イケア・ジャパン、パートタイマー全員を無期雇用に 均衡待遇に基づき賃金体系も見直しへ


人手不足感や政府の働きかけなど様々な要因で賃金上昇の動きが一部ででていますが、非正規雇用の待遇を大きく改善するという点でイケア・ジャパンが突出した改革を行うことが明らかになりました。

イケア、パート全員を無期雇用に 賃金体系も全面見直し:朝日新聞デジタル(2014年4月16日07時18分)

家具量販のイケア・ジャパンは、すべてのパートタイム従業員を雇用期間が決まっていない無期契約にする。同時に、職務内容と賃金を見直して、同じような仕事をしている正社員と差がない「均等待遇」を目指す。新しい制度は9月に導入する予定だ。

同社の従業員は約3400人で、その7割をパートが占める。パートの半分が6カ月契約の有期雇用。新制度では、パート全員が無期雇用になる。

賃金体系も全面的に見直す。正社員を含めた全従業員と面談し、職務内容や求められる能力を確認しながら、月給や時給を決める。正社員とパートで分かれている就業規則は一本化する。現在パートの時給は地域によって差があるが、新制度では全国同じ基準で決める。

(略)

パートタイマーに対する待遇改善に関連する動きをまとめると以下のようになるかと思われます。

  • 現在半年ごとの有期雇用も含まれるパートタイマーを無期契約に変更
  • 職務内容と賃金を見直して、正社員と差がない者は均等待遇とし、それ以外の社員も職務内容や求められる能力を確認して賃金を決定する
  • 就業規則等は一本化する

上記報道だけでもかなり画期的な待遇改善が行われて、労働者の定着等に大きな影響を与えるものと思われます。

もっとも、触れられてはいないものの上記の報道から想像すると、全員を正社員化するというわけではなく、あくまで限定正社員とよばれるようなものや非正規雇用としての待遇の引き上げという整理になるものと思われます。

そのため、地域限定や短時間社員といったバリエーションがあるものと思われます。また、待遇の向上と福利厚生の統一されるものの人事面についての差異などは残るのかもしれません。

もしそうだとすると、ぎりぎりの局面では、整理解雇の許容性に差異が生じるという事態はありうるかもしれません。

就業規則の一本化などは、しっかりと規定を整備しておけば、上記のようなバリエーションを残すことは可能です。

それでも十分、画期的ではありますがそれなりにバランスも考慮した制度変更を打ち出しているのかもしれません。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。