最高裁、ハマキョウレックス事件で弁論を開く 判決は長澤運輸事件と同じく6月1日


正規従業員と非正規従業員の基本給や手当の違いが労働契約法20条の問題となっている事件の先行事例にあたるハマキョウレックス事件の最高裁での弁論が開かれました。判決は6月1日に指定され、長澤運輸事件と同日になることが決まりました。

正社員と契約社員の待遇差 最高裁で弁論  :日本経済新聞 2018/4/23 17:45

業務内容が同じなのに、正社員と契約社員で賃金や手当に差をつけることの是非が争われた訴訟の上告審で、最高裁第2小法廷(山本庸幸裁判長)は23日、当事者の主張を聞く弁論を開いた。判決は6月1日。正社員と非正社員の待遇に不合理な差をつけることを禁じた労働契約法20条の解釈を巡り、最高裁は初の判断を示すとみられる。

 原告は、物流大手「ハマキョウレックス」(浜松市)の契約社員の男性運転手。2016年7月の二審・大阪高裁判決は、「通勤手当」や「無事故手当」など4種類の手当について、正社員との格差を不合理と指摘。同社に差額分計77万円の支払いを命じた。

 原告側はこの日の弁論で、同法20条の適用について「職務内容という客観的な要素を最も重視すべきで、合理的に説明できない格差は原則無効と解釈すべきだ」と主張。「正規労働者と非正規労働者の不合理な格差は、放置できない状況になっている」と訴えた。

 一方、会社側は「人手不足が深刻ないま、人材獲得のため正社員に手当を支給したり福利厚生を充実させたりすることは、会社の合理的な裁量の範囲内にある」と主張。各種手当の差は不合理ではないと述べた。

(略)

 

労働契約法20条をめぐる訴訟は、実際のところ、職務内容や人事の範囲を検討した結果、完全に同じということはそうはないことと、その違いを基本給の金額に換算していくらということを説得的に言いにくいということもあり、結果、たどり着いたのが手当であり、手当の趣旨が妥当するかが主戦場になってしまうという状況を生んでいます。現在用意されている立法でも、この判断枠組みを一般化する方向であるので、最高裁の判断もこの中において、統一的な判断基準を示すのではないかと私見では予想しています。

ちなみに手当が主戦場になってしまうというのは、比較法的には結構、珍しい事態であるほか、そもそも近時、成果主義的な賃金制度が徐々に浸透してきており、手当を整理する方向が出てきているため、そもそも論的に限界のある話なのではないかという印象があります。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。