東京海上の現役社員が、保険料の不払いについて自分に責任転嫁がされて降格されたとして会社を相手取り、損賠賠償請求訴訟を提起していたことが明らかになる


保険金の不払い問題が社会問題化したことがありましたが、その件の処理を巡って労働紛争が発生していたことが明らかになりました。

不払い引責降格は不当…東京海上日動社員が提訴 : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)2014年05月02日 15時16分

東京海上日動火災保険が自動車保険金の一部を支払っていなかった問題で、現役社員の男性が、不払いへの対応に不備があったとする虚偽の理由で降格処分を受けたのは不当として、当時の上司と同社に3000万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴していたことがわかった。

男性側は「不払いを会社側から指示された」と主張している。

訴状によると、男性は損保各社の不払いが発覚した2005年当時、契約者の中から追加払いの対象者を探す作業を担当。06年、上司から「調査対象の書類を捨てたのか」と聞かれ、否定したのに、「男性が書類を廃棄し、契約者を一律に『支払い対象外』と判断した」とする社内報告書を作成された、としている。

男性は訴状で、当時、会社から「(追加払いの)対象を絞り込み、極力ゼロにして報告せよ」と指示された、と主張。「支払うべき保険金を隠蔽する作業をやらされたうえ、責任を押しつけられた」としている。

上記読売新聞の報道では言及れされていませんが、日経の報道ではすでにこの社員は労働審判を起こしたことがあり、その手続きの過程で、上記の社内報告書が作成されていることを知ったということのようです。

不払いを会社から指示されたという衝撃的な主張をしていますが、報道によると、不払いそのものを指示されているようには見えず、社内報告書は人事的な手続きにどのように関係しているのかも不明です。そもそもの人事が、人事権行使として行われたのか、懲戒として行われたのかも不明なので、どのように整理をするのかも難しいとのことがありますが、原告の主張の通りに組み立てることができるのかについてはまだまだ超えないといけないハードルがいくらかあるように思われます。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。