有価証券報告書虚偽記載に課徴金を課す法改正に内閣法制局が難色


西武鉄道の有価証券報告書虚偽記載を受けて証券取引法の再改正が検討されていますが、その中に有価証券報告書の虚偽記載に課徴金を課すという内容があります。

しかし、有価証券報告書の虚偽記載は、上記リンクのエントリーでもふれたとおり、刑事罰が用意されているために、課徴金制度を新たに設けると二重処罰の禁止に抵触するのではないかという独禁法での論争が再燃する可能性があります。この点から内閣法制局が現在検討中の課徴金制度に難色を示していることが明らかになりました。
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ここでいう課徴金(独禁法の課徴金のことで財政法上の課徴金ではないという意味です)は刑事罰の罰金とは違い、不正に得た利益の没収とされています。
そのため不正な利益の算定方法を決めておくのが不可欠ですが、案では、虚偽記載中の時価総額の平均を何割掛け課して算出するつもりのようですが、これはあいまいということで、難色をしめしています。
もともと独禁法の課徴金もある種「えいやっ」と割り切って決めているので、この決め方があまりにあいまいということはできませんが、売り上げに何割掛けかするならともかく、一旦上場してしまえば株価がどう変わろうと発行会社の収入にはあまり関係がないので、この割り切り方にはその点から無理があるのでしょう。

すると刑事罰だけ強化すればいいではないかという考え方になりますが、エンフォースメントの便宜を考えて、課徴金制度の創設を狙っているのでしょうね。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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