それで済む世界ではないはず


この日は途中まで事務所にいて、その後外出してそのまま直帰しました。

STAP細胞の一連の問題は、小保方さんをはじめとして関係者がテレビをはじめとしたマスコミの前で会見するなど、センセーショナルな展開をしてしまっているせいで、スキャンダラスな話題になっていますが、そもそもの内容が内容ですので、とれも普通の人にわかりやすいものではないという本質は何ら変わっていません。学術的、科学的に結論が出るはずのところなので、会見して影響を慮るということ自体、不適切な気がするのですが、当事者にはそれぞれの思惑があるのでしょう。

しかし、科学的部分についてはテレビでも正確に解説している者はあまり見受けられず、何かと何かを混同しているきらいがあるように見えました。

それはさておき、もともとが法律学の世界の端くれにいた身としてはとても気になったことが一つありまして、小保方さんが会見で行っていた論文の書き方などが自己流のままできてしまったというところでした。それを色々な研究室を転々としたためとしていたのですが、そもそも学問の世界では、ポストを転々とするのは当たり前なので、特に小保方さんだけ転々としたわけではないでしょう。

学問の世界は、学問的議論のために共通言語というか共通の基盤がないとそもそも成り立たないので、それはこの世界に入る時点で身に着けないといけないように思われるのですが、理系や生物学の世界では違うのでしょうか。法律学でも論文の書き方や、検討の仕方などの基本的な作法は身に着けていないと話にならないのであり、実験などが入ってくる科学の世界ではそれはなおさらだと思うのですが。

東大では、法律学は社会科学であるとして、むしろある種、科学であることを自認しています。これはその研究手法は科学的であるべきということを含意しており、もともとはアメリカで発展した視座なのです。そのように科学的であらんと文系分野の方が志しているはずなのに、その本丸で自己流がまかり通るというのはどういうことなのでしょうか。なんだか変な話で、あの一点だけ聞いて、この方は言い逃れをしており、社会一般にはこれで通るはずと謀っているように感じてしまいました。

その後、恩師も小保方さんの自己流のきらいを認めていたので、そのようなものなのかなあと釈然としない感じがなおさら増えてしまったのでした。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。