医師の長時間労働も問題になってきていますが、医師のオンコール対応について、36協定を締結せずに行っていたとして労働基準法違反で是正勧告がされた事例が出たことが明らかになりました。
協定結ばず医師に時間外労働 藤田保健衛生大病院に是正勧告 :日本経済新聞 2017/12/26 23:15 日本経済新聞 電子版
藤田保健衛生大病院(愛知県豊明市)が時間外労働に関する労使協定(三六協定)を医師と結ばないまま緊急呼び出しをしていたなどとして、名古屋東労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが26日、同病院などへの取材で分かった。呼び出し時間に応じた割増賃金も支払っていなかった。勧告は11月22日付。
(略)
オンコール態勢で対応した医師は時間外労働になるわけですが、36協定の締結がされていなかったということと報道されています。
病院のような大きな組織で36協定を締結していないとなると大変な事態のように感じますが、他の報道も含めて判断すると、36協定自体は締結されているものの、その対象に医師が入っていなかった模様です。
36協定は事業場単位で締結しないといけませんが、協定届の様式で時間外労働をさせる具体的事由を記載しないといけないため、ここから部署ごとに人数を列挙して記載をしないといけないなっています。想像するに本件では、医師の部門が協定から落ちていたものと思われます。
従って、携帯電話などを渡して呼び出しがあったら駆けつけることにするいわゆるオンコールについて、労働基準監督署が労働時間性を認めたとかそういう論点ではないと想像されます。