ニッポン放送、フジテレビに独占割当ての新株予約権を発行、フジテレビの子会社へ


一躍筆頭株主になったライブドアに対抗するため、ニッポン放送はフジテレビを独占的に引受け先とした一株あたり5950円の新株予約権を4720万株分発行することを決定しました。フジテレビに特別決議が可能となる議決権の66%を占める状況を実現することで、一気に解決を図るという意図のようです。記事はこちら

ニッポン放送の現在の発行済み株式総数は、6046万株、フジテレビの保有分はそのうちの5.2%です。
この状況から、ライブドアその他の株主には一切割り当てず、フジテレビだけが割当てを受けるのは不公正発行の疑いがかなりあります。

ただ、ライブドアの株式取得の経緯がトストネットの利用というかなり裏技的な手段ですので、それによって生じたライブドアの株主価値は保護に値せず、むしろ毀損された株主価値の回復のためと考えるなら理由のないことでもないかもしれません。
ただ、この線から考えてもフジテレビにだけ割り当てるとそれ以外の株主の保護を無視しているのは明らかなので、合法性を確かなものにするならもう少し割当先の設定などで工夫がいるでしょう。

いずれにせよ司法の判断を待たなくてはいけません。

商法上どうかという点はもちろん大事ですが、時間切れ、資金切れを起こさせるというのはM&A攻防の常套手段ですので、法的に解決しないうちに事態は終わってしまうことも十分ありえます。更なる長期化への一手と見るべきでしょう。

また、防衛策としての新株予約権の発行は、事業の拡大を伴うわけではないので、仮に成功したとしても配当負担がやたらと大きくなるだけで、かえって会社を傷つけるものです。
買収の対象となるような魅力的な会社が、争いの中で人的資金的に荒廃してしまい、魅力がなくなってしまう事も結構あるのですが、まさに皮肉の一言です。

日本もアメリカに遅れること20年ほどでそういう時代に突入しました。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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