公取委から排除措置命令を受けたもの以外が審判請求をしたという珍しい事件で、公取委は審判請求適格がないとして却下する判断を下しました。
この事件はもともとは景表法の事件で、シャンピニオンエキスというものを使用した製品を製造販売している会社が、表示の内容の合理的裏づけがないとして排除措置命令を受けたもので、各社はそれを争わず履行しています。
上記のリコムはシャンピニオンエキスを製造販売する会社で、排除措置命令を受けたわけではないのですが、エキスに効能がないといわれると商売が成り立たないとして関係があるということで争ったというものです。
公取委は、独禁法の審判は行政訴訟につながるものであることから原告適格について行訴法9条が妥当するとして、行訴法9条1項の検討を景表法について行っています。その結果、景表法の趣旨から、取引業者が不利益を被るとしても事実上のものに過ぎず、それらまで法的に保護はしてないとしました。
独禁法の問題というよりは行政法の原告適格についての事件となっています。
これで取消訴訟をすると東京高等裁判所からになってしまいますが、完全に行訴法の法律問題であるのに、三審級の審理を受けられないのはやや変な感じがしますが、そのように制度設計をした以上仕方がないと思われます。