神戸大学大学院医学系研究科の元准教授が、当時の教授から不当に退職を迫られたとして、大学と教授を相手取って提起した損害賠償請求訴訟の控訴審で、和解が成立


大阪高裁において、神戸大学大学院医学系研究科の元准教授が、教授(当時)から不当に退職を迫られたとして、大学と教授を相手取って提起した損害賠償請求訴訟の控訴審で、和解が成立して終了したことが明らかになりました。

神戸新聞NEXT|社会|神大アカハラ訴訟が和解 元准教授に解決金 大阪高裁 2014/12/3 14:11

神戸大大学院医学研究科の准教授だった男性(59)が、教授(当時)から不当に退職を迫られたとして損害賠償を求めた訴訟の控訴審は、大学と教授が計125万円の解決金を支払うことなどを内容とする和解が3日までに、大阪高裁(小松一雄裁判長)で成立した。

 和解は11月7日付。解決金のほか、大学が「遺憾の意」を表し、ハラスメントの再発防止に努めることなどが含まれる。一審神戸地裁判決は、退職勧奨に応じないことへの嫌がらせとして診療や研究の制限があったと認め、計275万円の支払いを命令。大学と教授が控訴していた。

 一審判決によると、男性は2007年に准教授に着任し、08年以降、教授に退職を強要された。断ると組織再編に合わせて配置異動させられるなどし、10年に解任された。

退職勧奨をした理由については、この和解に関する報道ではあまり明らかではないのですが、上記のとおり原判決でも損害賠償が認められておりこの判決に関する報道によると以下のような事情があった模様です。

神戸新聞NEXT|社会|元医学部長の「アカハラ」認定 神戸大に賠償命令 神戸地裁 2013/6/29 05:45

(略)

判決によると、元医学部長は2008年4月に就任。当時、元准教授が科長を務める血液内科を腫瘍内科と統合・再編する計画が進んでおり、元医学部長は元准教授に「自分で身を引けへんかったら処分する」「進退を一任しないなら、研究も診療も一切できないようにする」などと再三退職を強要。元准教授が拒否すると「助教授のくせに」「アホ」「エゴイスト」などと非難した。

 小西裁判長は「長時間、侮蔑的・脅迫的な表現で退職を迫っており、不法行為に当たる」と認定。さらに、診療や研究ができない地位に追いやったことや、厳重注意処分としたことも「制裁や嫌がらせを目的にしたもので、原告が受けた精神的苦痛・不利益は大きい」と指摘した。

(略)

要するにきっかけは大学内というか医学部内の組織再編にあったことが伺われます。

上記報道では具体的な行為態様も引用されており、どのような退職勧奨がアカハラ、一般的な企業車内に置き換えるとパワハラに当たるかと検討するうえでの事例として有意義なものと思われます。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。