Month: 8月 2004

イオン、自社独占販売デジタル家電の特許侵害の有無を独自調査へ

台湾製の液晶テレビを売ろうとして、特許侵害のおそれからシャープとの間に紛争を生じてしまった大手スーパー・イオンですが、同じ轍を踏まないために、独自調達したデジタル家電の特許侵害の有無について発売前に独自の調査をすることにしました。記事はこちら

一般的には、売買契約を締結する際に
・他社特許の侵害がないことへの保証
・特許紛争が起こされてしまった場合に製造メーカーがかわって争うないし訴訟に協力する
などの項目を取り込めておくことで、法的危機管理をするのが一般です。
というのは売り手は、別に知的財産の専門家ではないので、自前でやろうとすると大変なコストがかかってしまう(というか無理)ためです。
そのため上記のような内容で契約をしてもしもの場合は損害賠償で手当てをするのですが、イオンの場合は、あまりに騒ぎが大きくなってしまったために、何もしないわけにはいかなくなってしまったのでしょう。

外部の弁理士を活用とのことで(内部でやるのはまず無理です)コストもかかるでしょうし、侵害がないかを調べるのは相当難しいので、実効性は相当疑問ですが、世間的には重要な一手でしょう。

欧州委員会、マイクロソフトとタイム・ワーナーの著作権管理会社買収を調査へ

世界各地でM&A攻勢をかけるマイクロソフトですが、その圧倒的地位ゆえに各国の当局の警戒を生んでいます。
今度は、デジタル著作権管理会社の買収をめぐって欧州委員会の調査を受けることになりました。記事はこちら

この件で面白いのは、買収対象となっているコンテントガードは、アメリカの会社であることです。
競争法上の影響を受ける市場が主権の範囲内に存在するなら、外国のM&Aであろうと、規制の対象とするのは理由のないことではないですが、実際に問題であるという結論を出したとして、どうエンフォースメントに及ぶのでしょうかね。
自らの主権の範囲内でしか、命令などは行使できませんから、ヨーロッパにある子会社などは買収の対象からはずしなさい見たいなことしかいえませんが、デジタル技術を扱う企業を国境で切り分けてもあまり意味がないでしょうから、肩透かしに終わりかねません。
そういう意味では、デモンストレーションの意味合いが強いでしょう。

米グーグル、市場流通株議決権を経営者持株の10分の1に制限

大規模な新規上場株として注目を集めたgoogleですが、19日の上場後早くもその企業統治を最低とする調査結果が議決権行使助言会社から公表されました。記事はこちら

最低とする主要な根拠は、
・流通株の議決権が経営陣の持っている株より低く10分の1しかない
・社外取締役が取締役会の3分の2未満である
・企業統治原則を設けていない
の3点が挙げられています。

一番驚きなのは、一点目でしょう。
どうやったらそのような制度設計が可能なのでしょうか。
公開したのは種類株なのでしょうか。
日本では株主平等原則に抵触することが相当濃厚です。
確認しようとアメリカのサイトにいくつか当たったのですが、まだ未確認です。

googleはもとよりアメリカに広く浸透している資本の論理に懐疑的で、ウォール街にもあまり迎合しない傾向があります。
その結果が、投資家受けする企業統治より買収防衛の優先につながったのだと思われます。
実際、潤沢なキャッシュフローを有するマイクロソフトが何をしてくるかわからないので、懸念する理由なしとはしませんが、かなりすごい内容だといえるのではないでしょうか。

そういうものだ

またもや泊まりをしていたので遅れての更新です。
これからも泊まりは結構あるので、更新が変則的になる日がありますがどうかご了承ください。
左の最近記事をご利用頂けると、更新順に御覧いただけるかと思います。

昨日はなんだかトラブルが多く忙しくてばたばたしていました。
結構暇な時間があるかと思っていたので、色々と別の仕事を片付けようと思っていたのですが、まったくできませんでした。
よく感じるんですが、大体事前に思っていたことと現実は逆になりますよね。
何も考えないで何の準備もしないで行くと、時間が超余って暇を持て余すんですよね。

いざというときに常に備えておけばいい話なのですが、そこまで用意周到にできないものでいつも無駄が多くて困っています。

お金は汚いものだから

今日は、またもとに戻って暑くなりましたね。
暑いと通勤時が大変です。

最近、現金を数えたりすることが多くなってきました。
風の風圧と回転する部分によって紙幣をパラパラとめくっていって数える機械を使うのですが、このお札にあたった風が臭くてたまりません。
鼻が曲がりそうです。

やはりお金って色々な人の手を経るために汚いんですね。
すごく痛感しました。

よく使われる千円札が特に臭いです。

大学時代にものすごくピュアな方がいまして、平和や環境などについて、ありとあらゆる人道的かつ理想主義的なものに通じておられたのですが、その方の発言の一つに「お金は汚いものだから」という印象深いものがありました。
大変ヒューマニズムにあふれた方なので、多分、私がしている「鼻が曲がるようなにおいがする」経験とは全く違って、「お金は人の心を惑わす」ことを意味する発言なのだ思いますが、毎日紙幣を数える度、その方のことを思い出したりしています。

いきなり涼しく

この二三日、夜になると涼しいなあと思っていたのですが、今日は昼間から涼しく、過ぎしやすかったです。

もっとも、今日は一日研修みたいなので、建物の中にいたので、あんまりですが…。

このまま一気に秋になってしまうのでしょうか。

全然関係ない話ですが、家から最寄の駅まで自動車を運転して通っているのですが、革靴でマニュアル車を運転するのってやりにくいですね。
危うく靴が脱げそうになって実感しました。

信託法改正、受託者が信託財産に権利関係を有することを解禁へ

信託を巡る法整備も最近脚光を浴びていますが、今度は信託法の改正の方向が明らかになりました。記事はこちら

主要な点は二点で、
・受益権の有価証券化に関する規定の整備
・受託者が信託財産に対して権利を取得することの解禁
です。

一点目は現在も行われている実務に関して規定を整備するもので、それほど目新しいとは思いませんが、規定を欠いているよりはよいと思われます。

二点目は、現行の信託法22条を変更するものです。
現行の22条では、利益相反から信託財産を守るために、受託者が信託財産の権利を取得することを厳しく禁止しています。もっともやむをえない場合には例外的扱いがあるのですが、とにかく禁止が原則です。

しかし、実際の信託では、受託者の信託銀行自ら信託財産たる不動産に入居してもらい賃料を最低限確保したいというような需要があるようです。
受託者は信託銀行などなので、利益相反行為についての懸念は薄れたとありますが(本紙面の記事にあるくだりです)、本当にそうですかね。
委託者の承認を要件にするようですが、利益相反のような問題を当事者自治にゆだねてしまおうということでしょうか。
なんとなくすっきりしない感じがします。

公法と私法の狭間で

最近、社債の私募が流行っているそうです。

私募での発行がよくされているのは転換権付の優先株式で転換価格の下方修正条項がついているもので、レッサーCBというそうです。
すぐにわかるように、これは既存の株式の価値を著しく希釈化します。
なんでこんなものを発行するかというと、経営不振企業や格付けのよろしくない企業が資金調達をするためで、第三者割当てになることが多くなります。
リスクの代わりとして下方修正条項がついているといったところなのが実態です。

このレッサーCBは1990年頃の誕生なのですが、最近、日本国内の上場企業もこういったものを発行するようになり、既存株式希釈化への懸念から、株価の急落が生じるようになっています。

このように活用の場が広がるにつれて法律界からは、その合法性に対して厳しい視線が強まってきました。
というのは、転換権がついており転換価格の下方修正条項があることから、新株の有利発行を規制している商法の趣旨を没却するものだからです。

発行されている背景には、合法とする意見を出す弁護士がいるのだと思いますが、商法の趣旨を重視する立場からは、この考え方には厳しい批判がなされ始めています。
日本商法において新株の有利発行規制は、極めて重大に扱われている原則なので、それを私募の社債の一条項で反故にするのは許されないという考え方から来るものでしょう。

しかし、新株の有利発行規制があるからといって、そのまま当然に下方修正条項を無効と考えることはできません。
この問題を解決するには、もう一段階の思考プロセスが必要で、商法の社債に関する規定が私法であるか公法であるのかの検討がいるように思います。

私法問題であるならば、極端な言い方をすれば、(公序良俗などに反しない限り)当事者自治の世界で、法律で禁止されていないことは自由にできます。
これに対して、公法問題であるなら、法律で許されていること以外はできないというのが原則になります。
この点を無視して考えると、完全な水掛け論になるので、いつになってもはっきりしたことを言えなくなってしまいます。

現在の議論から見ると、新株の有利発行となるかならないかの線引きが実務上確立しつつあるのを利用して、それに類推して考えるか、そうは見ないかといったやり取りのようで、賛否両論募集中といった感じに見えます。

当該規制が国家的関心なのか否かという点から、明快な切り方をしたほうがいいのではと思う次第です。
商法は民法の特別法という考え方から、私法であることに疑いを持たない方が多いのではないかと思いますが、商取引法についてならともかく、会社組織についての部分はオリジナルなので、私法と単純に理解することはできないと思います。

私見では、公法的規制の見地から、レッサーCBの合法性はかなり怪しいと思うのですが…。

いずれにせよ、もう少し見通しのよい議論がなされればいいのになと思うことがまた一つあったので取り上げてみました。

上場企業中630社が社外取締役を起用、総人数も1165人に

日本経済新聞の調査によると、日本全国の上場企業2108社中、630社が社外取締役を起用しており、その総数は1165人に上ることが明らかになりました。記事はこちら

昨年調査では、493社、918人だったとのことで堅調な増加ぶりといえるでしょう。

630社の取締役全体に占める社外取締役の割合は、5人に1人ほどですが、30社では、取締役会の過半数を社外取締役が占めていることも明らかになりました。

委員会等設置会社の場合、社外取締役が義務付けられているので、委員会等設置会社が昨年より3割増えていることから、全体としての社外取締役の増加は、まあ当たり前でしょう。

委員会等設置会社の増加にも二種類ありまして、自主的に選択した場合と、産業再生機構のお世話になり、ガバナンスの向上を求められた場合があるのですが、3割も増加していることから、自主的選択も結構あることがわかります。
自主的に選択した会社としては、新生銀行、大和証券グループ本社、エーザイ、などが上げられていました。

社外取締役に選任される人材としては、法曹がやはり多く、ついで企業人と続くようです。
取引企業の企業人の場合、利益相反が起きる可能性がありますが、SONYでは、自主的な選任基準を設けているそうです。

日本で社外取締役についていわれてきた言説の最たるものは、人材がいないということでした。これまでなかった制度なので当たり前なのですが、実効性への懸念とあわせて相当程度の通用力を持っていました。
今回の調査で総人数は1000人を越えましたが、重複して選任されている例もあるでしょうから、実際の人数ではこれを下回るでしょう。
実力ある社外取締役が安定的に供給されるようになるには、今しばらくの時間が必要といえるでしょう。

急ぎすぎの花火

たまっていた商事法務事情をまとめて更新しました。
該当記事の日付にあわせてあるので、左下の最新記事のところから御覧ください。

よく考えたら休みが偶然土日と重なり、今日は地元のお祭りでした。
新興住宅地のお祭りなので別に面白くもありませんが、花火の打ち上げはやはりあります。

いつもなら午後8時から10分から15分ほど花火の時間なのですが、今年はなぜかわずか3分ですべての花火を打ち上げました。

空一面に一度に3つか4つの花火が炸裂しているさまは、壮大というよりは慌しかったです。
「うるさい時間を短くしろ」という要求でもあったんですかね。
色々な人が住んでいますからね。