Month: 5月 2009

武器なき戦い

最近、メインで使っているプロバイダのメールアドレスに不可解なオンライン通販業者からの広告が入るようになり、戦いになっています。

広告が混ざるようになってアドレスを変えたくらいですので、全く無関係の業者から来るのは変だなあと思っていたのですが、ここ数日中の楽天に関するネット上に流れている情報を見て、もしかしてこれか?とか思ってしまいました。

どこから流出した可能性も高く、むしろそちらの方がありうるかもしれないので思い込んでしまうのは危険なことですが。

さて、その業者からのメールはものすごく手が込んでいてはっきり言ってスパムなのです。

ドメイン指定をして拒否しようとしたら、ドメインを変えてしまい潜り抜け、変更後のドメインを入れて、受け取ったことのあるドメインからしか受理しないようにカスペルスキーを設定してみたら、こともあろうに私の利用しているプロバイダーのドメインを偽装して送ってきて、カスペルスキーを潜り抜けました。

そこで、今度は本文に今までの宣伝メールに必ず含まれていた特定のフレーズが含まれていたら拒否するようにしてみました。これでもどこまでもつか自信がもてませんが。

ただのブランド品の販売業者らしいのですが、ここまで手段を駆使して送ってこようとするとは、その業者のウェブサイトにはむしろウイルスが仕込まれているのではないかと勘繰っているのですが、とにかく戦いは続いています。

セキュリティではかなりやりすぎの気のあるカスペルスキーすら回避してしまうので驚いています。カスペルスキーには当然ですがスパムの学習機能があり、その業者からのメールを毎回スパムだとして学習させているのですが、本文の内容は毎回同じにもかかわらず、ヘッダーを変えてくるとかドメインを偽装するとかして、許可されたメールアドレスからだとカスペルスキーが認識してしまうのです。これは由々しき自体ということで、あらゆる手段を動員して戦っています。

最高裁、レックスHDのMBO時に反対株主の株式買取請求権が行使されたことに伴う価格決定の申立てで、レックス側の許可抗告を棄却

牛角などを経営しているレックス・ホールディングスが2006年にMBOをして非公開会社になった際に、TOBに続いて定款変更などを組合せて普通株式を全株取得条項付種類株式にして取得対価を1株未満の普通株式にする方法でTOBに応じなかった株主を追い出して100%取得を実現しました。

この際に反対株主に株式買取請求権が生じて、行使されましたが、会社との協議では公正な価格とされる買取価格について合意することができず、価格決定の申立てが東京地裁に申し立てられていました。

会社側の1株23万円の主張に対して、東京地裁はその価格を妥当としましたが、東京高裁は33万円の決定を行いました。

このたび、レックス側からの許可抗告を最高裁が棄却したために1株33万円で決着することになりました。

最決平成21年5月29日←アドバンテッジ被害者牛角会ホームページへのリンクです。リンク先に決定全文へのリンクがあります。直接リンクできなかったので迂遠なことになっておりますがご了承ください。

MBOの買い取り価格、レックスの抗告棄却 最高裁(日本経済新聞2009年5月30日)

「牛角」などを展開するレックス・ホールディングスの経営陣による企業買収(MBO)をめぐり、株主らが株式買い取り価格が低すぎるなどと申し立てていた許可抗告審で、最高裁第三小法廷(近藤崇晴裁判長)は29日、レックス側の許可抗告を棄却する決定をした。1株約33万円を公正な価格とした東京高裁決定が確定した。最高裁が会社法に基づく株式の買い取り価格について判断を示したのは初めて。

レックスは2006年11月にMBOを発表し、買い取り価格を23万円と設定。レックスは06年8月に業績予想の下方修正を発表しており、株主らが「発表で急落した株価を基に価格を決めており不当」として裁判所に適正価格の決定を申し立てていた。

東京地裁はレックスの提示価格を妥当と判断。株主側の抗告を受けた東京高裁は、下方修正について「MBO実施を念頭に、決算内容を下方に誘導することを意図した会計処理がされたことは否定できない」として、適正価格を約33万円に引き上げた。(00:33)

株主が問題としていた会社のMBO実施前にわざと下方に業績を誘導したことも考慮して価格が決定された判断が最高裁で維持されたことになり、この点において意義があると思われます。

しかし一方で、鑑定等で株主に金銭的な負担を強いるなどの問題点も指摘されて、最後の砦だとされる株式買取請求権の存在意義に大きな疑問がついた一件でもありました。今後は経済情勢を反映して再編のためのMBOも起きてくる可能性がありますが、株主の犠牲の上に実行するようなことのないように工夫が必要だといえるでしょう。

アメリカで取締役報酬の総会承認を求める株主提案が相次ぐ

アメリカでは昨今の経済危機で巨額の役員報酬(アメリカの会社は日本でいうところの委員会設置会社なのでofficerの報酬という意味です)や取締役の報酬が批判の対象となっていますが、株主提案で取締役報酬を株主総会の承認を求めるように求める株主提案が相次いでいます。

「取締役の報酬、総会の承認を」 米で株主提案広がる(日本経済新聞2009年5月29日)

米有力企業に対し、株主が取締役に支払う報酬について総会の承認を求める動きに弾みがついてきた。米石油最大手エクソンモービルが27日米ダラスで開いた株主総会では、同様の株主提案が41.4%の支持を獲得。米化学最大手ダウ・ケミカルでは賛成票が過半数となった。

(略)

これは株主の意向を調査するものに過ぎず、過半数を取ったとしても法的義務が生じるものではありませんが、株主から厳しい目が注がれていることが伺われる一件です。

日本では取締役の報酬は株主総会の決議事項ですが、総額を定めるだけで具体的な配分は取締役会で決めることが許容されています。上記のような動きは日本では個別の取締役の報酬の開示を求める動きや個別に承認をとるように求めることに相当すると思われます。

さらばdoblog

今日でdoblogは最終日です。

このブログの発祥の地ですので若干さびしい気がします。何回かに分けて移転を告知してきたのですが、あまりアクセスの転移が思ったほどうまく行っていません。引越って難しいものですね。

さて、移転しても今までどおりに続けていくわけですが、ブログ人のほうでは、もともと法律情報だけを載せていたために、検索エンジンから法律情報を求めてこられる方が多く、doblogで書いていたくだらない日記を載せるのがややはばかられる感じです。

アニメの感想とかゲームの話とかをたまに載せていましたが、このブログ人の方ではそういう話題は不調和な感じがするのですが、まあこれを機に高尚な日記を書けというのも無理な話なので、しれっと続けていこうかと思います。

日本興亜損保の株主、保険金の支払を意図的に遅らせて収支をかさ上げをしたとして取締役を提訴するように監査役に提訴請求

日本興亜損保の元役員である株主が、日本興亜損保が保険金の支払を意図的に遅らせて収支をかさ上げをした違法行為があるとして、全取締役を提訴するように監査役に提訴請求したことが明らかになりました。

第847条(責任追及等の訴え)

六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主(第百八十九条第二項の定款の定めによりその権利を行使することができない単元未満株主を除く。)は、株式会社に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、発起人、設立時取締役、設立時監査役、役員等(第四百二十三条第一項に規定する役員等をいう。以下この条において同じ。)若しくは清算人の責任を追及する訴え、第百二十条第三項の利益の返還を求める訴え又は第二百十二条第一項若しくは第二百八十五条第一項の規定による支払を求める訴え(以下この節において「責任追及等の訴え」という。)の提起を請求することができる。ただし、責任追及等の訴えが当該株主若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式会社に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。

2 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主」とあるのは、「株主」とする。

3 株式会社が第一項の規定による請求の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しないときは、当該請求をした株主は、株式会社のために、責任追及等の訴えを提起することができる。

4 株式会社は、第一項の規定による請求の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しない場合において、当該請求をした株主又は同項の発起人、設立時取締役、設立時監査役、役員等若しくは清算人から請求を受けたときは、当該請求をした者に対し、遅滞なく、責任追及等の訴えを提起しない理由を書面その他の法務省令で定める方法により通知しなければならない。

5 第一項及び第三項の規定にかかわらず、同項の期間の経過により株式会社に回復することができない損害が生ずるおそれがある場合には、第一項の株主は、株式会社のために、直ちに責任追及等の訴えを提起することができる。ただし、同項ただし書に規定する場合は、この限りでない。

6 第三項又は前項の責任追及等の訴えは、訴訟の目的の価額の算定については、財産権上の請求でない請求に係る訴えとみなす。

7 株主が責任追及等の訴えを提起したときは、裁判所は、被告の申立てにより、当該株主に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。

8 被告が前項の申立てをするには、責任追及等の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。

 

支払の意図的遅らせがあるか否かがまず問題になりそうで、日本興亜損保自身は否定している模様です。

また、かりに支払を遅らせたことがあったとして、それが違法であるのはともかくとして、それだけで会社に損害が生じているといえるでしょうか。利益をかさ上げして違法に配当をしたとか、保険契約者から訴えられたとかいうことがあって取締役の会社に対する損害賠償責任が生じるでしょうから、違法行為をしたというだけで責任追及の訴えをしろというのは飛躍があります。報道では意図的な支払遅延があるとして提訴請求をしたとだけ言及されているのですが、もう少し細かい構成をして提訴請求をしているのだと思われます。

大阪高裁、JR西日本の日勤教育を違法と認定 損害賠償を増額

福知山線の事故で有名になりましたが、JR西日本で乗務員に対してミスがあった際に日勤教育という補習授業のような勤務をしているとされています。

これを受けた社員が会社を訴えた事件の控訴審判決で、大阪高裁は28日、第一審判決よりも請求を認めたを認めた原告を増やし、かつ賠償額も増額する判断を下しました。

日勤教育、二審は賠償金増額 大阪高裁、JR西に命令(日本経済新聞2009年5月29日)

勤務中にミスした社員に対するJR西日本の「日勤教育」のあり方が問われた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は28日、原告3人のうち2人について違法と認め、JR西側に慰謝料など計90万円の支払いを命じた。一審・大阪地裁は1人について違法とし、15万円の賠償を命じていた。

新たに認められたのは運転士の男性(52)。判決によると、運転士は2003年、停止位置を過ぎて自動列車停止装置(ATS)が作動した際、無断で解除し、会社に報告せず、日勤教育を命じられた。

一宮和夫裁判長は、日勤教育自体は一審に続き「必要性は肯定できる」と判断。その上で男性の日勤教育が73日間だった点を「極めて長期」と指摘。事前に期間を定めない点も「直ちに違法といえないが、いたずらに労働者を不安定な地位に置くもの」として裁量権の逸脱を認定した。(28日 23:31)

ただし、判断の内容についてはよく注意が必要です。

日勤教育の必要性自体は肯定しており、具体的な実施内容が程度を超えているというような判断になっています。業務命令権の濫用ということになると思われます。

鉄道の乗務員職場というのは職場管理がかなり難しいところですので、そのような事実に対する理解は伺われる判断なのではないかと思われます。

公取委、セブンイレブンの加盟店に対する値引き制限を優越的地位濫用として排除措置命令へ

以前お伝えしたセブンイレブンの値引き制限に関して公取委が介入している事件の続報です。

公取委は、セブンイレブン本部の加盟店に対する値引き制限を優越的地位濫用で独禁法違反であるとして排除措置命令を出す方針を固めたと報道されました。

公取委、セブンイレブンに排除命令へ 加盟店の値引き制限(日本経済新聞2009年5月29日)

コンビニエンスストア最大手のセブン―イレブン・ジャパンがフランチャイズチェーン(FC)加盟店への優位な立場を利用し、消費期限の近づいた弁当などの値引き販売を不当に制限したとされる問題で、公正取引委員会は28日、独占禁止法違反(優越的地位の乱用)を認定して同社に排除措置命令を出す方針を固めたもようだ。

同社の弁明を聞くため、公取委は来週にもこうした処分の方針をまとめた案を事前通知するとみられる。

(略)

コンビニで値引きがないのはセブンイレブンに限らず一般的なことですが、このビジネスモデルを揺るがしかねない事態になりつつあり、セブンイレブンの抵抗が予想されます。

一律に定価販売をするのは価格拘束ではないかということは以前から指摘されてきましたが、これは正当化できるとされてきました。優越的地位濫用であるという切り口ではどのように判断されるのかが問題となりそうです。

乗り過ごす

この日の日記を当日中に更新できませんでしたが、例によって飲みにいっていて帰宅が遅れたためです。

久しぶりにお酒を飲んだために、乗り過ごして森林公園までいってしまいました。上りの終電で何とかもどって来れましたので、最悪の事態は免れましたが。

いい気になって飲みすぎました。反省しました。

【アデランス定時株主総会】スティールの株主提案が承認される ユニゾンとの提携は白紙に

本日、28日に行われたアデランスの株主総会ですが、スティールの株主提案の役員選任議案が承認され、会社提案のうちユニゾンからの役員受け入れは否決されました。

スティールとの対抗のために会社が打ち出したユニゾンとの提携は、その前提となる役員受け入れが株主の支持を得られなかったことから白紙撤回されると思われます。

アデランスのリリース

スティールの勝因ですが、ユニゾンの買付価格が低めであることから、アデランスの過半数を占める外国人株主が反対したことと、一部の個人投資家も会社提案に反対であったことが報道されています。

業績の低迷に株主が反発をしていることになり、またもや人事をめぐって波乱が発生してしまったことになります。

しかし会社内の混乱は解消されていないため、この株主総会をもって安定軌道に入るなんてことは全くなく、今後も業績は低迷を続ける可能性があるといわざるを得ません。

さて、会社法的な問題点ですが、役員選任議案は、候補一人に対してそれぞれ賛否を明らかにする形で行われます。

今回は会社提案のうち、ユニゾンからの派遣分についてのみ否決され、会社提案のほかの候補は承認されました。一方スティールの提案した候補はすべて承認されたため、合計して11名の取締役がいることになってしまいました。この総会の前は9名の取締役がいたので、増えてしまっています。

定款の定めはこれよりも多めにしていることからこういうことが可能になるわけですが、定款所定の定数と、過半数の承認という二重のハードルがあるためにやや不可解な分かりにくさを生みかねないことが分かります。経営権をめぐる対立事例が増えてくると役員選任の結果が問題となるかもしれません。

どこかできいた野次規制

この間の党首討論で、あまりに野次がひどくて、野次を規制するような話を報道でみました。

普通の人の感覚なら野次る下品な行為自体が理解しがたいと思いますが、日本の議会では昔からの伝統で、弁論部も野次をするのは伝統です。

私も弁論大会で弁論をしていると随分と野次に直面したものです。私自身は野次をしませんが、普通の弁論部員は野次をするものです。

現在の国会には、大学の弁論部出身者が多いので、当然のこととして野次は続いていくと思います。有名な某雄弁会の野次も激しいので有名でした。

野次があまりにうるさいので私が仕切った弁論大会では野次を規制して黙らせたことがあります。五月祭で実施したために、野次っている人がいると学園祭ついでに入った一般の観衆がひくとおもったもので。

結局、言うことをききませんでしたけどね。

一般論として最近の大半の野次は的外れなことを叫んでいるだけで、下品なだけなので黙らせてもかまわないでしょう。