最高裁、転用困難な建物の賃貸借契約の賃料減額請求の当否の判断は通常の賃貸借と同じく総合考慮と判示


なんだかわけのわからないタイトルになってしまいすみません。
大型の店舗で転用困難な建物を建築して賃貸借するというデベロッパー型の契約において、賃料増額の特約がついていた場合、賃借人が借地借家法32条1項の賃料減額請求をした場合についての平成17年3月10日の第一小法廷判決です。判決全文はこちら
賃料減額請求権については強行法規とされ、特約による排除ができないのですが、開発型の借地借家契約では商業的な要素が強いのでそのまま適用するのは妥当ではないだろうとして、東京高裁は借家人の経営状態、公租公課だけをみて減額請求を認めなかったのですが、最高裁はこれを区別する理由はないとして、差し戻しました。
商業的な借地借家契約であっても賃料減額請求時の判断は一般の場合と異なることなく、近隣地価などを総合考慮しなさいとしました。
契約は本当は当事者自治の世界ですし、商事となったらなおさらリスク管理は当事者の負担ですから、不都合になった契約の修正に強行法規が利用されてしまうのはまずいと考え、判断基準を変えるのも一つの考え方でしょう。
借地借家法は公法と解するのが妥当でしょうから、公法の強行法規ということになります。すると文言を重視して解釈しなければならないですから、特に賃貸借契約を類型で分けていない以上、最高裁の判断には十分すぎる根拠があります。
やはり事実の側に即し過ぎても規範としては不十分ですから、これでいいのでしょう。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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