パワハラに関する懲戒処分の事例がまた報道に出ましたので取り上げます。
群馬大:パワハラで40代教授を解雇 – 毎日新聞 毎日新聞 2014年11月20日 21時17分
群馬大は20日、部下の教員5人にパワーハラスメントや暴言を繰り返したとして、大学院医学系研究科の40代の男性教授を懲戒解雇したと発表した。
大学によると、教授は2012年1月〜13年8月、同じ研究室の助教や講師の男性4人と女性1人に対し、退職や休日出勤を強要したり、長時間にわたり叱責、侮辱したりしたとしている。女性に対し、「結婚は三角、出産はバツ」との趣旨の発言もあったという。5人のうち2人が退職した。
教授は大学の調査に対し女性蔑視発言を認めたが、他の行為については「指導の範囲内」と説明したという。大学側は教授を諭旨解雇とすることを決め、退職願を書くよう勧告したが、本人が拒否したため20日付で懲戒解雇とした。
(略)
いわゆる研究室に入ってきた研究員に対するパワハラということで、相手が大学院生など学生の立場であったとしたらアカハラになるところだと思われます。
他社の報道によると、当の教授は、
この教授は「ずっと一人で研究してきた。(部下に)どう接したらいいか分からない」と指導法の悩みを周囲に漏らしていたという。
とのことで、教授がこのような乱暴な言動に及んでしまったことの原因が伺われるところです。
群馬大学は、当初、諭旨解雇にしようとしたところですが、拒否したため懲戒解雇としたとなっています。諭旨解雇は、法的に正確な定義があるわけではありませんが、一般的には期限を定めて退職届の提出を促し、提出がされない場合には懲戒解雇とするものです。
そのため懲戒解雇よりは一段前の懲戒処分ということになりますが、懲戒解雇してしまった場合には、懲戒解雇としての有効性の問題になるため、実のところ、懲戒解雇相当の事案ではない場合にはできないのが実情と思われます。