Month: 3月 2009

要注目

ここに来て労働法で注目すべき書籍が相次いで刊行されます。

まず待望の荒木先生の労働法の概説書が登場します。

法学教室の連載をまとめたもののように見えるのですが、先生のお言葉によるとほとんどすべて書き直したそうです。

伝統的な個別的労働関係と労働契約法を別にした章立てになっているそうです。

菅野労働法では、第8版で個別的労働法の各所に労働契約法の記述をばらばらにして織り込んだので、構成がかなり違いますね。

是非とも早く読んでみたいものです。

また、水町先生の事例演習労働法も登場します。ご本人によるとかなりの自信作らしいので、労働法選択者は要注目だそうです。

もう少し早く出てくれればもっと良かったと思うのですがね。

他にも色々仰っていましたが、元試験委員が編集したという月並みにな宣伝文句だけ掲げておきます。

なぜ今さら

先週の日経夕刊に1週間にわたり団藤重光名誉教授のコラムが連載されました。

三島由紀夫の刑事訴訟法の答案を飼い犬が食べてしまった話とか、三島由紀夫の「仮面の告白」は刑事訴訟法的らしいとかいろいろな話題が触れられていました。

今さらそんなものを書くとは私の履歴書をまだ書かれていないのでしょうか。あれほどの業績を残されているのに意外な感じです。

私の履歴書は法律分野はあまり出てきませんが、最高裁長官だとたまに登場します。以前矢口元長官のが掲載されたのは良く覚えています。

回数が少ないせいか、あっという間に飛んでしまって、あまり東大での研究のこととかが触れられていません。まあ当然ですね。

結果無価値論が東大刑法学を埋め尽くしてしまい、しかもあの学園紛争ですからね。

ちなみに最高裁判事時代については、堂々と反対意見を書きまくったことに触れられています。

団藤裁判官と伊藤正巳裁判官と続けて反対意見を書きまくったせいで、最高裁判事の学者枠が東大法学部から離れてしまったとか言われますが、実際はどうなのでしょうか。

よくよく見ると分かるのですが、団藤裁判官も伊藤裁判官も最初は補足意見を書かれているのですが、だんだん年月がたつと我慢できなくなったのか反対意見だらけになるのです。非常に特徴的なことで、何があったのかが推し量られるところです。

当時なら学者裁判官の暴走を気にかけたのでしょうが、今日では随分とゆるくなってきたように感じます。最高裁も変わってきているのでしょう。


男から言わないといけないらしい

最近疲労が蓄積してしまい能率が上がりません。まあ時節柄仕方ないですが。

この年齢になると、そろそろ同期はおろか後輩までどんどん結婚していっています。私はそれどころではないので全然あせりとか感じる等はありませんが…。

下らない話ですが、私が聞いたところによると彼らが結婚に踏み切るきっかけになったのは意外なことに小道具としてゼクシィが使われていることが多いです。彼女の部屋にこれ見よがしにおいてあったとかはかわいいものですが、人によっては彼女から直にゼクシィを渡されて空気を読めと迫られた人もいました。

すごいやり方だなあと思ったものですが、一方で、彼女に「一緒に産婦人科に行ってくれ」といわれて、大急ぎで結婚の申し込みをしたという例もあり、それに比べたらかわいいものかもしれません(しかも結婚申し込み後に既成事実は生じていなかったことが判明)。

伝統的な形は失われているのかもしれませんね。驚くことばかりです。


まだなのかな

いつになったらdoblogは再開するのでしょうか。

ユーザーに対するリリースも何もなくそろそろ2週間になるんですが。

doblogとTypePadベースのブログ人ではインターフェースがえらい違うので、今まで両方に書き込むのって少し面倒だったのですが、こんなことならこちらのブログ人一本にしてしまおうかという感じになります。

そうするにしても、引っ越しましたと書き込まないといけないわけで、毎日300くらいのアクセスがあるようですので、きちんとこちらで続いていることをお伝えしたいのですが、それもできないまま随分たちました。そんなに難航しているのでしょうかね。それとも自然にやめる感じにもっていこうと雰囲気を醸成しているのでしょうかね。


サッポロホールディングス総会、スティールの反対にもかかわらず取締役再任

今年のサッポロホールディングスの株主総会が開催されましたが、スティールの提案はまた支持を集められず、役員は再任される一方、買収防衛策も継続されました。

サッポロ:株主総会で役員選任可決 スティールの反対退け

サッポロホールディングス(HD)は27日、東京都内で定時株主総会を開き、取締役選任や買収防衛策の継続など会社側提出の全5議案を可決した。株式の18.6%を持つ筆頭株主の米系投資会社「スティール・パートナーズ」が、取締役選任議案などへの反対を事前表明したが、他の株主の賛同を得られなかった。

 賛成票の割合は、取締役選任議案が昨年とほぼ同じ約75%、買収防衛策継続議案は外国人株主の反対票が増え、1ポイント減の約64%だった。

(略)

当社株券等の大規模買付行為への対応方針(買収防衛策)の継続承認及び独立委員会の委員選任に関するお知らせ

サッポロの業績は低迷を続けており、スティールが手詰まりであることからサッポロ経営陣は昨年に続いてしのぐことが出来ましたが、会社の将来像という点では全く視界が開けません。


総長式辞から

今になって思い出したのですが、修了式では小宮山総長が、科学の話題をしているのに、法律学にも通じることを仰っていました。

いわく理論と事実の関係でした。理論を現実に適用する過程の誤りについて例が引かれていました。

平成20年度学位記授与式総長告辞

事実が大事と言われている新司法試験の考え方と通じるものがあるように思われます。

もっとも事実とお経のように唱えたために、皆で答案に整理もせず問題文を書き写しているらしく、混乱が生じている模様です。まだまだ試行錯誤ですな。

一般的な学生は、事実をどう処理するかに困難があるのでしょうが、私は仕事上、事実に先に飛びついてしまうため、理論的部分が甘くていつも困っています。

普通と違う悩みなんですが、これは修正できるんですかね。


東京地裁、朝鮮総連の土地建物について代表者への移転登記を命令

整理回収機構が朝鮮総連本部の土地建物の強制競売を実現するために行っている法的手続きの続報です。

土地建物の登記名義が朝鮮総連(の代表者)から管理をしているとする会社に移されており、整理回収機構が朝鮮総連に対して有する債務名義での執行が出来なかったことを以前お伝えしましたが、整理回収機構は並行して登記を戻す裁判も提起していました。

この判決が26日に東京地裁であり、整理回収機構の訴えを認めて総連代表者への移転登記が命じられました。

実質的所有者は朝鮮総連…東京地裁が土地・建物移転登記命令(読売新聞2009年3月26日)

破綻した全国の在日朝鮮人系信用組合から不良債権を買い取り、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)に対して約627億円の債権を持つ整理回収機構が、朝鮮総連と、朝鮮総連中央本部(東京都千代田区)の土地建物の登記上の名義人である合資会社を相手取り、中央本部の所有権が朝鮮総連にあることの確認などを求めた訴訟の判決が26日、東京地裁であった。


 浜秀樹裁判長は、中央本部について、「対価を支払うことなく朝鮮総連が使用し続けており、実質的な所有権は朝鮮総連にあるというべきだ」と述べ、朝鮮総連の代表者への移転登記をするよう命じた。朝鮮総連は控訴する方針。

(略)

上記の報道だと移転登記手続きを命じたようになのですが、もし執行逃れのために登記を移したのであれば抹消登記手続きという可能性もあるように思えます。その辺の事実関係がよく分からないので、なんともいえません。移転登記であるか抹消登記であるかで課税されるか否かが変わってきたりしますが、この場合は大して問題にはならないでしょう。


真似る相手がいなくなる

最近、あまり更新できなくて心苦しいですが、今しばらくは仕方がないです。

ワークシェアリングが再び脚光を浴びている日本ですが、見習おうとしているヨーロッパではワークシェアリングや日本でいう雇用調整助成金のような制度で現在の雇用をそのまま維持して、不景気をしのぎきろうというような発想から脱却しようとしています。

古い産業から新しい産業へ労働力の転移を促そうという方向へ考えを変えてきたらしく、雇用調整助成金のようなものを止めつつあるといわれています。

それに比べると日本はどうしても、今ある雇用を守るという発想しかなく、産業構造が温存されるだけで後で困るのではないかといわれていました。

これが言われたいたのは少し前なので、不景気がきわまった今ではその通りになっていないかもしれませんが、EU官僚は理想主義的なことをするので、そういう意欲的な政策を実現しようとしているらしいです。転じて日本はどちらを向いているのか全く持ってなぞです。

EUの政策は原理主義的なものが多く、あまり感心ないものが多いのですが、革新的なことをしようという心意気はたいしたものだと思います。


行動原理は変わらない

今日の日経夕刊の中ほど証券面の囲み記事で、連合がファンドなどが主導する企業再編に関して、労組に拒否権を与える法改正を志向していることが小さく載っていました。

これは中々狡猾で、経営者にとっても究極の買収防衛策になりうるので、危険な誘惑があるやも知れません。しかし労組と経営側が馴れ合う会社というのは、とてつもなく腐敗して、株主債権者をないがしろにするにとどまらず、結局会社自体がつぶれる傾向があるので、是非ともよく考えて判断しないといけません。

現在の不況のせいでハゲタカファンドによる買収の脅威は鳴りを潜めていること、会社にとってはむしろ自らが不況を生き残るために労働条件の引下げを容易に出来るようになっている方がありがたいことから、連合の提案に魅力を感じないかもしれません。ということで杞憂に終わることも十分にありえるのですが、連合と民主党の蜜月ぶりは目に余るくらいですので、注意はしておくに越したことはないでしょう。

会社法で特段の地位を与えられているわけでもない労働組合に拒否権を与えるなんて、法的には全く持って筋が通らない話ですが、法的におかしな話というのは本質的にもおかしいことが多いので、ここはやはり法的に通らない主張には厳しく対処するべきでしょう。

ちなみに労働者が経営に参画できる例としてよくドイツ会社法があげられます。ドイツでは監査役会の役割が非常に大きく、そこに労働組合が入っているのです。

しかし実態はやや異なり、労働組合を経営にはいれないためにああしているという側面があり、監査役会も最終的に割れた場合は経営側が決められます。よってガス抜きをしているだけという指摘があります。

連合は短絡的に例を引いてきたりとか、奇妙な原理原則論を出してきてしかも間違っていることがあるので、よく注意しましょう。

労働契約法の審議過程では、労働契約法に就業規則の不利益変更法理が明定されましたが、これに反対するために、「契約の基本は合意である」ということをお経のように唱えていました。

労働法は、力関係の異なる当事者間での合意は信用しないというところが出発点で、そのために合理性審査をして内容に介入するという工夫をしてきました。いくつかの判例ではそのおかげで労働者が救われた例もあるわけです。それなのに合意が大原則だなどといったら、力関係で押し切られることを招来するだけなのにその点は全く考えていないようでした。反論するにももう少し構成があると思うのですがね。

ということで、また同じようなことが起きる可能性があるのではないかなと思ったりするのです。


そういう性分

昨日は終了式の後に、謝恩会なるパーティーがあり、遅くなってしまい今日は疲れは取れないし寝不足で困りました。

ホテルオークラでやったのですが、さすがに料理と長家が上質でよかったです。

ワインがおいしくて飲みすぎてしまい、翌日まで酔いを持ち越す羽目になってしまいました。

グループ会社のホテルのパーティーではああは行きませんね。そもそも偉い人がうじゃうじゃいるので、料理を持っていったり恭しく話を聞かねばならないので、中々気疲れしますし。

もちろん教授や派遣されてきている法曹関係者もたくさんいたのですが、意味合いがやはり異なり、非常にくつろげました。

個人的には水町先生がスーツを着ていたのに驚きました。ラフな格好しかしないのかと思っていましたよ。教職員入場で一人だけ遅れて入ってきてかえって注目を浴びていましたし、なんだかおいしいところを持っていくなあと思いましたね。