第一生命、議決権の行使結果を開示へ


機関投資家であるもののあまり存在感のなかった大手生命保険会社が、議決権行使基準を策定したり、議決権の行使結果である賛否を公表するところが出てきていることが明らかになりました。

「物言う生保」存在感 第一生命、議案賛否数を公表  :日本経済新聞

2014/8/14 0:55 (2014/8/14 3:30更新)

「物言わぬ株主」と言われてきた生命保険会社が、株主総会での議決権行使によって投資先への経営関与を強める。第一生命保険は大手生保で初めて、投資先の上場企業の議案にどう賛否を投じたかを公表することを決めた。18兆円もの株式を保有する生保が投資先の剰余金処分などの監視を強めれば、企業に増配などを促すきっかけとなりそうだ。

■情報開示を強化

 「ほかの生保から余計なことをしたと批判されるかもしれないが、上場企業として情報開示を強化する必要があった」。第一生命は月末に今年の株主総会で投資先企業の議案ごとにどう賛否を投じたか初めて公表する。同社幹部はその狙いをそう説明する。

 生保が「物言う株主」に転じ始めた契機は、機関投資家の行動規範を定めた「日本版スチュワードシップ・コード」の導入だ。2月に金融庁が指針をまとめ、大手生保が一斉に導入を表明した。

 これまでも生保は取締役選任などの議案に賛成するか否認するかの内部基準があったが、議案の賛否数などはほとんど公表していなかった。生保の株式保有は資産運用の面だけでなく、保険商品を投資先に売るための「営業ツール」としての側面もあったためだ。

生保は国内上場企業の発行済み株式の4%にあたる株式を保有し、取締役の選任などで議決権を行使すれば企業への影響は大きい。例えば第一生命は今年から、在任12年を超す監査役の再任には反対票を投じることにした。取締役会のなれ合いを防ぐためだ。

 ほかにも経営状態の悪い企業が買収防衛策を導入しようとすれば、これにも反対票を投じる。今年の株主総会では投資先の約2000社の議案のうち10%弱に反対したという。月末にはさらに「取締役の選任」「剰余金の処分案」など議案ごとの賛否数を公表し、企業に経営改善を働きかける。生保は国債の利回り低迷で運用実績が伸び悩む。保有株の投資価値を高める必要があるためだ。

(略)

上記のとおり、日本版スチュワードシップ・コードによって機関投資家としての振る舞いが強化されたことが明らかになっています。

これだけではなく、企業価値の向上を図ることで運用面での成果も期待する向きもあるのでしょう。

もっとも、もともと代表的な日本企業にいた身としては、上記記事中の営業面も非常に大きいことを感じますので、果たしてこのままでいけるのかは若干微妙にも思えるのですが、別の問題として保険の販売チャネルの多様化などもあり、問題は限定的になっているということがあるのかもしれません。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。