社会保障法

厚生労働省、平成29年1月から再就職手当を増額へ

雇用保険の被保険者が失業すると、失業給付を受給して求職活動をすることができます。

その失業給付がもらえる期間(所定給付日数)はそれまでの間の雇用保険の被保険者期間の長さや離職した理由によって決まってきますが、再就職すると、失業給付は受給できなくなるのは同じです。

すると、もらえるだけの期間はもらった方が得だということになってしまいかねず、そうなると就職している期間が大きく空いてしまうので再就職がより困難になる可能性があります。

そこで、所定給付日数を残して再就職してかつ比較的長期間残している一定の場合には再就職手当という一時金をもらうことができます。

ハローワークインターネットサービス – 就職促進給付

このたび、この早期の再就職を促すため、再就職手当の増額がされる方向になっていることが明らかになりました。

再就職、早期なら手当増 厚労省、失業長期化を回避 来年から、一時金1割上げ :日本経済新聞 2016/5/7付 日本経済新聞 朝刊

厚生労働省は若年層を中心に高止まりしている長期失業者を減らすため、雇用保険の失業手当(総合2面きょうのことば)を見直す。短い間隔で再就職する人への手当を2017年1月から引き上げる。

(略)

上記引用先の日経の電子版では会員でないと具体的内容が見られませんが、以下の通りです。

ハローワークインターネットサービス – 就職促進給付

  • 基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の2以上の方は、所定給付日数の支給残日数×60%×基本手当日額((注意1)一定の上限あり)。
  • 基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上の方は、所定給付日数の支給残日数×50%×基本手当日額((注意1)一定の上限あり)。

下線を付けているところが支給率で、要するに残りのもらえるはずだった失業給付のどれだけの割合をもらえるのかという割合となります。

報道によるとこれを1割増しにするとされています。

 

2017年度末までに厚生年金未加入事業所の実態調査へ

厚生年金の適用事業所は、法人でありさえすればすべて該当します。

法人なりが多い日本においては個人事業主に雇用されている例は、比較的少数という帰結になりますので、実のところ雇用されている人は労働時間の要件などを満たせば厚生年金の被保険者資格を取得していることになるはずなのです。

しかし、法人であるのに未加入であったり、適用対象の個人事業主でも未加入である事業所は結構あるのが実態です。そこで安倍総理の指示で全事業所の調査を行うことになりました。

厚生年金未加入疑い、17年度末までに全事業所調査 首相指示  :日本経済新聞 2016/1/13 21:41

厚生労働省は厚生年金の加入を逃れている企業の実態調査を強化する。安倍晋三首相が13日の衆院予算委員会で、塩崎恭久厚労相に対策を指示する考えを表明した。厚労省の推計によると、約200万人が厚生年金に加入せず国民年金のままになっている。未加入の疑いのある全事業所の調査を2017年度末までに実施する方針だ。

 調査の対象になる事業所は15年9月時点で79万カ所ある。日本年金機構を通じて調査票を送り、加入状況を調べる。未加入であることが確認でき、督促しているにもかかわらず支払う意思を示さない事業所には職員が訪問して指導する。実態調査は15年4月から始め、9月までに18万カ所の調査を実施したが、時間がかかっている。

(略)

未加入の事業所は零細企業が多いとされ、厚労省は「経営に配慮して保険料を督促する」方針。強制徴収権の発動には消極的で、どこまで加入が進むかは不透明だ。

 

国民年金と厚生年金とでは年金額がえらく異なるほか、徴収する保険料も比較になりませんので、将来の生活保障の観点及び保険料の徴収増を目指す観点から適用拡大を図っているのですが、それをさらに総理の指示で拡大するということになります。

実のところ、年金事務所から未加入を指摘されて加入させられると保険料をさかのぼって納めることを求められる例が多いのに対して、それまでは加入しないといけないのに怠っていた事業所が任意に申し出て加入すると、過去の保険料を納めることまでは求められないことが多くなっています。

上記では強制徴収の発動には抑制的とありますが、これは滞納がある場合には租税滞納処分の例によるとなっているのにそれを使わないことが原則となっているということです。

それに対して、この調査の結果、加入を命じられることは当然出るわけで、その際に保険料の遡りをどこまで求められるかはまったく別の問題といえましょう。調査の進展をにらみつつ、自主的に加入を行うべきといえ、その際には給与の支給額を見直さないと社会保険料負担で経営に悪影響が出る事態が起きるように思われます。

厚生労働省、社会保障審議会企業年金部会に、加入者が運用によるリスクを追う一方、確定給付の要素も併せ持つリスク分担型確定給付年金(仮称)を提示

厚生労働省が、確定給付、確定拠出に続く企業年金の第3の仕組みを社会保障審議会企業年金部会に提示しました。

9月11日の第16回社会保障審議会企業年金部会に提示されたものです。

企業年金部会審議会資料 |厚生労働省

提示された仕組みは、リスク分担型確定給付年金(仮称)とされており、確定給付がまずあり、さらにその上積みは運用による部分であり、そのリスクは加入者自身が負うことになり、企業は確定給付部分とそれに加えて運用に充てる分の拠出を行うということが想定されています。

まだあくまで構造の段階ですので、詳細を検討するには早いですが、確定給付の部分の設定によっては、単に拠出が増えてしまうだけになりかねず、労使で内容を決める際に配分をどのようにするかが課題となりそうです。

 

 

東京地裁,障害基礎年金の認定に診断書がなくても可能として不支給処分を取消

遡っての障害基礎年金の支給を申請したところ,支給時点以降の分以外は不支給となったところ,取消訴訟が提起され,東京地裁は不支給処分を取り消すというかなり大胆な判決がされました。

障害基礎年金:女性の請求認める判決 東京地裁- 毎日jp(毎日新聞)

障害やけがの程度に応じて支給される障害基礎年金を巡り、支給開始の20歳の時には制度を知らなかった東京都内の知的障害の女性(32)が、当時の医師の診断書がないことを理由に過去にさかのぼっての支給を認めない国の処分は誤りだとして取り消しを求めた訴訟で、東京地裁は8日、女性の請求を認める判決を言い渡した。谷口豊裁判長は「20歳当時を知る関係者の証言から女性に障害があったと認められ、処分は違法」と述べた。

女性は28歳だった2009年8月に制度を知り、軽度の知的障害との診断を受け、翌月から年金を受給。20〜28歳分の支給も国側に求めたが診断書がないために退けられ、11年に提訴していた。

判決は、女性が20歳当時に通っていた洋裁専門学校の担任が、▽ミシンを1人では使えなかった▽衣服をうまく着脱できなかった−−などと証言したことを重視し、障害等級2級に該当していたと認定した。(略)

この事件には,時効の問題から障害基礎年金をどこまで遡って支給を受けられるのかという論点がまずありますが,さらにそれをクリアしたうえで,障害の認定に当たっての事実認定に関する裁量が問題となっています。

前者の問題についてはすでに別の裁判例でも取り上げたことがありますが一つの争点です。

今回はさらにその先の問題として事実認定に関して問題となっています。というのは,障害年金は,請求するに当たり,主治医から所定の診断書に状況を記載してもらう必要があり,それを添付資料として必ず提出しないと受理されません。

今回は発症当時とされる20歳ごろの時期についてはまだ受診していなかった模様で診断書がないということなのですが,それでもそのほかの事実から障害の状態と認定できるなら受給資格ありとなるかということが問題となったわけです。

東京地裁は,間接事実から受給資格ありと認定できるので不支給処分は違法と判断しました。

法律上は障害の状態が要件となっているところですが,診断書の記載をもとにして障害状態にあるかを読み解いて認定をするというのが年金実務となっており,裁判所のするような間接事実から認定してしまうということは行っていないわけです。このような認定の仕方をすると,実務上は大変な混乱をきたす恐れがあり,実務が回らなくなってしまう可能性もありそうです。

一方で障害年金は,障害者にとっては非常に重要な生計を保つための手段になりますので,すこしでも障害の実態に即して受給を受けることが望ましいのは確かです。裁判で判断されたら支給するがそれ以外では診断書一本主義のような運用にすることもありでしょうが,厚生労働省の所管する制度ではそのような対応を取らず,裁判で判断されたことを実務にも反映させるように改めていくという動きをする傾向があります。それは,正しい反応ではあるのですが,現在の年金実務は相当程度,混乱しており障害年金の場合,支給までの手続きがかなり遅れ気味になっている傾向があります。そのような中,実務とのすり合わせをどうするのかなど,深刻な問題を招来させそうな一件といえるでしょう。

裁判例情報

東京地裁平成25年11月8日判決

会計基準の変更で退職給付の積立不足を負債に計上が必要となるため,ANA,NTTなどで企業年金制度の改革の動きが生じる

企業の退職給付の積立不足があることが以前から問題になっているのですが,会計制度の変更によって,これを負債に計上しないといけなくなることから,企業が対応に動くことが促されて,企業年金制度変更がでてきています。

退職給付を年金の3階部分として給付する企業年金の形でもっている企業は大企業を中心に多いですが,この部分に積立不足があるところ,それを負債として計上しないといけなくなるということです。

そこで,端的に積立不足を抑制することができる制度への変更が志向されています。

確定給付企業年金の形で制度をもっている場合には,確定拠出企業年金への制度変更をすることで拠出だけすればよくなるので,抑制が見込めます。ANAやNTTはこの方法を部分的に取り入れると報道されています。

このほかに,確定給付企業年金において支給の内容を変更するということも考えられますが,これには規約の承認というハードルがあることはNTT事件で明らかになったところです。

また,自社株を退職給付信託に拠出するという動きも目立っているとのことです。これは現金ではないものを使って資産を積み立てているだけですが,自社株買いもすっかり盛んになりましたので,これとの連関でちょうどいいことであるのかもしれません。

実のところ,確定給付企業年金は現状でも非常に大変であると思われるのですが,この会計制度の変更によって対応が強制的に促されることになりそうです。

厚生労働省,厚生年金基金の解散条件の緩和の法施行を前に,先行して10月1日に事前協議制を廃止

厚生年金基金の廃止を促す方向での法改正が行われており,解散要件の緩和が来年4月から施行されますが,それに先立って,法律上の要件とは別に課されていた事前協議制について,廃止されることが明らかになりました。

事前協議制は,解散について厚生労働省に事前に許可を得ておくというものなのですが,半年くらいかかるということで,来年4月の施行時にすぐに新しい要件のもとでの解散をしようとすると,事前協議を始めるのがそろそろ必要ということになるため,廃止ということになった模様です。

株高のため,今解散しておくと,負担が少ないかなくて済むために,解散を促す好機であるということも作用している模様です。

長野県建設業厚生年金基金脱退訴訟の控訴審に,国が補助参加しないことが判明

JAPAN LAW EXPRESS: 長野地裁,加入事業所が財政の悪化を懸念して厚生年金基金からの脱退を請求した事件で請求を認容の続報です。

厚生年金基金から脱退できる場合について判示をした長野地裁判決に対しては,基金側が控訴をしたのですが,この際,厚生年金保険法の解釈が問題になるとして,国に対して補助参加を求めていました。

しかし,報道によると,厚生労働省は補助参加しないことを決めた模様です。

理由としては,民間同士の争いだからとしている模様です。

この理由だと,あまり国の今後の政策の方針と無関係に形式的に判断されたかのようですが,国は厚生年金基金の制度変更について,基金制度の廃止を打ち出してきたところですので,この政策との関係もあるところでしょう。

上記長野地裁判決の内容については以下の記事もご覧ください。

JAPAN LAW EXPRESS: 厚生年金基金からの脱退を認めた長野地裁判決の補足情報

厚生労働省,高齢者が健康保険にはいっているが労災保険に入っていない場合に請負等で受託した作業での受傷について,健康保険でカバーする法改正を検討

JAPAN LAW EXPRESS: シルバー人材センターから紹介を受けた仕事の作業中の負傷したところ保険が不適用であったとして,負傷男性の長女が国に慰謝料と協会けんぽに保険適用を求める訴訟を提起の関連情報です。

被扶養者として健康保険に入っている場合に,請負の形で労働して負傷した場合の療養費について,保険の隙間が出ていることを上記記事でお伝えしましたが,厚生労働省は健康保険法を改正して,保険の適用対象とする方向で検討を始めたことが明らかになりました。

労災保険対象外の高齢者ら健保で救済 厚労省、来年法改正へ – 中国新聞

厚生労働省は19日、仕事中にけがをしたシルバー人材センターの高齢者らが労災保険の対象にならない場合、健康保険を適用して救済する方針を固めた。健康保険も労災保険も適用されず「制度の谷間」に落ちてしまう人が治療費の全額自己負担を強いられるケースが相次いだため、対策を協議していた。

厚労省は社会保障審議会医療保険部会での議論を経て、来年の通常国会に健康保険法改正案を提出したい考えだ。

(略)

この報道で行くと,高齢者の場合だけが対象となりそうですが,それだと立法技術的に変なので,インターンシップの学生なども含めることになるのではないかと思うのですが,どうなるのでしょうか。

ちなみにこの制度の谷間になっていしまうこと自体は,それほど滅茶苦茶というわけではなく,国保に入っていればよいはずの話なのです。

健康保険の対象とすると,事故の発生率によりますが,健保財政の一層の悪化につながるために,保険料率の引き上げにつながることが考えられます。救済をしているように見えて,制度をさらに締め付けることになりかねないので,長い目で見るとどうなのかが非常に気になるところです。それよりも労災保険法の適用範囲の観点はどう考えたのかが気になるところです。

シルバー人材センターから紹介を受けた仕事の作業中の負傷したところ保険が不適用であったとして,負傷男性の長女が国に慰謝料と協会けんぽに保険適用を求める訴訟を提起

テレビでもやっていたらしいのですが,シルバー人材センターで紹介された仕事の作業中に高齢者の男性が負傷をしたところ,保険の適用がなされず治療費が全額自己負担になったということで,協会けんぽと国を相手取って訴訟を提起する事態になったことが明らかになりました。

それだけ聞くと「なぬ」と思ってしまいますが,この男性は長女の被扶養者になっており,長女の会社の健康保険である協会けんぽに入っているようなのです。

すると健康保険法の適用があるということになります(国保ではなく社保という意味)が,健康保険法は業務上災害による傷病を適用除外にしているので,このけがについて保険給付が受けられなかったわけです。

健康保険法

(目的)

第一条 この法律は、労働者の業務外の事由による疾病、負傷若しくは死亡又は出産及びその被扶養者の疾病、負傷、死亡又は出産に関して保険給付を行い、もって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。

なぜこうなっているかというと,業務上の事由に起因する傷病については,労働者の場合,労災保険法の適用があり,すみわけをしているからです。

しかし,シルバー人材センターの仕事の場合,雇用ではなく請負であり,労働者ではないということ否定しがたいものがあります。そのため,労災保険の適用にならないのです。

すると,大変なことになりそうですが,労働者ではない場合には国民健康保険に入っているはずであり,そちらでカバーされることになるという建前があるのです。

国民健康保険は業務上災害に起因する傷病への適用を排除しておらず,ほかで給付を受けた場合にはそちらが優先するが補充的に適用があることは定めがあります。

国民健康保険法

(他の法令による医療に関する給付との調整)
第五十六条 療養の給付又は入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、訪問看護療養費、特別療養費若しくは移送費の支給は、被保険者の当該疾病又は負傷につき、健康保険法 、船員保険法 、国家公務員共済組合法 (他の法律において準用し、又は例による場合を含む。)、地方公務員等共済組合法 若しくは高齢者の医療の確保に関する法律 の規定によつて、医療に関する給付を受けることができる場合又は介護保険法 の規定によつて、それぞれの給付に相当する給付を受けることができる場合には、行わない。労働基準法 (昭和二十二年法律第四十九号)の規定による療養補償、労働者災害補償保険法 (昭和二十二年法律第五十号)の規定による療養補償給付若しくは療養給付、国家公務員災害補償法 (昭和二十六年法律第百九十一号。他の法律において準用する場合を含む。)の規定による療養補償、地方公務員災害補償法 (昭和四十二年法律第百二十一号)若しくは同法 に基づく条例の規定による療養補償その他政令で定める法令による医療に関する給付を受けることができるとき、又はこれらの法令以外の法令により国若しくは地方公共団体の負担において医療に関する給付が行われたときも、同様とする。
2 保険者は、前項に規定する法令による給付が医療に関する現物給付である場合において、その給付に関し一部負担金の支払若しくは実費徴収が行われ、かつ、その一部負担金若しくは実費徴収の額が、その給付がこの法律による療養の給付として行われたものとした場合におけるこの法律による一部負担金の額(第四十三条第一項の規定により第四十二条第一項の一部負担金の割合が減ぜられているときは、その減ぜられた割合による一部負担金の額)を超えるとき、又は前項に規定する法令(介護保険法 を除く。)による給付が医療費の支給である場合において、その支給額が、当該療養につきこの法律による入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、特別療養費又は移送費の支給をすべきものとした場合における入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、特別療養費又は移送費の額に満たないときは、それぞれその差額を当該被保険者に支給しなければならない。
3 前項の場合において、被保険者が保険医療機関等について当該療養を受けたときは、保険者は、同項の規定により被保険者に支給すべき額の限度において、当該被保険者が保険医療機関等に支払うべき当該療養に要した費用を、当該被保険者に代わつて保険医療機関等に支払うことができる。ただし、当該保険者が第四十三条第一項の規定により一部負担金の割合を減じているときは、被保険者が同条第二項に規定する保険医療機関等について当該療養を受けた場合に限る。
4 前項の規定により保険医療機関等に対して費用が支払われたときは、その限度において、被保険者に対し第二項の規定による支給が行われたものとみなす。

この件の男性の場合,雇用契約にないのに社保に入っていたために,隙間に該当してしまったというわけなのです。

そこで,全額負担となってしまったということのようなのですが,訴訟を提起して,国には慰謝料,協会けんぽには保険適用を求める請求をしている模様で,根拠として憲法に言及しており,「高齢者の就労環境が変化しているのに国会が立法を怠った。社会保障をうたった憲法に違反する」としている模様です。

15万人ほど高齢者がこのような形で働いているとのことで,立法事実としてどうなのかが問題となりそうな形成となっています。

しかし,社会保障は立法裁量の色彩が強いこと,立法不作為が違法と評価されるのは選挙権ですらかなりハードルが高いことからいくと,このような構成で行くとなかなか厳しいものが予想されます。

国民健康保険法との比較という観点から主張をすることはありかもしれませんが,高齢者ともなると,後期高齢者になるまでの間ならある意味,健康保険をどうするかは選択できる問題ですので平等の形で話をすることは難しいような気がします。

政策形成訴訟の意義はあるのかもしれませんが,実のところ,構成には考えようがあるような気がします。

余談ですが,報道によると原告はけがをした高齢者の男性ではなくその長女のようなのです。どういう法的根拠でこうなっているのでしょうか。成年後見等になっているのでしょうか。この点については情報不足でよく
わからないところがあります。

長野県建設業厚生年金基金に対し,長野地裁判決以後,複数の事業所が脱退の申し入れをしていることが明らかに

JAPAN LAW EXPRESS: 長野地裁,加入事業所が財政の悪化を懸念して厚生年金基金からの脱退を請求した事件で請求を認容の関連情報です。

この長野地裁判決以後,長野県建設業厚生年金基金に対して脱退の申し入れをした事業所が複数出ていることが明らかになりました。

基金側は,代議員会に諮ることもしない構えであり,一方で先日の長野地裁判決に対して控訴して,厚生労働省の参加を得るため,国に訴訟参加してもらうための訴訟告知をする模様です。

まだ長野地裁の判断はまだ確定していない以上,基金側がさらなる脱退の動きを認めることはできないというのは当然と思われますが,代議員会にもはからない扱いがはたして可能であるかはよくわからない点があります。報道によると,不備があるとしているようなので,脱退の申し入れをすることそのものに要件の欠缺があるのかもしれませんが,雪崩を打って脱退の動きが強まって来るのに対して,脊髄反射のような反応をすると,さらなる法的紛争を生むかもしれません。