東証、大幅な株式分割やCB発行後の株式分割に指針、立会外取引も自粛要請へ


1株を10株にするなど株式でデノミの逆をするのが株式分割ですが、株価を下げて小口の投資を促すというのが教科書的には効用とされていました。

株式分割を行うと、必ず株価は上昇するのが実態で、今後の経営への自信があるからだとか投資家の裾野が広がるなどを好感触してという言い方もされますが、実際には今のところ株式を表章するのが有価証券たる株券であることにからくりが潜んでいます。

法的な問題ではなく、実務の話になりますが、株券の発行には結構は時間がかかるためにタイムラグが生じます。株式分割では50日ほどが一般的なようですが、この間には、株券ができていないので株式の流通が極端に減ってしまい、わずかな株式の売買でも値が乱高下してしまうようになります。
ここに投機資金が流入するために、かならず上昇という実態を生んでいるのですが、上がることが確実視できるとこれを利用するという考えも起きてくるわけで、上昇した時価総額を利用しての株式交換、株式分割直前に転換社債を発行しておけば、上昇局面で転換して売ることができるので社債の引受け先が設けることができるなどの利用方法が見受けられるようになってきました。

これらは違法というわけではないのですが、市場の透明性を損なうとして東証は指針を策定して自粛を要請していくことになりました。
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法的なものではないので要請にとどまっていますが、
100分割などの大幅な分割については慎重な検討を要請
CBを発行した会社には株式分割を自粛要請
などからなっています。

また会員である証券会社に証券取引法改正で立会外取引が公開買付規制の対象になる前でも、3分の1超の取得を目指す場合は立会外取引に取り次がないよう求めるなどの内容も含まれています。
まさに自主規制ですが、昨今の騒ぎがある以上、法律の成立前にルールを前倒して適用していくという考えでしょう。

ライブドアもそうですが、IT関連企業は株式分割をよくしますし、ライブドアがリーマンに発行したのは転換社債ですし、近時の事態に応じての対処なのがよくわかります。
もっともリーマンに出した転換社債は結構あるタイプのもので、世間で勘繰っているほどにはトリッキーではないのですが…。

この問題もそうですが、紙が必要であるせいで、実務的には法律の予想しないタイムラグが生じている事は結構あります。
そのためにペーパーレス化するわけですが、それまでの過渡期にはまだまだこういう手法が行われるのでしょう。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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