アメリカ連邦最高裁、取引先企業の不正を通報することも企業改革法の内部通報者保護に該当すると判断


内部通報またの名を公益通報の対象は、自分の勤務先の情報を通報することですが、その対象に勤務先以外も含まれるのかがアメリカでは議論されているとのことで、連邦最高裁が含まれると判断したことが明らかになりました。

米連邦最高裁、取引先も内部通報者保護の対象に :日本経済新聞

米連邦最高裁はこのほど、取引先企業の不正を通報した従業員も企業改革法の内部通報者保護の対象になるという判断を出した。これまでは保護が取引先の従業員まで及ぶかどうかはっきりしなかった。日本でも内部通報者の保護が課題になっており、米国の判断は参考になりそうだ。

訴訟は、米フィデリティが管理するファンド(公開企業)での不正を告発したフィデリティ社員が同社から報復措置を受けたケース。フィデリティ側は、内部通報者保護制度は「公開企業の従業員のみを対象にしている」と主張し、請求棄却を申し立てていた。

連邦巡回区裁判所(控訴審)は会社側の主張を認めていたが、連邦最高裁の決定は「公開企業の契約先企業や下請け企業の従業員も保護の対象になる」と判断し、新たなルールを示した。

(略)

日本ではどうなるかと考えてみますと、日本の公益通報者保護法は同じく、通報対象事実をいわゆる勤務先や労務提供先としているので社外は含まないことになりそうです。

しかし、公益通報者保護法とは別に、その内部通報が原因で懲戒がなされたとき、その有効性をめぐって懲戒権濫用か否かの判断枠組みの中で、検討がされることになります。

取引先の不正を通報した場合に、取引先との関係を慮って懲戒をしたという場合に裁判で争われるということになると、日本でも、懲戒を無効とすることで社外のことについての内部告発を保護するという事態はありうるところのように思われます。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。