政府、不当解雇の金銭的解決を検討開始と報道される


安倍内閣になってからの規制緩和は、雇用分野について色々と検討の対象とはするもののあまり大幅な規制緩和にはならずに終わってしまうことが多いのですが、次の課題として解雇の金銭的解決の検討に着手すると日経の報道で取り上げられました。

不当解雇、金銭補償で解決 政府が検討着手  :日本経済新聞 2014/8/24 1:02

政府は裁判で認められた不当な解雇を金銭補償で解決する制度の検討に入る。解雇された労働者が職場に戻る代わりに年収の1~2年分の補償金を受け取れる枠組みを軸に検討を進める。労働者が泣き寝入りを迫られる現状を改めつつ、主要国と金銭解決のルールで足並みをそろえる狙いだ。2016年春の導入をめざすが、中小企業や労働組合の反発は強い。実現には曲折がありそうだ。

日経でしか取り上げられていないので例によって観測気球的な記事なのだと思いますが、それに加えてこの報道では、若干不可解な記述が多いので、そもそもの内容の当否が気になります。

とりあえず、記事の内容からいくと、不当解雇出会った場合に、原職復帰ではなく、補償金の支払いを命じることも可能にするという立法的措置の検討を開始するとのことであり、その際の基準は年収の1年から2年分などが取りざたされているということの模様です。

これだと、お金さえ払えば解雇できるというわけではなく、あくまで不当解雇であるか否かが争点になるので、使用者側にとっては厄介な問題が残りそうですし、労働者側にとっては、解雇が容易な方向に向かうということで抵抗があるでしょうから、労使双方から受け入れがたくあまり問題の解決にならないような気がします。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。