リーガルトピックス

法務省側でも「営業秘密保護のための刑事訴訟手続の在り方研究会」の情報が公開される

JAPAN LAW EXPRESS: 経済産業省、「営業秘密保護のための刑事訴訟手続の在り方研究会の設置について」を公開の関連情報です。

公判手続における営業秘密保護の検討については、経済産業省のウェブサイト内で情報公開がされていることをお伝えしましたが、法務省のウェブサイトでも、ほぼ同じ内容が公表されました。

法務省:営業秘密保護のための刑事訴訟手続の在り方研究会

経済産業省のウェブサイトはプレスリリースということになっていましたので、議事録の公開等などの継続的な情報公開はこちらの方で行われそうな雰囲気です。

にほんブログ村 経営ブログ 法務・知財へ

最高裁、東京と香港を行き来している武富士創業者長男への課税が争われている訴訟で、国側勝訴の控訴審判決への上告に対して、弁論期日を指定

JAPAN LAW EXPRESS: 東京高裁、香港と日本を往来している武富士元会長長男への課税を是認の続報です。

武富士の創業者長男への贈与をめぐり、香港と東京を行ったりきたりしていたことから、住所がどこにあり課税が出来るのかが争われている訴訟があります。

第一審では原告である武井氏が勝訴したものの、控訴審では一転して国側が逆転勝訴しているという極めて判断の難しい事件があります。

中里先生によると覆る可能性は相当あるとのことだったのですが、そのとおりになる可能性が出てきており、最高裁が弁論期日を指定したことが明らかになりました。

聞いたところでは、この紛争は、お家騒動のために本当に香港に行ってしまったために東京と香港を行ったりきたりしていたのだという話があり、真偽のほどはわからないのですが、租税回避ではないのだという主張の背景にはこれがあるのでしょう。そんなところについてまで最高裁が言及することはなく、租税法における住所の概念等と本件の事実についての判示が出るのだと思われますが、注目されます。

にほんブログ村 経営ブログ 法務・知財へ

日航、整理解雇を決定

かねてよりお伝えしている日航の人員削減問題ですが、希望退職が予定に到達せず、いよいよ整理解雇が行われることに決定された模様です。

整理解雇が法的に有効に行えるかについては、かつての記事で大雑把に検討していますが、その後の推移を見ますと、仮処分申請がされるなど労働者側の反発を生じるような事象があったようです。

労組反発必至、混乱も 日航・整理解雇 : M&A・企業ニュース : 企業ナビ : マネー・経済 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)(2010年11月13日  読売新聞)

会社更生手続き中の日本航空が12日、パイロットらの「整理解雇」を決めた。

主力取引銀行から新規融資への合意を取り付け、今月末に裁判所から更生計画案の認可を得るためには、「計画の着実な実行の第一関門」(日航幹部)といえる人員削減を断行する必要があるためだ。ただ、解雇という強硬措置に労働組合が反発するのは必至だ。社内が混乱すれば再建への悪影響も懸念される。

(略)

 

これらを踏まえての労働側の反応がおきてきて、すんなりと整理解雇が実施できるかは微妙ですが、あまりに経営上の必要性が大きすぎるために全体としては整理解雇の有効性は動かないということになるのではないかと思いますが、どうでしょうか。

にほんブログ村 経営ブログ 法務・知財へ

東京高裁、サイバードホールディングスMBOの際の反対株主による株式買取請求権行使による株式取得価格決定申立事件で東京地裁決定を破棄して増額する決定

MBOが行われた後に反対株主による株式価格決定申立事件の問題をこのブログではいくつか取り上げてきましたが、そのうちの一件で係争中であるサイバードホールディングスの件について、東京高裁決定が出たので取り上げます。このサイバードの件の東京地裁決定は取り上げることを失念しておりまして、東京高裁の決定ですが、このブログで取り上げるのはこれが最初になります。

 

東京地裁は、6万円と判断していたのですが、東京高裁はこれを破棄、6万1360円としたことが明らかになりました。

決定全文は現時点では公表されておらず、判断の詳細は不明なので、なんともいえません。

判例時報等に掲載されたら検討したいと思います。

裁判例情報

東京高裁平成22年10月27日決定

にほんブログ村 経営ブログ 法務・知財へ

日本航空の機長ら、白紙の乗務スケジュールを渡されたことを退職強要だとして差止め申立て

経営再建中の日本航空は希望退職を募っていますが、応募が目標に到達しておらず、整理解雇の可能性が出ていることはすでにお伝えしました。

そのため、希望退職を積み増そうという動きが経営側から強まっているようで、目標に到達していないとされている機長の職において、白紙の乗務スケジュールが渡された機長が出ており、退職強要が行われているとして問題になっています。

この動きに対して、渡された機長側が、退職強要の差止めを求める仮処分命令の申立てをしたことが明らかになりました。

日航機長ら「退職強要」の差し止め申し立て : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)(2010年11月4日22時18分  読売新聞)

会社更生手続き中の日本航空の機長や副操縦士ら87人が4日、白紙の乗務スケジュールを渡されて退職を強要されたとして、同社にこうした行為をやめるよう求める仮処分を東京地裁に申し立てた。

申立書によると、日航は申し立てをした87人の10、11月分のスケジュールについて、会社側との面談日と公休日しか割り当てず、乗務から外した。

(略)

機長らは「仕事をさせないことで精神的圧力をかけて退職に追い込もうとしており、人格権の侵害にあたる」と主張している。

自主的に退職させるため、嫌がらせのような行動がとられることは社会的事実としてはよくあることですが、それらの事態に対して、退職強要行為が人格権侵害であるとして、差止めの仮処分が申し立てられることはあります。

しかし、裁判例になっているもののうち、雑誌等に登載されたものでは、かなりひどい態様の行為が行われても、差止めを認めていないものが多くなっています。

これらは、認められない事情があったためにその点に特殊性があることから公表されたのかもしれず、認められにくいということは一般的にいえるのかまではわかりませんが、本件では経営再建中であることから乗務を入れないことに便数の観点等から正当な理由をつけることが出来るかもしれません。

退職強要の差止めについて実際のところどれほど認められるのか等についてたくさん事例を見ることが出来るわけではないので、相場観がいまいちよくわからないのでなんともいえませんが、微妙なものがあるかもしれません。

にほんブログ村 経営ブログ 法務・知財へ

金融庁、英文開示の拡大を検討する「開示制度ワーキング・グループ」を設置

JAPAN LAW EXPRESS: 金融庁、有価証券届出書に英語での記載を可能にする方針と報道されるの続報です。

金融商品取引法では継続開示は英文開示が可能ですが、これを発行開示にも拡大することを検討するため、金融庁が具体的に動き出し、ワーキング・グループを設置したことが公表されました。

「開示制度ワーキング・グループ」の設置について

第1回 開示制度ワーキング・グループ」の開催について:金融庁

にほんブログ村 経営ブログ 法務・知財へ

 

 

文教堂グループホールディングス、買収防衛策の非継続を公表

日本最大の書店チェーンの文教堂を経営している株式会社文教堂の持株会社である文教堂グループホールディングスが買収防衛策の非継続を公表しました。

当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)の非継続に関するお知らせ

買収防衛策ブームが一巡して久しく、廃止の例も出ていますが、それに一件また新たに加わったことになります。

もっとも、本件の背景には、文教堂グループホールディングスには、ジュンク堂の持分と合わせると、実質的に大日本印刷が株式の過半数を保有しているので、安定的な親会社がいるからこその非継続といえます。

近時の買収防衛策廃止の例は、株主のことを考えてというもののほかに、傘下に入ったためというものも多く、景気の悪い昨今ですので事業再編ついでに今後もこういう買収防衛策の非継続はおきてくるものと考えられます。

にほんブログ村 経営ブログ 法務・知財へ

金融庁、空売り規制・自己株式取得に係る時限措置を平成23年1月31日まで延長

JAPAN LAW EXPRESS: 金融庁、空売り規制および自己株式取得規制の緩和を10月31日まで延長の続報です。

株価対策でリーマンショック以降、空売り規制と自己株式取得規制の緩和を3ヶ月の時限措置で設けて、継続を繰り返すことでずっと続けていますが、10月31日で期限切れになるのに際して、翌年の1月31日まで延長することが発表されました。

にほんブログ村 経営ブログ 法務・知財へ

最高裁、まねきTV事件でテレビ局敗訴の控訴審判決を見直しか

JAPAN LAW EXPRESS: まねきTV事件控訴審、TV各社の控訴棄却の続報です。

ほぼ適法ということで落ち着いたと思われていた「まねきTV事件」ですが、急展開がありそうです。

仮処分事件でテレビ局の申立てが退けられ、本案訴訟の第一審、控訴審ともテレビ局敗訴となっているまねきTV事件で、最高裁が弁論期日を指定したことが明らかになりました。

テレビ局側敗訴見直しか 最高裁が12月弁論 番組ネット転送訴訟 – MSN産経ニュース(2010.10.26 20:47)

インターネット経由で日本のテレビ番組を転送し、海外などでも視聴できるようにしたサービスが著作権法に違反するとして、NHKと在京キー局五社が運営会社「永野商店」(東京)に事業差し止めなどを求めた訴訟の上告審で、最高裁第3小法廷田原睦夫裁判長)は、双方の主張を聞く弁論を12月14日に開くことを決めた。

2審の結論を見直す際に必要とされる弁論が開かれることで、著作権侵害を否定し、テレビ局側敗訴とした1審東京地裁、2審知財高裁判決が見直される可能性が出てきた。

(略)

 

最高裁で弁論が開かれる以上、原判決破棄の可能性が出てきました。

仮処分事件でも上訴されていたはずで、それでもテレビ局敗訴であったのに何でという気がしないでもないですが、実はまねきTV抗告審に対して最高裁で争おうとした許可抗告の申立ては、知財高裁で許可がされておらず、最高裁では審理されていなかったのです。

ちなみに、これを許可しなかったのは三村判事(当時)のおられた第3部です。

よって最高裁が、この件について本案で審理をすることになったわけですが、判決を出すことはあるかもと思いましたが、まさかその前に弁論を行うとはかなり意外です。

これまでの法的判断はすべてまねきTVの技術的特性に注目して、他のサービスと違うというところから、結論を導いていたので、それを否定するとなるとどのようなことになるのでしょうか。

どのような判決が出るのか、非常に注目されることになりそうです。

にほんブログ村 経営ブログ 法務・知財へ

商事法務研究会及び経営法友会、第10回法務部門実態調査結果中間報告を公表 企業内弁護士は5年前の2.7倍に増加していることが判明

商事法務研究会及び経営法友会が第10回法務部門実態調査結果中間報告というのを公表しまして、会員企業など代表的な日本企業の法務部の現況が明らかになりました。

これは5年ごとに調査されているもので、5年前との比較を中心に興味深い情報が多く明らかになっています。

まず、取り上げたいのが、弁護士は増えているのに企業が採用していないということがよく言われますが、この調査では5年前に比べて、企業内弁護士が2.7倍に増加しており、着実に増加しているとしています。

ただ、その数は、95社182人にとどまっており、絶対数の増加から比べると少ないといわざるを得ない感じがします。

しかし、これを企業は弁護士を必要としていないということで片付けるわけにはいかないように思われます。

というのは、外国弁護士の数のほうがこれよりはるかに多く、428人となっているのです。

なぜ日本弁護士の数がこんなに少ないのかということを考えると、じつのところミスマッチがあるというのが理由の一端にあるのかもしれません。

 

どう見るかについて評価に悩んでいるデータもありまして、この5年間で50.1%の会社が新たな顧問弁護士の起用をしたと答えていることが掲載されてます。これは、伝統的な顧問先だけに任せるという状況から脱してきて、事案に応じて起用するようになってきているということか、それとも法的紛争が増えてこれまでは起用していなかった会社が弁護士を使うようになったということなのか評価が難しいところです。

 

しかし、実のところ、この調査は回答率が低くてすべての上場企業などを対象にして調査したのに16.9%しか回答が来ていないのです。

もう少し回答率が高くないと、日本企業の動向として捉えていいものか微妙になってしまうので惜しいところだと思います。