Month: 9月 2009

ESOPの導入事例が相次ぐ

このブログでESOPの導入事例をいくつかご紹介していますが、新しい導入事例がリリースされたので取り上げます。

新しく確認されたのは東京急行電鉄とヨネックスです。

東京急行電鉄のリリース

ヨネックスのリリース

スキームは基本的に似ていますが、東急のほうでは議決権行使を指図する信託管理人が労働組合の執行委員長になっています。

従業員持株会の議決権の行使には、会社の役員が理事長とかになって行うことが多く、この点に問題がおきかねないのですが、労働組合に任せるというのもどうなのでしょうか。

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欧州委員会、パナソニックの三洋TOBを生産設備の一部売却の条件で承認

パナソニックによる三洋電機のTOBは各国の競争法当局によって審査中ですが、欧州委員会は条件をつけて承認をしたことが明らかになりました。

欧州委、パナソニックの三洋TOBを条件つき承認(日本経済新聞2009年9月30日)

【ブリュッセル=瀬能繁】欧州連合(EU)の欧州委員会は29日、パナソニックが進めている三洋電機のTOB(株式公開買い付け)を承認したと発表した。両社のシェアが高い2次電池をつくる生産設備の一部を外部に売却するのが条件。

(略)

欧州委によると、両社は当初のTOB計画を修正し(1)ガスや電気使用量の計量などに使うリチウム電池などの工場の一部売却(2)ニッケル水素電池事業の一部売却――などを受け入れたという。

一部設備の売却は条件をつける場合によく使うものですが、競争法に熱心なヨーロッパでは案の定条件がつけられることになったもようです。

このような条件になると、一番厳しいところの条件に合わせて計画そのものを修正するので、ゆるい政策をとる国からはどうにもできないことになってしまいます。

競争法では効果が国境を越えてしまうことが多く、今回もそれを端的にあらわしているように思えます。

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難解だ…

今年の東大ロースクールのローレビューが公開されたのですが、高度すぎて内容が理解できないものがありました。

編集委員の方はちゃんと理解できたのでしょうか。超優秀者ばかりから編集者が構成されているので、多分、きちんと理解したうえで掲載したのでしょう。

それよりもいい年して原稿を落とすほうが人間的に問題ありますな。

ハーバードローレビューのようなものを目指して地道な歩みを続けているわけですが、すでにメンバーはなかなかすごい構成でできているのです。

オバマ大統領もハーバードローレビューの編集をやったらしいですが、そこまでいかないまでも編集委員からはそのうちに有名な実務家がたくさん出るでしょうね。

最高裁、過払金充当合意がある金銭消費貸借の場合でも、貸金業者は過払金発生時から悪意の受益者となると判示

貸金業者が過払金の返還する際に、利息を付する必要がでてくる民法704条の「悪意の受益者」にいつからなるかについては、最判平成19年7月13日民集61巻5号1980頁が、貸金業者がみなし弁済の適用があると認識しており、かつ、そう認識を有するに至ったことについてやむをえないといえる特段の事情があるときでない限り、悪意の受益者と推定されるとしています。

この過払金が生じたらその時点から原則悪意の受益者と推定されてその時点から利息を付さないといけないことは、金銭消費貸借の基本契約中に過払金を後の金銭消費貸借に充当するというような過払金充当合意がある場合でも異ならないとする判決が出ました。

最高裁判所第二小法廷平成21年09月04日判決 平成21(受)1192 不当利得返還請求事件

この判例は理由を述べていないのですが、単純に考えると、充当するにしても利息が生じなくなるというものではないでしょう。むしろ債権が生じているわけですから、充当するにしても利息が付いた過払金を充当するのが正当と思われます。

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すでに皮算用はじまる

この前の日経の土曜版で、こども手当てをすべて貯金するマネープランについて出ていました。

こんなことをされたら、内需拡大は幻もいいところですね。

もっとも高等教育には非常にお金がかかりますから、そのときのためにとっておく必要があるということのようです。

どうしても平等を意識するせいか、高等教育を受けている人に対する給付は政治から行われにくいですが、家計が一番苦しいのは子供が成長して高等教育を受けているころで、大学に行くのはごく一部の特権階級であった時代などとっくに過ぎているのですから、正面から高等教育に援助をしたほうがいいのではないでしょうか。

技術力など先進的なもので生きていくしかない以上、高等教育を優遇する姿勢を正面から出してもいいと思うのですが。

東証、上場会社に独立役員を義務付けへ

会社法で定義された社外取締役の意義が真に社外の出身者であることを示していないことはこのブログでも何度でも取り上げています。

与党・民主党が検討している公開会社法にもこれを問題視する視点が入っていますし、先日このブログでも取り上げた日本取締役協会の調査でもこの視点から独立取締役なる概念を生み出して、真に社外の立場といえる取締役を検討していました。

この理解は社会において大きな流れとなりつつありますが、このたび東証が、独立役員なるものを上場企業に義務付けることを決定した模様です。

上場企業に「独立役員」を義務化 来年中、東証が発表(47NEWS2009年9月29日)

東京証券取引所は29日、社外取締役のように客観的な立場から経営判断を行う「独立役員」の導入を上場企業に義務付けると発表した。「独立役員」の定義を詰めた上で、年内にも要綱をとりまとめ、来年中に義務化する方針だ。

(略)

独立役員について東証は「一般株主保護のため、株主と利害相反が生じる恐れがない人」と説明。一般的には、経営陣から独立した立場で利害関係がない役員とされるが、詳細は今後詰める。

(略)

このブログでは、社外取締役の定義が一方通行になっていることばかり取り上げてきましたが、近時の議論の中では、支配株主出身の取締役なども含める見解が多く、社外取締役の規定の改正だけではすまなくなってきています。この独立役員も同じ観点から作られる概念となりそうです。

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ストレスかな

寝ている間に部屋の壁をグーでパンチしたらしくて、起きたら指をすりむいていました。

何かストレスがたまっているのか、破壊衝動を寝ている間に発揮したようです。

実際のところ、ストレスだらけでたまりません。

怪我のせいで一日、不自由でした。しかし物理的なことでストレスが解消なら安いものです。

セブンイレブンオーナーの一部が値引き制限で損害をこうむったとして本部を提訴

弁当の値引き制限で損害をこうむったとしてオーナーが本部を訴える訴訟がまた提起されました。

セブンイレブンを加盟店が提訴へ 値引き制限で損失(日本経済新聞2009年9月27日)

(略)加盟店経営者7人が29日に、本来得られた利益が減ったとし、同社に計約2億3千万円の損害賠償を求め東京高裁に提訴することが分かった。

原告側の経営者によると、訴えるのは北海道と千葉、大阪、兵庫、岡山各府県の経営者。値引き販売で消費期限切れによる廃棄が約8割減らせたとして損害額を算出、1人当たり約1400万~5200万円を求める。

(略)

把握している限りでは、値引き制限を理由とする損害賠償請求は二件目だと思われます。

先の提訴については以下の従前のエントリーをどうぞ。

セブンイレブンのオーナー、値引き販売制限で損害を被ったとしてセブンイレブンジャパンを提訴

先の提訴では一部請求だったのですが、この事件ではその点は不明です。

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そんなことを言っても

今晩のNHKニュースで、福知山線事故に関する国の最終調査報告書の調査委員会へJR西日本が接触していたことを取り上げた中で、背景事情というか事件の鍵のような扱いで、関与したJR西日本の幹部と事故調査委員会の委員が全員旧国鉄の出身であるという特徴があるというきり方をしていました。

そりゃあ、そうなるでしょう。

JR各社はまだ誕生してから20年余しかたっていませんから、経営幹部は社外取締役などを除けばほぼ全員国鉄出身のもともとは国鉄のキャリアだった人たちです。

また調査するほうも仕組みに詳しくないとできませんから、経験等を勘案すれば国鉄出身者になるでしょう。

欧米では調査するほうとされるほうが過去に関係があったというこのようなことはないらしいのでそれと比べて公正さが疑われるといいたいのでしょうが、それはそうかもしれませんが、こと日本に目を向けると人材確保の点からは無理だと思われます。

鉄道の技術に詳しい学者はいますが、実際の運用とかまで含めて俯瞰することのできる人は業界外にはいないのではないでしょうか。

諸外国ではいったいどうやっているのかよくわからないのですが、日本においてはとてもできそうもない気がします。

ビックカメラ元会長、金融庁の審判において有価証券報告書の虚偽記載への関与を否認

25日に金融庁で行われたビックカメラの有価証券報告書虚偽記載に対して課徴金納付命令勧告が出された件に関する金融商品取引法違反審判で、ビックカメラの元会長は課徴金納付命令勧告の事実認定を争い、有価証券虚偽記載に関与していないと主張したことが明らかになりました。

ビックカメラ元会長、虚偽記載への関与否認 課徴金で審判(日本経済新聞2009年9月25日)

(略)

ビックカメラは法人として有価証券報告書の虚偽記載を認め、既に2億5千万円の課徴金を金融庁に納めた。しかし新井元会長は、虚偽記載を知りながら有価証券報告書に基づく書類を作成して保有株を売ったという監視委の事実認定を否認。25日の公開審判では代理人の弁護士が「そもそも書類の作成に関与していない」と主張した。

(略)

予想はされたことですが、事実認定をめぐる争いとなり、次回は証券取引等監視委員会が主張立証を行う模様です。

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