日本郵政インフォメーションテクノロジー、ソフトバンクモバイルと野村総合研究所を相手取って通信回線敷設の遅れで損害が生じたとして損害賠償請求訴訟を提起


日本郵政が全国の郵便局などの拠点を結ぶ新しい通信ネットワークを作る工事をソフトバンクモバイルなどが受注したものの、工事が遅延して損害が生じたとして、日本郵政の子会社がソフトバンクモバイルと野村総合研究所を相手取って損害賠償請求訴訟を提起したことが明らかになりました。

ソフトバンクと日本郵政が相互に訴訟提起、ITシステム納入で | マイナビニュース [2015/05/02]

日本郵政と日本郵政インフォメーションテクノロジー(JPiT)は5月1日、ソフトバンクモバイル(SBM)と野村総合研究所(NRI)を相手取り、両者に発注した業務の履行遅延から生じた損害に相当する161.5億円の賠償を求め、東京地方裁判所に訴訟提起を行ったと発表した。なお、ソフトバンクモバイルも、4月30日にJPiTを被告とする追加報酬の支払い請求訴訟の提起を行っている。

SBMとJPiTは、2013年2月7日に全国の日本郵政グループの事業所拠点を繋げるネットワーク「5次PNET」の通信回線整備の事業契約を締結。SBMは通信回線の敷設工事など、NRIはネットワークの移行管理・調整業務を発注したという。

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しかし、この移行作業が遅滞しており、納期も3月31日から6月30日に延期されたことから「日本郵政グループに損害が発生」(JPiTリリースより)し、損害賠償の請求を行ったとしている。

一方でソフトバンクモバイルは、JPiTから当初の契約における受注業務の範囲を超える業務の依頼を受けており、「追加の業務も実施してきた」(リリースより)という。

両社は損害賠償の請求、追加業務に関する報酬の請求など、相互に交渉を続けてきたが、協議による解決には至らなかった。JPiTは4月9日付でSBMに、4月23日付でNRIに訴訟提起を行う旨を通知している。請求額については、SBMからJPiTが約149億円、JPiTからSBMとNRIへは161.5億円となっている。

(略)

上記報道ではかなり中身やその後の経緯まで言及されており、よくわかる内容となっています。

システム開発系で発生するトラブルとしてはありがちな内容ともいえるのですが、通信回線といったハードの工事も含まれることからシステムでよくありがちなトラブルと同じ問題といえるのかは微妙なところがあります。

一方で、だんだんと当初の発注から拡大していったという契約後に動き出してからの経緯についても触れざるを得ないという点でシステム系のトラブルと同じ感じがあります。

日本郵政、ソフトバンクモバイル、野村総研といった大企業でこのようなトラブルになったということは一見するとやや意外なところですが、上記の報道でもある通り、話し合いが不調で司法の判断にゆだねるを得なくなったという経緯もうかがわれます。その点は利害関係者の多い大企業だからこその判断である点もあるので、むしろ司法の場に移ったのはある意味当然の判断なのだと思われます。

 

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About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。