログの検索ワードでまたもや教授のお名前を入れて検索されるのが増えてきており、いったい何があったんだと気が気ではありません。

ソニーセミコンダクタの工場で業務処理請負で働いていた労働者が、業績不振で契約解除後に、偽装請負だったとして労働契約上の地位確認と賃金を請求した訴訟で裁判上の和解が成立

いわゆる偽装請負だとして直接の労働契約はないものの実際の就労場所の会社に対して労働契約上の地位確認請求等をするタイプの訴訟で、裁判上の和解が成立して終結した事例が出ました。

ソニーセミコンダクタの工場で業務処理請負によって派遣されて就労していた労働者が、業績不振を理由に契約が解除されて職を失った後、従前の就労状態が偽装請負であったとして、同社を訴えた裁判がありまして、このたび和解金の支払いとその他の条項を含む裁判上の和解が成立したことが明らかになりました。

元派遣社員との和解成立 ソニー子会社など3社 – 47NEWS(よんななニュース)

ソニー子会社の半導体メーカー「ソニーセミコンダクタ九州」(SCK、福岡市)の工場で派遣社員として働いていた男性5人が、不当に契約更新を拒否されたとして、地位確認と損害賠償の支払いなどを求めた訴訟は、同社など3社が解決金を支払うことで、20日までに熊本地裁(古市文孝裁判官)で和解が成立した。

(略)

原告側によると、和解条項で判断は示されなかったが、今後について「二重派遣や偽装請負の問題が起きないよう改善を求める」との内容が盛り込まれ、原告側は「勝利的和解だ」としている。

解決金として、請求額計約1780万円の約75%の額が支払われる。

(略)

就労の実際についての詳しい事実が出ていないので、なんともいえませんが、請求額に比べてかなりの割合の額の解決金が支払われていることから、原告の主張に近い事実があったものと思われます。

もっとも、黙示の労働契約が成立していたとまでいえるかは、このブログでもたびたび指摘しているとおり、ハードルが高いために難しいものがあります。

原告たちは労働契約上の地位確認を請求していますが、これは当然する請求であるから入れてあるだけであり、原告一人当たりに直すと請求額があまり高くないところから、はじめから解決金による解決くらいしか期待していなかったのではないかとも考えられます。

最近増えている非正規雇用の紛争の解決例であるということのほかに、解雇の金銭解決の一例として意義のある和解ではないかと思われます。

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当てにならないシステム

暑さがまた戻ってきて大変です。

天気予報でいわれるところの気温は百葉箱の温度ですが、実際に暮らしているところの温度は、熱を発する電灯があったり、火を使っていたり、エアコンの室外機があったりしてもっと暑いですよね。

天気予報的な意味での気温で38度くらい行ってしまううちの周辺はもう大変な感じになっています。

 

まったく話題は変わるのですが、東大生協書籍部には在庫検索システムがあるのですが、これがどうも正確ではなくて、ないはずのものが行ってみると存在しているということがよくあります。あんまり当てにならないので困ります。

東大生協の書籍部は本を探してくることについては大変な能力があるとされており、東大生協書籍部で見つからない本はどこを探してもないといわれることもあります。世間的には絶版の本で結構高値で中古本が取引されている本の在庫があったりすることもあります。しかしどうやらその能力が発揮されるのは伝統的な分野に限られるみたいで、ITとの親和性はいまいちのようです。

陽光都市開発、連結子会社の株式を譲渡する協議に入ったことから資本政策の再検討が要るとして臨時株主総会を議題と議案はそのままに延期することを表明

少し以前のことになりますが、ジャスダック上場の陽光都市開発が、予定していた臨時株主総会を、連結子会社の株式を譲渡する協議入りという子会社売却の話が浮上してきたために、資本政策を再検討するとして延期することを表明しました。

臨時株主総会の延期に関するお知らせ(証券コード:8946 | IR 書類ナビゲータ)

興味深いのは、議題と議案はそのままであることです。そうなると延期する意味があるのか疑問がないでもないですが、当の議案は発行可能株式総数を増やす定款変更であるため、その枠をどうするつもりなのかという点で資本政策を再検討することは重大な意味があるということなのだと思われます。

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