知財法務事情

私的録画補償金管理協会、東芝を提訴

私的録画補償金管理協会、私的録画補償金の不払いに関して東芝を提訴へ(2009.11.03)の続報です。

昨日、10日に私的録画補償金管理協会(SARVH)が、東芝を提訴したことが明らかになりました。

著作権者団体、東芝を提訴 地デジ放送録画機めぐり(日本経済新聞2009年11月11日)

俳優やレコード会社など著作権者の社団法人、私的録画補償金管理協会(サーブ)は10日、東芝に対しデジタル放送専用録画機の売り上げに応じた著作権料(補償金)の支払いを求める訴訟を東京地裁に起こしたと発表した。補償金相当額3264万5550円を請求した。

(略)

東芝は地上波デジタル専用の機器については支払義務を争う意向のようですので、法規解釈に関して大変な争いになりそうです。

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私的録画補償金管理協会、私的録画補償金の不払いに関して東芝を提訴へ

東芝、デジタル専用DVDレコーダーについて私的録音録画補償金を支払わず(2009.10.09)の続報です。

さる10月21日に私的録画補償金管理協会(SARVH)が、指摘録画補償金の不払いをしているとして東芝を提訴することを決定しました。

SARVH、補償金めぐり東芝への提訴方針を決定(日経パソコン2009年10月29日)

私的録画補償金管理協会(SARVH)は2009年10月21日に開催した理事会で、東芝に対し民事訴訟を提起する方針を決定した。東芝は、アナログチューナー非搭載の地上デジタル放送専用DVDレコーダーについて、私的録画補償金の対象外であると主張しており、補償金のうち同製品該当分について支払いを拒んでいる。

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円谷プロ、ウルトラマンの海外における著作権をめぐり、中国でも勝訴

円谷プロ、ウルトラマンの海外における権利をめぐってタイ最高裁で勝訴 日本国内と判断が分れる結果に(2008.02.16)の関連情報です。

特撮作品の代表であるウルトラマンの海外における著作権は円谷プロと関係があったタイ人実業家との間で紛争となっているのは周知の事実ですが、司法的には日本では円谷プロの敗訴で確定する一方、タイの裁判所では円谷プロ勝訴に終わっており国によって相反する結論になってしまっています。

司法権が及ぶのがその国の主権の範囲内に限られるためにこのような不可解な事態になってしまうのは当然なのですが、このためにウルトラマンの著作権のために展開しようとするあらゆる国で訴訟をしないといけない事態になっています。

このたび、円谷プロは件のタイ人と対立していた主戦場である中国における訴訟で勝訴したことが明らかになりました。

ウルトラマン著作権訴訟、円谷プロが中国で勝訴(日本経済新聞2009年11月3日)

ウルトラマンシリーズの海外での著作権を巡り、中国の裁判所でタイ人経営者らと争っていた裁判で、円谷プロダクション(東京・世田谷)が勝訴したことが分かった。(略)

今回の判決は中国広東省の広州市中級人民法院が10月23日に下した。中国は二審制で、今回は一審判決。双方とも30日以内に上告できる。

成長著しい中国市場ではウルトラマンも有力なコンテンツであるようですので、重要な一歩ということができましょう。

中国のデパートではタイ人実業家の製作にかかるウルトラマングッズが販売されているとのことで、中国で司法的に勝利できればこれらを差し止めることができましょう。

なお、これまでの詳しい経緯は最上部リンク先のエントリをどうぞ。

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JEITA、「アナログチューナー非搭載DVD録画機器を私的録画補償金の対象機器とする件について」を公表

東芝、デジタル専用DVDレコーダーについて私的録音録画補償金を支払わず(2009.10.09)の関連情報です。

(社)電子情報技術産業協会(JEITA)が、「アナログチューナー非搭載DVD録画機器を私的録画補償金の対象機器とする件について」とする文書を公開して、権利者団体や文化庁の見解に反論しています。

これまでの経緯を紹介して、調整が済んでいないのに課金対象とすることには納得がいかないという見解のようです。

もともと私的録音録画補償金は調整の結果、課金対象を決してきた経緯があるのでこの反論には相応の理由があるのでしょう。

上記リンク先のエントリーで引用していますが、条文の文言だけ見ると非常に広い書き方をしているので入ってしまいかねないのですが、この分野では、文言解釈の意味は限定的ということになるのでしょう。

しかし、ほころびが目立ち始めていたこの制度が、一方当事者の強硬な態度でいよいよ機器に瀕してきたように見受けられます。

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オンライン上での雑誌閲覧サービスに日本雑誌協会が著作権侵害として中止を要請 運営会社は一時中止を発表

情報サービス会社エニグモが開始したオンラインで雑誌を閲覧できるサービス「コルシカ」について、日本雑誌協会が著作権侵害であるとして中止を求めており、運営会社は一時中止を発表しました。

雑誌ネット閲覧サービス:運営会社が一時中止を発表(毎日新聞2009年10月9日)

インターネット上で雑誌を有料で購入、閲覧できる会員制サービス「コルシカ」を開始したエニグモ(東京都渋谷区)に対し、日本雑誌協会がサービスの中止を求めていた問題で、エニグモは9日、雑誌協会に加盟する全94社の出版物についてサービスを一時中止すると発表した。

(略)

このサービスで雑誌をオンラインで購入するとオンラインで閲覧することができるというサービスなのですが、運営元がスキャンしておいたものを閲覧する仕組みになっているようです。

エニグモは、購入者しか閲覧できないことを捉えて私的複製の範囲内と主張しています。

しかし購入者が具体的に現れる前にあらかじめ複製している以上、私的複製の範囲内だというのには無理があるように思われます。

第30条(私的使用のための複製)

著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。

一 公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器(複製の機能を有し、これに関する装置の全部又は主要な部分が自動化されている機器をいう。)を用いて複製する場合

二 技術的保護手段の回避(技術的保護手段に用いられている信号の除去又は改変(記録又は送信の方式の変換に伴う技術的な制約による除去又は改変を除く。)を行うことにより、当該技術的保護手段によつて防止される行為を可能とし、又は当該技術的保護手段によつて抑止される行為の結果に障害を生じないようにすることをいう。第百二十条の二第一号及び第二号において同じ。)により可能となり、又はその結果に障害が生じないようになつた複製を、その事実を知りながら行う場合

2 私的使用を目的として、デジタル方式の録音又は録画の機能を有する機器(放送の業務のための特別の性能その他の私的使用に通常供されない特別の性能を有するもの及び録音機能付きの電話機その他の本来の機能に附属する機能として録音又は録画の機能を有するものを除く。)であつて政令で定めるものにより、当該機器によるデジタル方式の録音又は録画の用に供される記録媒体であつて政令で定めるものに録音又は録画を行う者は、相当な額の補償金を著作権者に支払わなければならない。

 

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東芝、デジタル専用DVDレコーダーについて私的録音録画補償金を支払わず

東芝が、デジタル専用のDVDレコーダーについて、私的録音録画補償金を上積みせずに販売して、私的録画補償金管理協会(SARVH)に補償金を期限までに支払わなかったことが明らかになりました。

東芝としては、デジタル放送についてダビング10が始まっており、著作権侵害は生じないから補償金を支払う必要はないという見解を示しています。

もっとも、補償金の対象か明確ではないことを理由にしており、明確になったら支払うともしています。

文化庁の見解だと、該当するとしており、支払いの義務があるという立場です。

私的録音録画補償金の対象は、著作権法施行令に定めがあります。

第一章 私的録音録画補償金に係る特定機器及び特定記録媒体

第一条 著作権法 (以下「法」という。)第三十条第二項法第百二条第一項 において準用する場合を含む。以下この条及び次条において同じ。)の政令で定める機器のうち録音の機能を有するものは、次に掲げる機器(他の機器との間の音の信号に係る接続の方法で法第三十条第二項 の特別の性能を有する機器に用いるものとして文部科学省令で定めるものを用いる機器を除く。)であつて主として録音の用に供するもの(次項に規定するものを除く。)とする。
回転ヘッド技術を用いた磁気的方法により、三十二キロヘルツ、四十四・一キロヘルツ又は四十八キロヘルツの標本化周波数(アナログ信号をデジタル信号に変換する一秒当たりの回数をいう。以下この条において同じ。)でアナログデジタル変換(アナログ信号をデジタル信号に変換することをいう。以下この条において同じ。)が行われた音を幅が三・八一ミリメートルの磁気テープに固定する機能を有する機器
固定ヘッド技術を用いた磁気的方法により、三十二キロヘルツ、四十四・一キロヘルツ又は四十八キロヘルツの標本化周波数でアナログデジタル変換が行われた音を幅が三・七八ミリメートルの磁気テープに固定する機能を有する機器
磁気的かつ光学的方法により、四十四・一キロヘルツの標本化周波数でアナログデジタル変換が行われた音を直径が六十四ミリメートルの光磁気ディスクに固定する機能を有する機器
光学的方法により、四十四・一キロヘルツの標本化周波数でアナログデジタル変換が行われた音を直径が八十ミリメートル又は百二十ミリメートルの光ディスク(一枚の基板からなるものに限る。)に固定する機能を有する機器

法第三十条第二項 の政令で定める機器のうち録画の機能を有するものは、次に掲げる機器(ビデオカメラとしての機能を併せ有するものを除く。)であつて主として録画の用に供するもの(デジタル方式の録音の機能を併せ有するものを含む。)とする。
回転ヘッド技術を用いた磁気的方法により、その輝度については十三・五メガヘルツの標本化周波数で、その色相及び彩度については三・三七五メガヘルツの標本化周波数でアナログデジタル変換が行われた影像を、幅が六・三五ミリメートルの磁気テープ(幅、奥行及び高さが百二十五ミリメートル、七十八ミリメートル及び十四・六ミリメートルのカセットに収容されているものに限る。)に連続して固定する機能を有する機器
回転ヘッド技術を用いた磁気的方法により、いずれの標本化周波数によるものであるかを問わずアナログデジタル変換が行われた影像を、幅が十二・六五ミリメートルの磁気テープに連続して固定する機能を有する機器
光学的方法により、特定の標本化周波数でアナログデジタル変換が行われた影像又はいずれの標本化周波数によるものであるかを問わずアナログデジタル変換が行われた影像を、直径が百二十ミリメートルの光ディスク(レーザー光が照射される面から記録層までの距離が〇・六ミリメートルのものに限る。)であつて次のいずれか一に該当するものに連続して固定する機能を有する機器

記録層の渦巻状の溝がうねつておらず、かつ、連続していないもの
記録層の渦巻状の溝がうねつており、かつ、連続しているもの
記録層の渦巻状の溝がうねつており、かつ、連続していないもの

光学的方法(波長が四百五ナノメートルのレーザー光を用いることその他の文部科学省令で定める基準に従うものに限る。)により、特定の標本化周波数でアナログデジタル変換が行われた影像又はいずれの標本化周波数によるものであるかを問わずアナログデジタル変換が行われた影像を、直径が百二十ミリメートルの光ディスク(レーザー光が照射される面から記録層までの距離が〇・一ミリメートルのものに限る。)であつて前号ロに該当するものに連続して固定する機能を有する機器

第一条の二 法第三十条第二項 の政令で定める記録媒体のうち録音の用に供されるものは、前条第一項に規定する機器によるデジタル方式の録音の用に供される同項各号に規定する磁気テープ、光磁気ディスク又は光ディスク(小売に供された後最初に購入する時に録音されていないものに限る。)とする。
法第三十条第二項 の政令で定める記録媒体のうち録画の用に供されるものは、前条第二項に規定する機器によるデジタル方式の録画(デジタル方式の録音及び録画を含む。)の用に供される同項各号に規定する磁気テープ又は光ディスク(小売に供された後最初に購入する時に録画されていないものに限る。)とする。
デジタル専用のDVDレコーダーの技術的特長がよくわからないので、上記の特定機器に該当するのか判断しかねるのですが、デジタル専用でダビングに制限がかかっていることによって除外されることを読み込めるでしょうか。
対極的な見地からの議論はともかくとして、法解釈論としてはいまいちわからないところが多いように思われます。

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米連邦地裁、特許侵害でマイクロソフトのwordの販売差止命令

アメリカのテキサス州東部地区連邦地方裁判所がマイクロソフトのワープロソフトwordのうちの一部のヴァージョンがカナダに本拠を置くi4iの特許を侵害しているとして、販売を差し止める命令を出しました。

ワード販売差し止め判決…米連邦地裁(読売新聞2009年8月13日)

【ニューヨーク=池松洋】米テキサス州の連邦地方裁判所は12日、米マイクロソフト(MS)のワープロソフト「ワード」の2003年版と07年版がカナダのソフト開発会社「i4i(アイ・フォー・アイ)」の特許を侵害したとして、それぞれのワードの販売を差し止める判決を下した。

同地裁はMSに対し、約2億9000万ドル(約280億円)以上の賠償金をi4iに支払うことも命じた。米メディアが報じた。

(略)

i4iは、同社が1998年に取得したプログラム技術の特許をMSが侵害したとして、07年に提訴していた。

(略)

テキサスの連邦地裁はいろいろな点で有名なのですが、またもや衝撃的な判断を示すことになりました。

マイクロソフトは上訴する方針としていますし、あくまでアメリカの特許に基づいたアメリカにおける判断ですので、日本で店頭からwordがなくなるということはにわかにはおきませんが、よく目にする製品にこのような判決が出ることは非常に衝撃的ではあります。

問題となっている技術は、最近のwordに塔載されたxmlに関する技術であるようなので、仮に特許侵害があるにしてもwordが一切販売できなくなるようなことはないでしょうし、原告もそういうことを求めているわけではないと見解を表明しています。

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