東証、上場企業に2名以上の独立社外取締役の選任を求めるコーポレートガバナンスコードを6月から施行へ 選任しない場合には理由の説明が求められることに


金融庁と東証がまとめる「コーポレートガバナンス・コード」で、上場規則に複数の社外取締役の設置を求めることが明らかに | Japan Law Expressの続報です。

上記記事を受けて、昨年12月17日に東証からコーポレートガバナンス・コードの基本的な考え方(案)が公表されていますが、当該コードが6月から施行され、上場規則でこのコードの内容を実施しない場合には説明をすることが求められるという形で、上場規則の整備が行われることになり、2月24日にパブリックコメントに付されました。

コーポレートガバナンス・コードの策定に伴う上場制度の整備について

コードの内容は多岐にわたることから、独立社外取締役の点だけ取り上げるのは適当ではなく、他にもさまざまなコーポレートガバナンスに関する内容について、行うべきとされていることが示されており、実施しない場合には説明が求められるという形になっています。

コードのうち、独立社外取締役についての箇所は以下の通りになります。

【原則4-8.独立社外取締役の有効な活用】
独立社外取締役は会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に寄与するように役割・責務を果たすべきであり、上場会社はそのような資質を十分に備えた独立社外取締役を少なくとも2名以上選任すべきである。また、業種・規模・事業特性・機関設計・会社をとりまく環境等を総合的に勘案して、自主的な判断により、少なくとも3分の1以上の独立社外取締役を選任することが必要と考える上場会社は、上記にかかわらず、そのための取組み方針を開示すべきである。

上記だけ読むと、開示するべきは、後段の3分の1以上の独立社外取締役の選任に関する場合に限られそうに読めますが、そもそも全体を拾う規定として以下のようなものがあり、全体の内容について説明をしないといけない立てつけになっています。

【原則3-1.情報開示の充実】
上場会社は、法令に基づく開示を適切に行うことに加え、会社の意思決定の透明性・公正性を確保し、実効的なコーポレートガバナンスを実現するとの観点から、(本コード(原案)の各原則において開示を求めている事項のほか、)以下の事項について開示・公表し、主体的な情報発信を行うべきである。
(ⅰ)会社の目指すところ(経営理念等)や経営戦略、経営計画
(ⅱ)本コード(原案)のそれぞれの原則を踏まえた、コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方と基本方針
(ⅲ)取締役会が経営陣幹部・取締役の報酬を決定するに当たっての方針と手続
(ⅳ)取締役会が経営陣幹部の選任と取締役・監査役候補の指名を行うに当たっての方針と手続
(ⅴ)取締役会が上記(ⅳ)を踏まえて経営陣幹部の選任と取締役・監査役候補の指名を行う際の、個々の選任・指名についての説明

上記プレスリリース内に書かれていますが、 “Comply or Explain”(原則を実施するか、実施しない場合にはその理由を説明するか)が、コーポレートガバナンスの規律方法として確立して久しいですが、その段階がさらに進展したということになります。

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About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。