東京地裁、日本ボクシングコミッションの元事務局長が提起した解雇無効等確認請求訴訟で、解雇事由とされた事実が認められないとして解雇を無効とするなど原告の請求認容の判決


下記従前の記事 2012.06.24 法律関係tweetまとめ | Japan Law Express の関連情報です。

2012.06.24 法律関係tweetまとめ | Japan Law Express

[法律]日本ボクシングコミッションの元事務局長,就業規則違反を理由としてされた同氏に対する解雇を,不当解雇であるとして東京地裁に訴訟提起(6月20日)。同氏は,解雇に先立って,降格処分も受けており,それについても訴訟提起しているとのこと。

この訴訟ですが、解雇無効、降格処分も無効という原則の請求認容の判決に至ったことが明らかになりました。

JBCの懲戒解雇は無効=前事務局長が勝訴—東京地裁 – WSJ 2014 年 11 月 21 日 17:30 JST 更新

日本ボクシングコミッション(JBC)から懲戒解雇された安河内剛氏(53)が、事務局長としての地位確認などを求めた訴訟の判決が21日、東京地裁であった。松田敦子裁判官は「処分は正当な理由がなく無効」として訴えを認めるとともに、JBC側に慰謝料30万円などの支払いを命じた。

 松田裁判官は、懲戒処分の前に行われた事務局長からの降格処分について、「JBCが団体分裂を回避するため、現事務局長代行らの要求を受け入れて安河内氏を排除することが目的だった」と指摘した。 

上記では引用していませんが日経の報道によると、判決で認定されている事実の経緯は以下のようなものであるとされています。

JBCは2011年6月、業務上の不手際を理由に安河内さんを降格処分にした。提訴翌月の12年6月には「別団体を設立しようとした上、ボクサーの個人情報を外部に漏らした」などとして懲戒解雇にした。

これに対して、東京地裁は、解雇事由とされた事実について証拠がないなどとして、懲戒事由該当性を否定する判断をした模様です。懲戒事由に該当しない以上、懲戒解雇処分は当然に濫用ということになります。

また、これに先立つ人事上の降格についても、対立する幹部の引き留めの目的で不当になされたものとしています。

業務上の不手際による降格ですので、人事権行使ではなく懲戒処分としての降格のように見えなくもないですが、東京地裁の判断枠組みからして人事権の濫用の枠組みで判断していることから、あくまで普通の人事権行使として検討している模様です。

法的に新規な点があるというよりは、事実関係に重きのある事案であると思われます。

裁判例情報

東京地裁平成26年11月21日判決

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。