Month: 7月 2009

日立、グループ会社完全子会社化のTOBについて公表

日立、上場しているグループ会社5社にTOBで完全子会社化 親子上場解消へ(2009.07.27)の続報です。

27日時点では、まだ決定したものではないと日立は述べていましたが、翌日の28日に正式に公表をしました。

日立のリリース

今回の日立の動きは、親子上場の問題を自ら解消しようというコーポレートガバナンスの点から重大な意義を有する行為のように考えられますが、リリースではそのように述べておらず、事業強化策であるという言い方をしています。

ちなみにこれは海外でもそれなりに報道されたのですが、どれも親子上場の観点から取り上げていました。この違いが興味深いところです。

なお日立の親子上場に該当する上場関連会社はまだまだたくさんあります。16社あるとされているので、まだ11社残ることになります。これらについても憶測から買いが集まっているのですが、日立が親子上場を完全に解消する意図があるのかは、上記リリースの説明のしかたから行くと、まだ分からない感じがします。

荒木労働法発売延期

荒木先生の労働法は8月12日発売になりました。有斐閣のウェブサイトが更新されていました。

15%引きで買えなくなってしまい残念です。もう少しだけ早ければ。

ところで長期予報では今年の夏ってどういう予想でしたっけ。

今のところ今年の夏は比較的冷夏なのではないかと思います。夜まで冷房をかけないと眠れないような暑い日があまりないもので。

それなりに昼間は暑苦しいですが、夜は結構冷え込む日が多いような気がします。おかげでかえって疲れます。

冷夏だと全般的に消費が冷え込むので不況の中さらに弱り目という感じです。

ビックカメラの有価証券報告書虚偽記載で認めた法人としてのビックカメラに課徴金納付命令

ビックカメラの有価証券報告書等の虚偽記載に基づく課徴金納付命令勧告について、ビックカメラは納付の意向を示すも元会長は争う姿勢を示す(2009.07.16)の続報です。

答弁書で認めた法人としてのビックカメラには審判が開かれずに、勧告通り課徴金納付命令が決定されました。課徴金の額は約2億5千万円です。

株式会社ビックカメラに係る有価証券報告書等の虚偽記載に対する課徴金納付命令の決定について(金融庁)

これに対して元会長は争う姿勢を示しているので審判が開かれることになります。こちらの決着はしばらく先になりそうです。

ミス東大の女子アナ

今朝、NHKのニュースを見ていたら、小正さんが現地からのリポートで出ていました。NHK新潟の配属になったことはうわさで聞いていましたが、実際に出ているのを見たのは初めてです。

水の中に入ってのレポートは大変そうでした。中々頑張っていますね。

ひとまず全国ニュースに出たので全国区デビューなのでしょうが、いつまで地方勤務が続くのでしょうか。東京で仕事をする日も来るのか、それとも前々からバラエティー番組で公言しているように政治家になるのでしょうかね。

東大弁論部で1年上に当たる私の弟は、常識的でまともな人だと思うと評しているので、多分そうなのでしょう。腰掛みたいなことはせずにしっかりと頑張るのでしょうね。

小正さんが3位に入った東大総長杯の記念DVDを作ったのが私で手元に、弁論をする小正さんの動画が残っています。youtubeとかに弁論部チャンネルとかを作っていずれ公開できればと思っていのですが、こんな有名人になってしまってはもう完全にお蔵入りです。

そもそも著作権や肖像権の問題があるのですから、法律家の端くれとしてyoutubeに載せたいなとかお気楽に考える時点で問題がありますね。

東京高裁、業務請負で就労して過労自殺した件で使用者と業務委託元のニコンに対する損害賠償を増額

労働契約に付随する義務として使用者は安全配慮義務を負いますが、この義務の不履行には労働者がうつ病になってしまった場合も含まることがあります。

さて、今日では非正規雇用で労働契約上の使用者の事業所とは異なる所で就業する労働形態が増えています。すると本来なら使用者の安全配慮義務違反で生じるようなことが、使用者ではなく派遣先などの就業場所で生じてしまうことが増えています。

そのような事例で使用者と派遣先を提訴している事例で控訴審判決が出ました。

ニコンなどの賠償増額、7000万円支払い命令 過労自殺訴訟(日本経済新聞2009年7月29日)

ニコンの工場に派遣された業務請負会社「アテスト」(名古屋市)の元社員、上段勇士さん(当時23)が自殺したのは過重労働によるうつ病が原因として、母親の上段のり子さん(60)が両社に計1億4000万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が28日、東京高裁であった。都築弘裁判長は、両社に計約2488万円の支払いを命じた1審判決を変更。賠償額を約4569万円増額し、計約7058万円の支払いを命じた。

判決は、上段さんの自殺前の勤務状況について(1)時間外や休日労働をしていた(2)担当外の重い業務との兼務で心理的負荷を蓄積させていた――などと指摘。「自殺の原因は業務に起因するうつ病と推認できる」と判断した。

「製造業への派遣を禁止していた当時の労働者派遣法に反していた」と言及。ニコンの従業員には指揮・監督権限があったのに、過重労働で心身の健康を損なうことがないよう注意する義務に違反したと結論付けた。(07:00)

基本の確認ですが、直接の労働契約関係のない派遣先などに安全配慮義務違反の責任を問うなら直接の契約はないことから、不法行為構成にすることが考えられますが、判例は、安全配慮義務を雇用契約の当事者だけではなく「これに準じる法律関係」がある場合にも肯定しており、債務不履行構成をとっています。

債務不履行構成でも不法行為構成でも時効などを除くとそれほどの違いはないのですが、とにかく確認が必要です。この辺の拡大している契約責任は自衛隊の事件以来、一貫した態度であるように考えられます。

本件のニコンは労務の提供場所に過ぎないののでまさにこの問題であり、上記報道からはニコン注意義務を確定しており、それに反した事実と生じた結果との間の相当因果関係もきちんと認定していることが伺われます。

なお、労働契約と安全配慮菊義務違反の当事者がずれる場合については、建築請負の場合だけは元請が労災保険法上の使用者になることが定められていますが、その他については全く規定がないので上記のような債務不履行などの民法に立ち返っての構成になります。

労働者派遣がこれだけ広がってきており、建築請負ばかりでなくなってきている以上、労災保険法による法定内補償を広げることを考えてもいいかもしれません。

ここにきて…

有斐閣のサイトを見て、荒木労働法の発売がまたもや延期されたことを知りました。

東大生協の有斐閣フェア(7月末まで)で買おうと思ったのに、8月上旬になってしまいました。

10%引きが15%引きになるという、たかだか5%の違いですが、無念です。

でも法律の本は単価が高いですから5%の違いでも結構大きいのです。ああもったいない。

法学教室の連載をベースにするつもりだったがほぼ全部書き直したと仰っていたので、散々延期されてしまいましたが、この期に及んでも延期するとは驚きました。てっきり印刷しているものと思っていましたよ。

そういえば、労働判例百選も随分と古くなりました。そろそろ改訂した方がいいと思いますが、お忙しくて中々できないのでしょう。勉強される方は百選以降の毎年の重判を個人的に付け加えることをお勧めします。労働事件では下級審判決もそれなりに重いので、やや多すぎますが毎年の重判を全部見ておくといいでしょう。

セブンイレブン、弁当値引きに関する排除措置命令を受け入れへ

セブンイレブンの弁当値引き禁止に対して排除措置命令が出た件の続きです。

セブンイレブンは、排除措置命令の受け入れの方向になったということが本日、報道されました。

セブンイレブン、来週にも排除命令受け入れ 弁当値下げ販売で(日本経済新聞2009年7月28日)

セブン―イレブン・ジャパンは28日、消費期限が近づいた弁当類の値下げ販売を巡る問題で、公正取引委員会から出されていた排除措置命令を来週にも受け入れる方針を固めた。同社は加盟店に示す新しいガイドライン作りで公取委と調整を進めてきたが、値下げの手法や損失の負担などの点で合意する見通しとなった。加盟店への詳細な内容説明も来週に始める予定だ。

(略)

セブンイレブンは争わないということはすでにとある筋から聞いていましたが、ようやく報道でも流れました。

これは、決して、利益水準の低下という身を切る決断をしたわけではないようです。この機会を積極的に利用しようとするセブンイレブンは大したものです。

この落ち込みは

会社の第一四半期の決算短信を見たのですが、経験したことのない大きな落ち込みをしており、大変なことがいやがうえにも分かりました。

これくらいで揺らぐ会社ではないですし、実入りが少なくなったらそれに応じてやっていくだけですので特段の問題はならないでしょうが、やや遅れて日本経済を端的に反映する傾向のある会社なので、日本経済が大変なことになっていることを痛感しました。こんなときに営業にいたら大変なことになっていましたな。

こんなときに最低賃金の引き上げをしたらどうなるか。端的に雇用を減らしてしまうだけだと思われますが、やろうとしている人たちがいることには驚きを禁じえません。高齢者にうけるために金利を上げることを発言していた人たちですので、経済に対して本質的に全く理解をしていないのでしょう。

東京地裁、教研集会の会場使用拒否事件でプリンスホテルに賠償と謝罪広告を命令

土壇場になってプリンスホテルが日教組の教研集会の会場使用の契約を一方的に破棄して、集会の一部が開けなかったという問題で日教組の請求を認容した判決が28日に東京地裁でありました。

集会の自由という憲法上の問題の問題になりそうですが、その前に、事前に会場使用を命じる仮処分が出ていたのにプリンスホテルはこれを無視しており、司法を無視するような態度には裁判所は厳しく応じますのである意味当然の結論です。

謝罪広告の掲載まで認めています。謝罪広告まで認めるのは珍しいのではないかと思われます。

プリンスホテルに賠償命令 日教組会場の使用拒否訴訟(日本経済新聞2009年7月28日)

会場の使用契約を一方的に解除され、教育研究全国集会(教研集会)の全体集会を開催できなかったとして、日本教職員組合(日教組)らがプリンスホテル(東京)などに対し、約2億9000万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は28日、ホテル側に請求全額の支払いと全国紙への謝罪広告の掲載を命じた。ホテル側は控訴する方針。

判決理由で、河野清孝裁判長は「ホテル側が正当な法的根拠もなく、会場の使用を拒否したことは、債務不履行に当たる」と指摘。日教組に会場を使わせるよう命じた裁判所の仮処分決定に従わなかったホテル側の姿勢を「民事保全法の予定していない行為。司法制度を無視するもので容認できない」と批判した。

(略)

公取委、クアルコムに排除措置命令

第3世代携帯電話用の特許を多く保有しているアメリカのクアルコムが、特許の使用契約を日本の端末メーカーと締結した内容が公取委の問題視するところとなり不公正な取引方法として、排除措置命令が出される方向になりました。

公取委、クアルコムに排除命令へ 契約で不当条件(日本経済新聞2009年7月27日)

第3世代携帯電話用の通信技術で知られる米国の携帯電話用半導体大手、クアルコムが特許を持つ通信技術の使用契約を日本の携帯電話メーカーと結ぶ際、事業活動を不当に拘束する条件を付けていたなどとして、公正取引委員会は27日、クアルコムに独占禁止法違反(不公正な取引方法)を認定して排除措置命令を出す方針を固め、事前通知した。

(略)

問題となったのは、契約に、クアルコムの特許を使用するのには使用料がかかるのに、クアルコムが日本メーカーの特許を使用するときは無償であり、かつ非係争条項がつけられているという点です。

非係争条項をめぐってはマイクロソフトがPCメーカーに対してwindowsのOEM版を出荷する際の契約にもかつて盛り込まれており、公取委はこれを独禁法違反としたことがあります。

公取委、マイクロソフトの契約条項中の非係争条項について独禁法違反とする審判審決(2008.09.19)

今回のクアルコムの件も同じ考え方に立っているといえるでしょう。