フジテレビ、ニッポン放送のTOBでライブドアに対抗策を打ち出す


某証券会社がアドバイザーとなって行われるはずだったフジテレビによるニッポン放送へのTOBですが、ライブドアの奇襲攻撃で一気にワイドショー的な騒ぎになってしまいました。
法的には簡単なので、時流に乗るみたいで取り上げるのはどうかなと思ったのですが、基本のおさらいということでまとめて取り上げます。
記事は以下のを御覧頂ければ事態の推移が分かるかと思います。
フジテレビ、ニッポン放送をTOBで子会社に
ライブドア、ニッポン放送株35%を取得
フジテレビ、経営権防衛に全力
ニッポン放送株の増資も・堀江ライブドア社長
もともとのフジテレビの狙いは、株式持合いのせいで筆頭株主が時価総額が自分より小さいニッポン放送であり、フジ、ニッポン放送とも上場しているため、かなりゆがんだ資本関係であるのを解消を目指したものでした。
変な持ち合いは公正な価格形成を妨げるので、目指す方向は間違っていないし、買収されてしまうおそれは現実的にあることがこの一件で図らずも明らかになりましたので、妥当な方針だったと思います。
以下、商法の規定について簡単にふれておきます。
株式会社間で株式を相互保有すると資本が実際にはないのにもかかわらず天文学的に増資をしたように見せかけることが可能です。
その防止策として、241条3項より4分の1以上議決権を保有されている会社が、保有している会社の株式を取得しても議決権は発生ないとされています。
この場合は、フジテレビがニッポン放送の株式を25%まで集めることに方針転換したのはこの規定を踏まえてのものです。
これに対してライブドアは、逆にフジテレビが所有することになるニッポン放送の発行済み株式議決権の25%は発生しなくなるため、残りの75%分のうち51%を抑えれば特別決議ができるようになるということをいっていますがこれも241条3項によるものです。
ただ、特別決議がどれほど重いかについては色々とありますね。
ニッポン放送を増資してフジテレビの25%を希釈するという案も提示していますが、株主割当の新株発行ですべての新株をライブドアが引き受けることはできるでしょうか。そんなことをしたら新株発行無効原因になるでしょう。
株主平等の原則はかなり重いのが日本の商法ですから。
そもそも経営権を握らなければ新株発行自体できませんね。
とまあ、騒ぎは大きい割りに論点は基本的かなと思います。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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