東芝、提訴請求を受けた28人の現旧役員のうち5人に責任追及の訴えを提起 株主は残りの役員について株主代表訴訟提起の構え


東芝は、不適切会計の問題で株主から関与したとされる役員に対する提訴請求を受けていましたが、これに対して一部について責任追及の訴えを提起しました。

東芝のプレスリリース

提訴請求では、現役および元役員合計28人に対して、総額10億円の損害賠償請求をするようにと提訴請求を受けていましたが、これに対して、東芝はそのうちの5名に対して3億円の責任追及の訴えを提起したということになります。

提訴請求のやり方は以下の通りに定められています。

会社法施行規則

(株主による責任追及等の訴えの提起の請求方法)

第二百十七条 法第八百四十七条第一項 の法務省令で定める方法は、次に掲げる事項を記載した書面の提出又は当該事項の電磁的方法による提供とする。

 被告となるべき者

 請求の趣旨及び請求を特定するのに必要な事実

この定め方は、実体法上の権利を反映しているわけですが、その帰結として、提訴請求をしながら会社が提訴しなかった分については、株主代表訴訟を提起できるということになります。

このため、提訴請求をした株主の代理人からは、株主代表訴訟の意向が示されています。

個人株主代理人「他の東芝役員にも訴訟検討」  :日本経済新聞 2015/11/7 23:44 日本経済新聞 電子版

東芝に現旧役員への訴訟を起こすように求めていた奈良県在住の個人株主の代理人である金啓彦弁護士は7日、東芝が旧役員5人に損害賠償を求めて提訴したことを受け「被告とならなかった役員については別途、株主代表訴訟を提起することも検討する」とのコメントを発表した。

(略)

役員の責任はそれぞれ個人ごとに権利としては別物になりますので訴訟物も別ということになりますが、弁論の併合はありうると考えられています。すると、馴れ合いが懸念される会社による追行と株主による追行が同時に行われることになり、大変混乱した訴訟になることが懸念されます。

 

 

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About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。