ヨーロッパ連合、知的財産における途上国の権利保護強化案をまとめる


知的財産は本来の意図はともかく、合法的な独占を可能とするものであり、その点から近時に脚光を浴びているのですが、世界規模での見方をしてみると先進国による技術や知識の囲い込みであり、既存の地位を活用してその優位を未来永劫にわたらせようとするものと捉えられています。
そのため知財保護強化が先進国の態度であり、途上国はなるべく認めないようにする態度を取っています。
日本も以前は保護が薄い側に入りました。今では態度は逆転しています。
知的財産に関しては、世界知的所有権機関(WIPO)というところがあり、世界レベルでの枠組みが作られているのですが、先進国による知の囲い込みや途上国にある知的財産の収奪を警戒して、日米欧主導の議論が進まなくなってきています。
現在すすめられているのは、特許の審査基準の統一などのテーマなのですが、それらが途上国の反対で進まなくなっています。
背景には先進国の企業が、資金的な優位を活用して、知財を囲い込んでしまったり、途上国にあるものを特許などにして自分たちのものにしてしまうことに対する警戒感があります。
特許で独占が許されるのは、広く公開することで技術の発展に寄与するからそのご褒美ということなので、途上国で埋もれているなにかを見つけ出して広く世界のものとすることもあながち特許の目的から外れたこととは言い切れないのですが、知財保護を認めたくないのは途上国が必ず通る道ですので、妥協は困難です。
そこでヨーロッパ連合は、発明の起源を開示させることで途上国にも利益を還元させる案をまとめることが明らかになりました。記事はこちら
権利保護の対象の広げ方によっては、特許だけでなく著作物や意匠にも広がりうるとされています。
当然、日米は反対で新しい条約がまとまるかは分かりませんが、ヨーロッパの歩み寄りの背後にあるのは、審査基準統一を統一を達成しようという思惑だけではないでしょう。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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