札幌地裁、店舗側による食べログの投稿情報削除請求を認めず


食べログに掲載された投稿内容等の削除を求める請求について、札幌地裁が請求を棄却していたことが明らかになりました。

食べログ掲載の投稿情報、削除認めず 札幌地裁判決  :日本経済新聞 2014/9/4 21:36

飲食店の利用者が感想を投稿するグルメサイトに事実と違う内容を投稿されたとして、札幌市の飲食店経営会社が、「食べログ」を運営するカカクコムに店舗情報の削除などを求めた訴訟の判決で、札幌地裁は4日、請求を棄却した。原告側は控訴を検討する。

 判決理由で長谷川恭弘裁判長は「原告の会社は法人であり、広く一般人を対象に飲食店を営業しているのだから、自己の情報を『個人』と同じようにコントロールする権利はない」と指摘。

 さらに「原告の請求を認めれば、情報が掲載される媒体を選択し、望まない場合は掲載を拒絶する自由を原告に与えることになる。他人の表現行為や得られる情報が恣意的に制限されることにもなり、容認できない」との判断を示した。

 判決によると、飲食店は北広島市にあり、「料理が出るまで長時間待たされた」との投稿が食べログに寄せられた。(略)

判決の構成は、表現の自由及び自己情報コントロール権に基づいており、根拠がかなり固いことが特徴的です。法人だから自己情報コントロール権がないというくだりだけだと、個人事業主の場合にやや気になるところが出てきますが、表現の自由にも根拠を求めていることから、かなりの手堅い構成になっています。

食べログをめぐっては、他にも大阪で隠れ家を売りにしている飲食店の運営企業が、こちらは店の情報そのものの削除を求める訴訟を提起していることが明らかになっていますが、こちらでも当然のことながら同じ構成で食べログ側は拒否をしたことから訴訟提起となっており、今後の展開が注目されます。

裁判例情報

札幌地裁平成26年9月4日判決

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。