育児休業給付金が、月80時間未満の短時間勤務の場合にも支給されるように変更されていることが注目を集める


育児休業を取得させることは企業の義務ですが、一般的にこの期間は無給とされていることが多いです。そのかわりに国から雇用保険を原資として給付金がでるのですが、これは賃金が出ない場合に支給されるのが原則で、正確には月に11日以上就業すると出ないというものでした。

しかし、実は平成26年10月1日から育児休業給付金の支給要件が緩和され、月に80時間まで労働していても支給されるように変更がなされました。

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000042797_2.pdf

このことの周知がだんだん進んできた模様で報道でも取り上げられるようになりました。

育休中、広がる在宅勤務 月80時間までの休業給付で  :日本経済新聞 2015/3/28 13:30

育児休業の社員が自宅などで短時間の勤務をする動きが広がってきた。月80時間までなら就業日数にかかわらず育児休業給付金が受給できるようになったことがきっかけだ。スムーズな職場復帰を促し、多様な働き方の一つとして関心を寄せる企業も増えており、女性の活躍推進を後押しする策の一つとして注目されつつある。

(略)

このような認知の広がりによって、月に80時間まで働きたいという要望を受けたのだがという企業からのご相談も増えています。

何でご相談事項になってしまうかというと、まだ多くの企業で育児短時間勤務は1日当たり5時間までの短縮を認めているだけのパターンが多いため、規程に合わないのだがというご相談が多いのです。

育休期間中でも働きたいという要望をするのは、これまた国が育休の取得を奨励している有期雇用の労働者からでして、元からの収入が低めであるためできる限り働きたいということになっているものと推測されます。

しかし、シフト制で勤務を汲んでいる事業では4時間の仕事を生み出すのが難しいということがあるようで、ご相談いただく事態になっている傾向があります。

そもそも、ご相談をいただく事象から推察すると、シフト制でなくても短時間での働き方では、働く方にとってもかなり限界があるのが実情のようです。育児休業給付金の受給要件の緩和ではからずも単に短く働くことを認めるだけでは限界があるということが改めて露呈しているような印象です。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。