Month: 7月 2010

日本風力開発、定時株主総会の継続会で計算書類が承認される

JAPAN LAW EXPRESS: 日本風力開発の一時会計監査人、適正意見を提出」の続報です。

一時会計監査人の選任にともない、監査が遅れていたことから、定時株主総会に間に合わず、継続会が開催されることになっていましたが、その場で計算書類が承認されたことが公表されました。

日本風力開発のプレスリリース

 

上記のとおり、計算書類を株主総会で承認しています。

計算書類の確定について、条文上の原則は、計算書類は株主総会で承認する必要がありますが、実際には、会計監査人かつ監査役会設置会社または委員会設置会社では、無限定適正意見と、監査役・監査役会・監査委員会の不相当という意見がないときは報告で足りることになります(439条⇒規則116条⇒計算規則163条)。

第438条(計算書類等の定時株主総会への提出等)

次の各号に掲げる株式会社においては、取締役は、当該各号に定める計算書類及び事業報告を定時株主総会に提出し、又は提供しなければならない。

一 第四百三十六条第一項に規定する監査役設置会社(取締役会設置会社を除く。) 第四百三十六条第一項の監査を受けた計算書類及び事業報告

二 会計監査人設置会社(取締役会設置会社を除く。) 第四百三十六条第二項の監査を受けた計算書類及び事業報告

三 取締役会設置会社 第四百三十六条第三項の承認を受けた計算書類及び事業報告

四 前三号に掲げるもの以外の株式会社 第四百三十五条第二項の計算書類及び事業報告

2 前項の規定により提出され、又は提供された計算書類は、定時株主総会の承認を受けなければならない。

3 取締役は、第一項の規定により提出され、又は提供された事業報告の内容を定時株主総会に報告しなければならない。

第439条(会計監査人設置会社の特則)

会計監査人設置会社については、第四百三十六条第三項の承認を受けた計算書類が法令及び定款に従い株式会社の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合には、前条第二項の規定は、適用しない。この場合においては、取締役は、当該計算書類の内容を定時株主総会に報告しなければならない。

 

上記リンク先の記事にでている一時会計監査人の出した適正意見は、特に限定が付されていないようなので、無限定適正意見だと思われます。

それなのに計算書類が報告事項にならずに条文上の原則に戻って、承認事項になっているのは継続会は、定時株主総会と一体をなすものであるため、定時総会に上程した段階では、適正意見がついておらず、継続会でもそのままであるために、承認するほかないということでしょう。

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市政のレベルアップを期待したいが

ようやく市長選挙の選挙戦が終わり、明日が投票日です。

候補者がほとんどくることのない国政選挙とは異なり、非常に熱い選挙戦でした。

しかし、みんな選挙のやり方を考えたほうがいいくらいのひどさで、もうちょっと効果的なやり方をしたほうがいいとつくづく思いました。

さて田舎ゆえに仕方ないのですが、候補者のかなりが土建屋や公共事業関係者でして、なんとか食いつなぎたいという意図が見えみえなのです。

実のところ、選挙が行われるのは16年ぶりなのですが、前回の選挙も一方の候補者は土建者の社長でした。

完全にもたれあっているようでよろしくないのですが、田舎だから仕方ないのかと思っていました。

ところが、近隣市町村を見ていると同じようなことになっているわけではないらしく、工場が誘致できたりそれにともなって関連産業も発展したりしているところが周囲にはあるのです。むしろ他の自治体には多かれ少なかれ企業を引っ張ってきており、市内の土建屋でもできるような低レベルな公共事業だけして市内で循環するだけで緩慢に衰退していっているのはここぐらいなのです。

実は自治体の首長って重大な影響を生むことがわかりました。

能力の低い首長に対しては企業は相手にしないか、足元を見ます。

市内の再開発に関して、とある大手企業が既存の立地の都合上、関与せざるを得なくなったのですが、その契約は普通ならありえないほど市側に不利なもので、ああいう契約は定型的に落ち着くところが大体決まっていることから、足元を見られたということがよくわかりました。

現職は引退しますのでこれを機に、そういう情けない市政から脱却できることを期待したいのですが、めちゃくちゃな選挙戦をお互い繰り広げていた候補者たちを見ていると、不安を感じます。

USENとキャンシステムが相互に訴えていた損害賠償請求訴訟が東京高裁で和解

JAPAN LAW EXPRESS: USEN、ライバルに対する不当な妨害があったとして独禁法違反で20億円の損害賠償を命じられる」の続報です。

有線放送の大手二社の間で競争が泥沼化して訴訟合戦になっていました。

キャンシステムが不当な営業や引き抜きのせいで損害を被ったとしてUSENを訴える一方、USENはキャンシステムに法律違反の営業があって損害を被ったとしてこれまた損害賠償請求をしていました。

東京地裁では、キャンシステムの請求が一部認容されて、20億円の損害賠償が認められていたのですが、控訴された東京高裁において訴訟上の和解が成立して、訴訟は終了することになった模様です。

損害賠償請求に関する訴訟の終結について(USEN)

株式会社USENに対する損害賠償請求訴訟の和解終結のお知らせ(キャンシステム)

和解の内容は、20億円の解決金をUSENが支払うというもので、一審判決と同じです。よって東京高裁の心証がどのようなものであったかが推し量られるところです。

もっとも、USENは上記リリースで、自らの主張の正当性についても言及しており、痛み分けであるように書かれています。

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要件事実マニュアル第3版

要件事実マニュアルの第3版が刊行されだしています。第5巻の家事、第4巻の行政訴訟から先に刊行されており、民法部分などはまだで刊行が待たれます。

東大生協に第5巻が並んでいたので確認しましたが、索引がついているほか、本文のレイアウトも字体の変更などがされており、見やすくなったように思えました。

第2版までの要件事実マニュアルは、編集者がちゃんとしていないのか、非常に見にくいつくりになっており、非常に残念だったのですが、ようやく改まり始めたようです。

もっと編集能力の高い出版社から出してくれればいいのにと本当に思っていたのですが、これでそのハンデもやや緩和されそうです。

賛否両論ある要件事実マニュアルですが、覚える対象にするのではなく、勉強になる使い方をすれば実務家以外にとっても大変役に立つ本だと思います。

早く1巻から3巻が出てほしいです。

NFKホールディングス、役員退職慰労金を廃止 廃止以前の分も支給せず

JASDAQ上場のNFKホールディングスが役員の退職慰労金を廃止することを公表しました。

役員退職慰労金制度の廃止に伴う特別利益計上に関するお知らせ

 

退職慰労金を廃止する例は、それなりに見受けられる事象になってきていますが、この件で興味深いのは、廃止以前のこれまでの在任期間の分についても支給しないとしていることです。

そのために引当金が戻るために特別利益がが発生するとしています。

 

これまで見られた退職慰労金の廃止の手法は、廃止以前の在任期間に相当する分について打ち切り支給するとして、次の定時株主総会で決議を取ってしまい、実際に支給するのは退任時とするというようなものでした。

退職慰労金も一応、役員報酬ですので、算定基準がしっかり定められている場合だと期待権が発生しているということになりそうです。算定基準が定められていると、一方的に廃止できないのかということは、退職慰労金が普通の報酬と異なり額について総会決議が不要であることなどに注目すると、別途、論点になりそうですが、変な争いにならないように打ち切り支給にする扱いをしてきたものと考えられます。

本件では、いっそう踏み込んでいるわけですが、対象となる役員全員の同意を取っているとのことですので、これによって問題にならないように対処しているということになりましょう。

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オープンオフィスの使い心地

以前も少し書きましたが、簡単な図を作成するソフトとしてオープンオフィスのDRAWというソフトを入れてみました。

手の込んだ加工をするときはPhotoShopでやるのですが、ブログの記事で使う法律関係図示したような簡単なものには重装備過ぎて扱いにくいので簡単なものを探していたのです。

以前は、マイクロソフトのPhotoDrawというのを使っていたのですが、アップグレード版を買ったもので、昨年、PCのレジストリを破壊して再インストールする羽目になったときに、旧版がどこかにいってしまっていてインストールできなくなってしまい、簡単なグラフィックソフトが失われてしまっていたのです。

いいのはないかと色々あたっていたのですが、オープンオフィスを試そうということにまったく考えがいたらず、壊してから1年近くたってからのこの間に、はっと気づいたのでやってみました。

 

機能的には中々充実しています。

グラフィックソフトとしての基本的な機能はほぼ搭載しているといってよく、PDFとの親和性が高いのはマイクロソフト製品にはない魅力でした。

とても無料とは思えません。

一方、インターフェイスとか細かい操作性みたいなものは、何だか違和感がありました。

マイクロソフトの製品が必ずしもそういったところに優れているわけではないのかもしれませんが、マイクロソフト製品とはちょっと思想が異なるみたいなところがあり、少し扱いにくいところがあります。

全体としては、許容できる範囲の違和感ですので、無料で提供されていることまで含めると十分満足です。

マイクとソフトの製品が高すぎることから、ビジネスユーザーでもオープンオフィスに切り替える動きがあるらしいですが、ちょっと扱いにくいかもしれませんね。

互換性は十分とされていますが、さすがにエクセルとアクセスは、乗り換えにくいのではないかなと思います。

アクセスなど、マイクロソフト製品の中でも互換性がないので会社では97をずっと使っているのですがね。

東京地裁、喫煙者の労働者に上司が「タバコ臭い」として真冬に扇風機で強風を当てるなどの行為をしたのを不法行為と認定

パワハラについての裁判例がまた一件だされたので、取り上げます。

外資系消費者金融の「日本ファンド」において、契約社員の労働者が、会社と(元)上司に対して、不法行為による損害賠償を請求した事案で、東京地裁は不法行為を認め請求を一部認容しました。

報道によると、上司の行った行為というのは、タバコ臭いとして真冬に扇風機で強風をあてたり、「給料をもらっていながら仕事をしていませんでした」との内容の始末書を書かせたり、「よくこんなやつと結婚したな」などと原告とその場にいない妻を侮辱する言葉を吐いたり、殴るなどしたことが認定されている模様で、かなり悪質な行為が行われたことが伺われます。

たばこ臭いと扇風機、パワハラ認定146万円 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)(2010年7月28日01時26分  読売新聞)

(略)

石井浩裁判長は「嫌がらせ目的で不快感を与え続け、著しい精神的苦痛を与えた」とパワハラを認定し、同社と元部長に計約146万円の支払いを命じた。

判決によると、元部長は2007年12月、喫煙者の契約社員2人に向け、一日中、風が直接当たるように扇風機を固定。約半年間にわたって風を受け続けた1人は抑うつ状態との診断を受け、約1か月休職した。また、元部長は3人に「給料をもらっていながら仕事をしていませんでした」という内容の文書を提出させたり、怒りにまかせて突然殴ったりしていた。

 

パワハラ:真冬に大型扇風機で「強風」 パワハラ認定、賠償命令--東京地裁 – 毎日jp(毎日新聞)毎日新聞 2010年7月28日 東京朝刊

(略)

訴えていたのは、30~40代の契約社員ら3人。判決などによると、同社の部長だった元上司は07年12月から約半年間、原告らに「たばこ臭い」などと言って業務用大型扇風機3台を「強風」にし、後方から一日中風を当て続けた。真後ろまで近づけて風を当てることもあり、最も強い風を受けていた1人は08年6月にうつを患い、1カ月間休職した。

また、元上司は原告らに「給料をもらっていながら仕事をしていませんでした」との内容の始末書を書かせたり、「よくこんなやつと結婚したな」などと原告とその場にいない妻を侮辱する言葉を吐くこともあった。

(略)

 

会社側は、空気を循環させただけと反論したそうですが、認められなかった模様です。特定の社員の後ろから扇風機の風を浴びせている上、同じ特定の社員に他にも嫌がらせのような行動をしている以上、説得力がないのは当然といえましょう。

もっとも、判示の中でパワハラという語を用いているわけではなさそうですが、このようにひどいと不法行為になるのは当然のことですので、特に違いはないでしょう。

不法行為にはならないが、パワハラにはなるというものの存在を観念することはあまりできないように思えますので、パワハラとは社会現象としてのキーワードとしての意義があるのでしょう。

裁判例情報

東京地裁平成22年7月27日判決

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昨日の今日でどういうことなのか

ここのところ暑くならないうちに起きようと思って、朝5時半くらいに起床しているのですが、涼しいうちに活動を始められるのはいいものの、慢性的に寝不足で困っています。

 

この間、死刑を執行しないことを改めた表明したかのような言動をしていた法務大臣が、いきなり死刑を執行しました。

いったいこれはどういうことなのでしょうか。

死刑制度についてこれから検討を開始するようなことを言い出しており、逆説的に死刑廃止への動きにつなげることができるように考えているのかもしれませんが、執行しなくても検討はできそうなのであまり意味のある行動に思えません。

落選したのに大臣を辞任しないことへの批判をかわすためだとしら、死刑廃止論者としての信念を疑われるようなことになりかねませんが、合理的に説明のつかない行動をするのはこの人に限らず、最近の大臣たちには珍しいことではないので、気にしてはいけないのかもしませんね。

金融庁、空売り規制および自己株式取得規制の緩和を10月31日まで延長

すでにお伝えしているようにリーマンショック以降、株価を支えるために空売り規制と自己株式の取得規制の緩和が行われています。

これは3ヶ月の時限措置なのですが延長を繰り返して、ずっと存続しています。

このたび7月31日で期限が切れた後も延長することが決定されました。

空売り規制・自己株式取得に係る時限措置の延長について:金融庁

この規制緩和による株価浮揚効果がどれほど上がっているのかいまいちよくわからないのですが、その辺の説明はなく、延長についてだけ表明がされています。

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提携するそうです

Yahoo Japan とgoogleが提携すると報道されました。

競争法の問題が生じるのは必至ですが、ビジネス的にはどうなのでしょうか。

市場をほぼ独占できるというほかに、相乗効果のようなものはどういうことが考えられるでしょうか。

検索エンジンの出来や広告配信ではgoogleのほうが優れているようなので意義は結構あるのかもしれません。

 

googleはアメリカでは検索エンジンとしてのシェアは一番ですが、日本では後発であるためにいまだにYahoo Japanのほうがシェアが大きいという世界的には珍しい市場です。

これがソフトバンクのおかげなのか、それともYahoo Japanのスタッフの頑張りなのかわかりませんが、とにかくYahooのほうが優勢なのです。

しかし、このシェアの傾向も分野によっては違うのではないかと思うことしきりです。

というのはこのブログへの検索エンジンからのアクセスは圧倒的にgoogleの比率が大きいのです。

下記は本日までの直近1ヶ月の検索エンジンからこのブログへのアクセスに占める検索エンジン別のシェアです。

20100727-2

ここまで違ってしまうと、どういうことなのか疑問です。

もしかしてこのブログはあまりYahooでは表示されないのかもしれませんね。自分のブログを検索するなどしませんのでいまいちわからないところがあります。