背後に見えるもの


この間に日経の囲み記事で、マイスターの国ドイツでは資格は減りつつあるが、日本では増えているということが載っていました。

ドイツの資格減少はEU統合による自由化の側面が強いですが、そもそも資格は同業者組合につながり、組合内自治に直結するということで前近代的なものでもあります。
中間団体を解体して権力の分散を解消するのが近代以降の大きな流れである以上、今日のドイツの動きは起こるべきして起こっているものと評価できるのでしょう。

それに対して日本では増えていくのは、利権の側面が大きいでしょうね。
資格は履歴書に書ける要素ですからプラスのイメージで、何かあれば受けるインセンティブがあります。
ということはお金が流れ込むので利用しない手はないというわけですね。

しかし、一見、金が入ってきて大助かりに見えますが、それだけ業界を生むことにつながるので、後日圧力団体になりえるのではないでしょうか。
するとそれらの思惑にも配慮しなければならなくなり、裁量を狭めることになりますね。

ローマ帝国は各種団体や組合の結成に非常に神経質でしたが、この辺の摂理から警戒したのでしょうね。

日本とドイツの全く逆の現象の背後にはちがった事情がありますが、根っこは同じなんですよね。
日本の改革は総論では進んでいるのに今一歩実感が伴わないのは、色々な利益集団が跋扈しすぎてどれに対しても配慮の結果、どの勢力にもよくわからない結論になってしまうからではないでしょうか。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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