労働基準法違反で労働基準監督署に検察官に送検されるという事象はいろいろなパターンがありますが,そのうちもっとも重いものとして,過労死が疑われる事態が発生したことで,労災の適用の場面から労働基準監督署の知るところとなり,調査が入るというものがあります。
このたび,阪急阪神ホテルズでそのような事態が生じた模様です。
ホテル阪神:料理人時間外100時間超 総支配人書類送検 – 毎日新聞 毎日新聞 2014年03月13日 09時53分(最終更新 03月13日 11時39分)
ホテル阪神(大阪市福島区)の料理人に月100時間を超える時間外労働をさせていたとして、西野田労働基準監督署(大阪市)は12日、ホテルの男性総支配人(56)と運営会社の阪急阪神ホテルズを、労働基準法違反の疑いで書類送検したと発表した。料理人の男性が倒れて死亡し、発覚した。総支配人は「人手が不足していた」と話し、容疑を認めているという。
送検容疑は昨年7月、労使協定で定めた上限の月60時間を超える時間外労働を、男性にさせたとしている。
労基署によると、男性(当時54歳)は昨年8月上旬に倒れ、脳幹出血で死亡。前月の7月に月101時間の時間外労働をしていた。男性を含め4人が90時間以上の時間外労働をしていたという。
(略)
ちなみにこのブログでも何度か取り上げていますが,36協定の上限を超えることそのものには,罰則はついていません。
しかし,32条の労働時間規制に違反するというのが判例でしてその後,行政もそのように運用しています。
本件はただ労働基準法違反とだけ報道されていますが,その中身は上記のようなものだと思われます。