消費者委員会消費者契約法専門調査会の中間とりまとめに対して、三井不動産、楽天などの企業の法務担当者有志が説明会を開催、勧誘に広告を含める案について懸念の意見が出される


政府の消費者員会消費者契約法専門調査会が8月に公表した中間とりまとめにおいて、「勧誘」に広告のうち一定のものを含む可能性が示されました。

消費者委員会 消費者契約法専門調査会「中間取りまとめ」(PDF形式:371KB)

該当する記述は長いのですが、今後の検討の方向性については以下のようにまとめられています。

事業者が、当該事業者と消費者との間でのある特定の取引を誘引する目的をもってした行為については、それが不特定の者を対象としたものであっても、それを受け取った消費者との関係では、個別の契約を締結する意思の形成に向けられたものと評価することができると考えられる。そこで、事業者が、当該事業者との特定の取引を誘引する目的をもってする行為をしたと客観的に判断される場合、そこに重要事項についての不実告知等があり、これにより消費者が誤認をしたときは、意思表示の取消しの規律を適用することが考えられるが、適用対象となる行為の範囲については、事業者に与える影響等も踏まえ、引き続き検討すべきである。

広告一般を含めるわけではないことは当然前提としていますが、このような枠組みにしますと、個別判断のようになるため事業者の側にとっては大変判断に困る事態になることは容易に想像されます。

このため早くも経済界からは懸念の意見が出ており、法務担当者有志が説明会を開催して、会場から様々な意見がだされるという機会があった模様です。

広告も「勧誘」に、企業側が懸念 消費者契約法改正で  :日本経済新聞 2015/9/10 21:33

消費者契約法の改正を巡り、三井不動産、楽天など大手企業の法務担当者有志が10日都内で説明会を開いた。政府の消費者委員会専門調査会が8月にまとめた中間報告では、契約を取り消せる「勧誘」の対象に広告を含める案などが盛り込まれた。説明会では広告に書いていないことを理由に返品を求める事態が頻発するなど、企業活動に影響が出ることを懸念する声が相次いだ。

 広告やネット、小売り、アパレル、金融などの担当者100人以上に加え、消費者委員会の事務局が参加した。規制が強化されると、ポスターなどに消費者に伝えるべき注意を限りなく記載する必要が出てくるとの指摘がある。

 説明会では「どれが『勧誘』に該当したかの判断は難しい」(電通担当者)との声が出た。三井不動産担当者は「誇大広告などは宅地建物取引業法でも対応しており、業者への罰則もある。新たな規制は混乱を起こす」と指摘した。

(略)

まだまだ法改正の議論としては途中ですが、かなり尖鋭的な取りまとめがされたことから、事業者からの動きも早くも活発なものになっている模様です。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。