Month: 5月 2008

そんなのありか

5月も今日で終わりです。
今月は本当に早く過ぎてしまった感じがします。

さてロス疑惑では刑事事件以外にも沢山の訴訟が起こされて法廷闘争の様相を呈した点が珍しいですが、またもやものすごい訴訟を提起したようです。

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ロス銃撃「米捜査に協力拒否を」 三浦元社長が国を提訴(日本経済新聞2008年5月30日)

米ロサンゼルス銃撃事件で逮捕され、サイパンで拘置中の元会社社長、三浦和義容疑者(60)=日本では無罪確定=は30日、国を相手取り、米側から日本に捜査共助要請があっても応じないよう求める訴えを東京地裁に起こした。
(略)
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これでまず思ったのは、一体どういう訴訟を起こしたのかという疑問です。

行政事件訴訟法3条6項から、捜査協力要請に対する拒否の義務付けの訴えでもしたのでしょうか。
だとすると、抗告訴訟ですから対象となる行政の行為に処分性があることが要件となりますが、いくら広がってきているとはいえ、捜査協力に処分性があるとは思えませんよね。

だとすると、4条の当事者訴訟でも起こしたのでしょうか。
法律関係があるようには思えませんよね。

そもそも仮に上記の要件を満たしても、まだ捜査協力の要請がない段階ですので訴えの利益がないということも考えられそうです。

行政事件訴訟法の大改正により、いろいろな行政訴訟のアレンジが可能になり、そのせいで学生は苦労させられるわけですが、この件に関して使えるいい方法があるでしょうか。
難問ですよね。

東証、「2008年度上場制度整備の対応について」を公表

27日に東証が、「2008年度上場制度整備の対応について」を公表しました。
会社法では可能ではあるものの、株主の利益を害する行為に対して取引所のルールとして対応策を考えるとしています。
2008年度上場制度整備の対応について
例としてあげられている問題があると目される事象は以下です。
・ 大幅な希釈化を伴う新株式等の発行
・ 不透明な割当先に対する第三者割当てによる新株式等の発行
・ 多くの株主の株主権を奪うような株式併合
・ 上場子会社における社外役員が全て親会社出身であるようなケースなど独立性の問題
・ 横並び的に買収防衛策を導入するような状況
・ 過半数近くの議決権を持つオーナー系企業による買収防衛策の導入が行われる状況
・ 一部の機関投資家を除いて適切な議決権行使を行っていないという声
・ 監査役制度やコーポレート・ガバナンス向上のための各社の取組みに対する理解不足
希釈化はすでに実例がかなりあり問題とされていますし、株主追い出しのスキームもいくらでも可能です。
社外役員が親会社出身であるという点についてですが、会社法は2条15号で明らかに親会社役員の社外取締役を許容しています。
第2条(定義)
十五 社外取締役 株式会社の取締役であって、当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役(株式会社の第三百六十三条第一項各号に掲げる取締役及び当該株式会社の業務を執行したその他の取締役をいう。以下同じ。)若しくは執行役又は支配人その他の使用人でなく、かつ、過去に当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役若しくは執行役又は支配人その他の使用人となったことがないものをいう。
上記から分かるように、問題となる会社とそれよりは下の会社の出身者のみを認めないとしている以上、親会社の役員はOKということになります。
これで当該会社が委員会設置会社だったら機関構成は極めて簡素になりますので、親会社出身の社外取締役によって支配されるということになります。
しかし、これは濫用というよりは法的には許容されていることですので、全員を親会社出身にするまでなどとやりすぎると問題があるということで東証としては規制するなりすることになります。
もっとも、会社法で定めた内容自体にも問題があるともいえると思いますが…。
会社に関する規制は法律だけではなく、上場規則など様々なものの組み合わせになりますので、ベストミックスなどといわれますので、これでいいのだろうとは思いますが、法的制度には濫用が色々と思いつくのを上場規則で規制するというのには若干違和感があります。

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東証、「2008年度上場制度整備の対応について」を公表

27日に東証が、「2008年度上場制度整備の対応について」を公表しました。

会社法では可能ではあるものの、株主の利益を害する行為に対して取引所のルールとして対応策を考えるとしています。

2008年度上場制度整備の対応について

例としてあげられている問題があると目される事象は以下です。
・ 大幅な希釈化を伴う新株式等の発行
・ 不透明な割当先に対する第三者割当てによる新株式等の発行
・ 多くの株主の株主権を奪うような株式併合
・ 上場子会社における社外役員が全て親会社出身であるようなケースなど独立性の問題
・ 横並び的に買収防衛策を導入するような状況
・ 過半数近くの議決権を持つオーナー系企業による買収防衛策の導入が行われる状況
・ 一部の機関投資家を除いて適切な議決権行使を行っていないという声
・ 監査役制度やコーポレート・ガバナンス向上のための各社の取組みに対する理解不足

希釈化はすでに実例がかなりあり問題とされていますし、株主追い出しのスキームもいくらでも可能です。

社外役員が親会社出身であるという点についてですが、会社法は2条15号で明らかに親会社役員の社外取締役を許容しています。

第2条(定義)
十五 社外取締役 株式会社の取締役であって、当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役(株式会社の第三百六十三条第一項各号に掲げる取締役及び当該株式会社の業務を執行したその他の取締役をいう。以下同じ。)若しくは執行役又は支配人その他の使用人でなく、かつ、過去に当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役若しくは執行役又は支配人その他の使用人となったことがないものをいう。


上記から分かるように、問題となる会社とそれよりは下の会社の出身者のみを認めないとしている以上、親会社の役員はOKということになります。
これで当該会社が委員会設置会社だったら機関構成は極めて簡素になりますので、親会社出身の社外取締役によって支配されるということになります。

しかし、これは濫用というよりは法的には許容されていることですので、全員を親会社出身にするまでなどとやりすぎると問題があるということで東証としては規制するなりすることになります。
もっとも、会社法で定めた内容自体にも問題があるともいえると思いますが…。

会社に関する規制は法律だけではなく、上場規則など様々なものの組み合わせになりますので、ベストミックスなどといわれますので、これでいいのだろうとは思いますが、法的制度には濫用が色々と思いつくのを上場規則で規制するというのには若干違和感があります。

寒暖の差激しすぎ

天気の急変があってものすごい一週間でした。
調子を崩された方も多いのではないかと思います。
私もその一人です。

ゆっくり休みたいところなのですが、今週末もやることが沢山あるのです。
がっくりです。

アデランスの取締役選任議案否決に関する補足情報

本日付の日経朝刊の記事からアデランスの取締役選任議案否決に関して新たに得られた情報がありますので記録の観点からまとめておこうと思います。

・事前投票集計の時点で否決は決していた。
日経の記事によりますと、事前投票の集計の時点で否決は明らかになっており、総会でのやり取りは極めて簡単に終わったのが実際だったようです。そのためあまりのあっけなさに株主は可決されたのは否決されたのか分からなかったくらいだったようです。

事前投票で否決が明らかになったということから言って、スティールなどの外国人機関投資家以外にも一般投資家も反対票を投じたように思われます。

外国人株主がこぞって事前投票をして反対票を投じれば、株主総会で議決権を投じる株主はどんなにがんばっても全員にはならないことから、事前投票だけでぎりぎり過半数を超して決めてしまうこともできますが、実際には一般投資家も反対票を投じたのでしょう。
経営への不満はそれだけ大きかったということになりましょう。

・1日から2日前には否決濃厚に気づいていた
理由はいまいち分からないのですが、否決されそうであることは事前投票をあけるより前に分かっていたようです。国内機関投資家などもあたりを入れてみたということでしょうか。

どうやら経営陣は楽観していたために、働きかけがお留守になり、それによって反対票が増えた要素があるようです。

このブログでも取り上げましたが、総会直前に議決権行使助言会社から賛成の呼びかけを受けたりしたのも楽観に拍車をかけたかもしれません。
日経の書き振りから行くと、楽観のそもそもの原因は去年に買収防衛策の導入が賛成多数で認められたところにあるようです。


会社法の話題とは異なりますが、これによってある種の株主総会決議の結果では株価が急伸することがわかりました。事前に決議の行方が判明するとインサイダー取引でいうところの重要事実に該当しそうです。


今後、どうなるでしょうか。
総会をもう一度開かなければなりませんが、まずは候補を決めねばなりません。
よって会社はスティールと交渉して賛成してもらえる候補を決めるほかないのではないでしょうか。
スティールが先に一時取締役の選任を求めて、そのものを本格的に候補にすることも考えられないでもないですが、すると送り込んできた人物に会社をとられるイメージがついてしまいますから、合意の下で候補を決めるということになるのではないでしょうか。
いずれにせよ、経営改革をする人物にしないことには株主の意思を無視することになりますから、これまでの経営陣が総退陣することも十分考えられるでしょう。

買収防衛一辺倒や外国の投資ファンド悪玉論が盛んに見えた昨今ですが、それらを超えて株主が意思を示したということになります。
もしかしたら転機になるかもしれません。

アデランスの取締役選任議案否決に関する補足情報

本日付の日経朝刊の記事からアデランスの取締役選任議案否決に関して新たに得られた情報がありますので記録の観点からまとめておこうと思います。
・事前投票集計の時点で否決は決していた。
日経の記事によりますと、事前投票の集計の時点で否決は明らかになっており、総会でのやり取りは極めて簡単に終わったのが実際だったようです。そのためあまりのあっけなさに株主は可決されたのは否決されたのか分からなかったくらいだったようです。
事前投票で否決が明らかになったということから言って、スティールなどの外国人機関投資家以外にも一般投資家も反対票を投じたように思われます。
外国人株主がこぞって事前投票をして反対票を投じれば、株主総会で議決権を投じる株主はどんなにがんばっても全員にはならないことから、事前投票だけでぎりぎり過半数を超して決めてしまうこともできますが、実際には一般投資家も反対票を投じたのでしょう。
経営への不満はそれだけ大きかったということになりましょう。
・1日から2日前には否決濃厚に気づいていた
理由はいまいち分からないのですが、否決されそうであることは事前投票をあけるより前に分かっていたようです。国内機関投資家などもあたりを入れてみたということでしょうか。
どうやら経営陣は楽観していたために、働きかけがお留守になり、それによって反対票が増えた要素があるようです。
このブログでも取り上げましたが、総会直前に議決権行使助言会社から賛成の呼びかけを受けたりしたのも楽観に拍車をかけたかもしれません。
日経の書き振りから行くと、楽観のそもそもの原因は去年に買収防衛策の導入が賛成多数で認められたところにあるようです。
会社法の話題とは異なりますが、これによってある種の株主総会決議の結果では株価が急伸することがわかりました。事前に決議の行方が判明するとインサイダー取引でいうところの重要事実に該当しそうです。
今後、どうなるでしょうか。
総会をもう一度開かなければなりませんが、まずは候補を決めねばなりません。
よって会社はスティールと交渉して賛成してもらえる候補を決めるほかないのではないでしょうか。
スティールが先に一時取締役の選任を求めて、そのものを本格的に候補にすることも考えられないでもないですが、すると送り込んできた人物に会社をとられるイメージがついてしまいますから、合意の下で候補を決めるということになるのではないでしょうか。
いずれにせよ、経営改革をする人物にしないことには株主の意思を無視することになりますから、これまでの経営陣が総退陣することも十分考えられるでしょう。
買収防衛一辺倒や外国の投資ファンド悪玉論が盛んに見えた昨今ですが、それらを超えて株主が意思を示したということになります。
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こちらも急伸

会社法で何かあると(特に投資ファンド)、ブログ人版Japan Law Expressのアクセスが伸びます。
こちらのサイトは、法律情報しか載せておらず、検索からのアクセスが大半であるため、社会で何か起きると顕著に反応があります。

今日のこのdoblogは、左下のカウンタを見ていただければ分かるようにいつもどおりのアクセス数ですが、ブログ人の方は今日は急伸しました。
検索ワードの調査はまだしていませんがアデランスのせいだと思います。

今日の株主総会については夜になってから更新したので、アクセスが伸びた時点ではこれまでの経緯に関するエントリーを見る羽目になってしまったと思います。
さすがに大学に出かけていますので、タイムリーにリリースするにも無理がありますね。

アデランス株主総会で社外取締役を除いて取締役選任議案が否決 

本日開催のアデランスの株主総会ですが、取締役選任議案で社外取締役を除いて否決という衝撃的な結果に終わりました。
アデランスの筆頭株主はスティール・パートナーズで経営陣に反対していましたが、これに賛同した株主が他にもいたことにより、否決という結果になりました。
アデランスのプレスリリース
このため取締役が定数割れになってしまうことから、選任が否決された者も含めて従前の取締役が取締役としての権利義務を有する者となりました。
この権利義務を有する者は会社法346条1項で定められているものです。
第346条(役員等に欠員を生じた場合の措置)
役員が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した役員は、新たに選任された役員(次項の一時役員の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお役員としての権利義務を有する。
2 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時役員の職務を行うべき者を選任することができる。
3 裁判所は、前項の一時役員の職務を行うべき者を選任した場合には、株式会社がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。
4 会計監査人が欠けた場合又は定款で定めた会計監査人の員数が欠けた場合において、遅滞なく会計監査人が選任されないときは、監査役は、一時会計監査人の職務を行うべき者を選任しなければならない。
5 第三百三十七条及び第三百四十条の規定は、前項の一時会計監査人の職務を行うべき者について準用する。
6 監査役会設置会社における第四項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査役会」とする。
7 委員会設置会社における第四項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査委員会」とする。
アデランスはもともと外国人株主比率が高く、50%を超えています。
よって外国人株主が揃って反対したのではないかと思われます。
しかし株主提案で取締役選任議案を出していなかったため、取締役がいなくなるという結果に終わってしまいました。
会社法の規定では遅滞なく選任しないといけませんが、346条2項から、一時取締役を選任することもできますので、どのような流れになるのかはまだ不明です。
市場ではアデランスの株価は急伸しました。
非効率な経営が是正されるというシグナルが送られたということでしょうが、外見だけ見ると経営陣不在といってもよい状況でして、これで株価が上昇するというのは変な感じがします。

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アデランス株主総会で社外取締役を除いて取締役選任議案が否決

本日開催のアデランスの株主総会ですが、取締役選任議案で社外取締役を除いて否決という衝撃的な結果に終わりました。

アデランスの筆頭株主はスティール・パートナーズで経営陣に反対していましたが、これに賛同した株主が他にもいたことにより、否決という結果になりました。

アデランスのプレスリリース

このため取締役が定数割れになってしまうことから、選任が否決された者も含めて従前の取締役が取締役としての権利義務を有する者となりました。
この権利義務を有する者は会社法346条1項で定められているものです。

第346条(役員等に欠員を生じた場合の措置)
役員が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した役員は、新たに選任された役員(次項の一時役員の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお役員としての権利義務を有する。
2 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時役員の職務を行うべき者を選任することができる。
3 裁判所は、前項の一時役員の職務を行うべき者を選任した場合には、株式会社がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。
4 会計監査人が欠けた場合又は定款で定めた会計監査人の員数が欠けた場合において、遅滞なく会計監査人が選任されないときは、監査役は、一時会計監査人の職務を行うべき者を選任しなければならない。
5 第三百三十七条及び第三百四十条の規定は、前項の一時会計監査人の職務を行うべき者について準用する。
6 監査役会設置会社における第四項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査役会」とする。
7 委員会設置会社における第四項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査委員会」とする。


アデランスはもともと外国人株主比率が高く、50%を超えています。
よって外国人株主が揃って反対したのではないかと思われます。

しかし株主提案で取締役選任議案を出していなかったため、取締役がいなくなるという結果に終わってしまいました。
会社法の規定では遅滞なく選任しないといけませんが、346条2項から、一時取締役を選任することもできますので、どのような流れになるのかはまだ不明です。

市場ではアデランスの株価は急伸しました。
非効率な経営が是正されるというシグナルが送られたということでしょうが、外見だけ見ると経営陣不在といってもよい状況でして、これで株価が上昇するというのは変な感じがします。

時代は変われど…

33万アクセスありがとうございます。
昨日、痛みに耐えつつ寝ている間に達成したようです。


昨日の公法訴訟システムで石川教授が、利益衡量論をやたらと使うと法律論にならないという話をされました。

これと全く同じ話を私は東大入学したてのころ聴いたことがあります。
それは内田教授の民法第1部の冒頭の話でして、対立する利益を指摘して、利益衡量をしてこちらの勝ちみたいな答案が多いが、あれは法律の答案ではないと苦言を呈されていました。

要するにおよそ法律論が展開されないからで、結論が先にありきで、衡量の結果といってみてもおよそ説得力がないという話でした。
石川教授も学生のころ塩野教授から同じ話をされたそうなのでいつでも法律教師の悩みの種なのでしょう。

利益衡量論の祖である星野英一名誉教授は、自身の頭の中に価値秩序がしっかりとあるため、衡量をしても大丈夫なわけですが、そういうのがないのに手法だけ真似ると大変なことになるということでした。

しかし次元の異なるものを平気で比較してしまう感性は根付いてしまっているため、もはや脱却は難しいのではないでしょうか。
刑事訴訟など要するに比例原則なのですが、どうしても事案の重大性に目が行って捜査の必要性を優先させるきらいがあります。
次元の異なるものを比べているからおかしいという指摘もありましたが、他にやり方が思いつきませんよね。

芦部説にかわって新時代の憲法学が広まったとして、仮に石川説がみんなに受け入れられたとしましょう。多分それはみんなで比例原則だとか人格権との価値だ距離だとか言い出すだけで、あんまり実質的な人権論にはならないかもしれませんね。