厚生労働省、企画業務型裁量労働制について本社で一括申請を可能にするなどの見直しを検討と報道される


裁量労働制の見直しが厚生労働省の労働政策審議会で検討のテーマに上っていますが、この審議会での検討と関係する模様ですが、厚生労働省が裁量労働制について見直しを検討している内容が日経に載りましたので取り上げます。

29日に日経新聞及び電子版で報道されたところによると、企画業務型裁量労働制について以下のような見直しが検討されているとのことです。

  • 事業所単位の申請から本社で一括申請可能にする
  • 労働時間及び健康確保の仕組についての定期報告の義務を廃止か頻度を減らすことを検討

上記のような内容を額面通り受け取ると、手続きの簡素化だけですので、利用増への寄与はあまりなさそうです。裁量労働制の導入が進まないのは、手続きが煩雑だからというよりは、適用できる範囲が狭すぎるからであるのが実際のところですので、これだけではあまり意味がなさそうです。

もっとも、本社で一括申請可能という点について、企画業務型裁量労働制では、本社以外の事業場では企画業務はおよそありえないことになっていたため、およそ本社事業場以外での実施例はありえないような説明がされていました。一括申請可能というところに企画業務型裁量労働制の拡大、要件的には「事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析の業務」の意味するところが拡大されるのだとすると、かなり大きな意義がありそうです。

また、定期報告の緩和という点も、健康の観点から労働時間の実質的な把握現在求めていることは、裁量労働制の趣旨に反するため、導入当初から矛盾していると批判があったところでした。この矛盾の解消につながるのだとしたらこれも実質的に意味があることになりそうです。

しかし、いずれにせよ、選挙の前に詳細がでるはずがないので、あくまでアドバルーン的なものに過ぎないというのがこの報道の実際ではないかと思われます。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。