松山地裁、井関農機のグループ会社の契約社員が手当や賞与の不支給を違法と主張して提訴した損害賠償請求訴訟で、手当について不合理な待遇格差であるとして約232万円の支払を命じる


いわゆる労働契約法20条訴訟で新たな裁判例が出ました。

違法格差認め手当支払い命令 井関農機グループ2社に  :日本経済新聞 2018/4/25 7:39

正社員と同じ業務なのに、手当が支払われず賞与に格差があるのは違法だとして、井関農機(松山市)のグループ会社2社の契約社員5人が2社に計約773万円の支払いなどを求めた訴訟の判決で、松山地裁(久保井恵子裁判長)は24日、手当の不支給を違法と認め、計約232万円の支払いを命じた。賞与については認めなかった。

 訴えていたのは「井関松山ファクトリー」の2人と「井関松山製造所」の3人で、訴訟としては2件。

 久保井裁判長はそれぞれの判決で、契約社員と正社員の間で「業務の内容に大きな相違があるとはいえない」と認定。住宅手当や家族手当の他、年齢に応じて生活費を補助する物価手当、欠勤がない場合に支払われる精勤手当の不支給は、労働契約法20条で禁じる「不合理な待遇格差」に当たるとした。

 一方、賞与の格差については契約社員も10万円程度が「寸志」として年2回支払われており、「有為な人材の獲得と定着のために一定の合理性が認められる」などとし、違法性を否定した。

(略)

判決全文については確認できていないのですが、業務の内容に大きな相違があるとは言えないとしたとされていますが、結論は一部認容なので、違いについても認定しているところがあるものと思われます。

また、手当は違法としつつ、賞与については寸志としての支給があることから違法としなかった点は注目に値すると思われます。

もっとも、住宅手当、家族手当、生活費の補助の物価手当、精勤手当などはどれもかなり伝統的な手当であり、業務や職務と直結しない手当の項目が多数並んでいるという点からして労務管理としてどうなのだろうかという感じがしないでもありません。

 

 

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。