厚生労働省、退社から翌日の出社までに一定時間あける制度を導入した企業に助成金を出す内容を職場意識改善助成金に追加へ


EUでは、退社後、翌日の出社の間に一定の時間を空けないといけないという規制があります。

日本でも、ホワイトカラーエグゼンプションの労基法改正案を検討する際に、車の両輪として過重労働を抑制する仕組みをセットにすることを念頭にこのEUの規制を検討して導入を探ったのですが、現在の労基法の体系にあまり合わないことから見送りとなっていました。

このたび、厚生労働省が法規制の形ではなく、会社の制度として導入した場合に助成金を出すというソフトな方法で導入を図ろうとしていることが明らかになりました。

 

退社→翌日出社、一定時間空けて 就業規則明記で助成  :日本経済新聞 2016/5/4 1:38

 厚生労働省は従業員がオフィスを退社してから翌日に出社するまで一定時間を空ける制度を導入した企業に助成金を出す方針だ。就業規則への明記を条件に、早ければ2017年度から最大100万円を支給する。深夜残業や早朝出勤を減らすことで、長時間労働の解消につなげる。

(略)

 

報道によると、助成金とは、具体的には、既に存在している職場意識改善助成金に追加することが検討されている模様です。

職場意識改善助成金(職場環境改善コース) |厚生労働省

この助成金は、国の雇用分野の助成金の例に漏れず、中小企業だけが対象なのですが、報道によると、大企業にも拡大の可能性があることが言及されています。

最近、安倍内閣が力を入れている分野である限定正社員関係などの助成金は企業の規模に関係なく支給されるようになっており、この点でもパラダイム転換がされてきています。

また、このような動きは、会社法の分野と同じくソフトローによる法実現といえ、興味深いものがあります。

労働行政は場当たり的なところがあるため、会社法や金商法のような理論的と実務という整理を貫徹させることはできませんが、非常に興味深い動きが強まってきていることは確かといえましょう。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。