明治安田生命、賃金制度を改めて、正社員と限定正社員と同一の賃金テーブルとすることを可能にする仕組みを導入へ


明治安田生命が、正社員の賃金制度を再編成することが報道されました。日経の報道によると、同一賃金同一労働、男女での違いがなくなるといった捉えられ方をされているようですが、報道中で言及された内容から分析すると、ただいま注目を集めている限定正社員と正社員の賃金制度の接続を可能にするようなものであるように見受けられ、限定正社員の活用が促されている昨今の情勢と軌を一にする改正と思われます。

明治安田生命は、この報道に先だって一般職を地域総合職とするという制度変更が行われることが報道されており、これに連続するものと思われます。

女性社員、男性と同一業務なら賃金同じ 明治安田  :日本経済新聞 2014/8/9 23:39 日本経済新聞 電子版

 明治安田生命保険は2015年度から、同じ業務をしていれば職種が違っても給料を同じにする「同一労働・同一賃金」制度を正社員に導入する。これまでは転勤の有無により賃金表が異なり、業務に対して支払われる賃金が不透明だった。転勤のない職種は女性がほとんどで、待遇の改善で活躍を後押しする。全国型の総合職には転勤が伴う分、給料を加算する。

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上記のとおり、基本給を業務に対する対価として位置づけることで、人事異動の可能性によって差をつけるのをやめることで、この点では同一賃金同一労働となることになります。

一方で、伝統的な意味での総合職の有する人事異動の可能性に対しては、加算によって違いを設けるという整理となる模様です。

この人事に関する加算が手当になるのかは不明ですが、人事異動の可能性に対する対価が、画一的な手当では納得感の点から難しいかもしれません。昨今は基本給表を複数設けて加算するという賃金の決め方もありますので、等級ごとに加算される金額を変えるということもあるかもしれません。

また、最近の賃金制度設計の実例として、本件のように担当する業務に対する基本給と、職能等級的な意味での役割に対する基本給の合算で基本給を決めるという仕組みも見受けられてきています。

賃金テーブルをわけて、職種ごとに別の世界として管理するのがセオリーでしたが、人材確保の観点が重要になってきた昨今、一部の賃金テーブルは共通にすることで基本的には、正社員と同じ待遇なのであるということを強調する向きが出てきている模様です。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。